サンタクルス県において日本のODAプレスツアーを開催

令和元年9月25日
2019年2月14日~15日、当館はサンタクルス県で現地メディアを対象としたODAプレスツアーを実施しました。日本政府は、これまでサンタクルス県において約150件のODA案件を実施しており、また今年は、ボリビア日本人移住120周年という節目となる年を迎えます。本プレスツアーはオキナワ日本移住地を含む同県6市において日本政府のODA事業を広報する目的で開催し、新聞社及びテレビ局合計5社が参加しました。

1 草の根・人間の安全保障無償資金協力「9月1日教育施設整備計画」施設引渡式

ヘネラル・サーベドラ市は、サンタクルス市の北58kmに位置し、ポソ・カイマネス地区は同市から砂利道を走って車で約40分のところに位置しています。同地区の唯一の学校では、非常に簡素で劣悪な教室で授業が行われていましたが、「9月1日教育施設整備計画」(贈与金額879万2960円)の引渡式かが行われ、5つの新しい教室により255人の生徒と17人の先生たちの教育環境が改善がなされました。
 

   
両国国旗を振って歓迎する生徒たち。   土瓶を割って新しい教室を開設を祝う。   案件実施前の教室
 

2.日本基金を利用して調達された重機

ボリビア開発企画省所管の国家地方開発基金(FNDR)は、日本の無償資金協力を原資として「見返り資金」を運営基金として、道路建設機材、ゴミ収集車などを購入する資金を200以上の市町村に融資しています。2018年9月に大使館が承認した「モンテロ市重機調達」案件により、市役所がゴミ収集車2台、モーターグレーダ2機、ダンプカー1台と大型トラックを調達して市民生活向上に役立っています。
   
モンテロ市で活躍するゴミ収集車   モーターグレーダが新しい道を建設   見返り資金について説明する茂木一等書記官

 

3.獣医師の青年海外協力隊員の活動

田中真理子青年海外協力隊員は、2017年にボリビアに派遣され、サンタクルス北部牧畜協会(AGANORTE)に獣医学と衛生の分野の知識をボリビアの畜産農家に普及しています。
 

   
田中隊員が協会での活動を説明   病理検査   実験機材
 

4.スポーツ分野の青年協力隊員の活動(野球・ソフトボール)

廣池岳隊員は、福岡大学でスポーツを専門としており、サンタクルス県の野球・ソフトボール協会のために2年間の野球普及活動を行っています。2018年10月に到着してから、ボリビアであまり知られていない野球を少しずつ普及しており、今回のプレスツアーでは、オキナワ移住地の学校で野球の授業を楽しんでいる子どもたちの姿が見られました。
   
試合の様子   小さな子供もバッターで参加   走ってボールをキャッチ!
 

5.教育分野の青年海外協力隊の活動

稲井茂幸隊員は、2017年6月にボリビアに到着し、オキナワ日本・ボリビア文化会館所属の学校で教員活動を行っています。1986年から2014年までは、沖縄県庁が、日本語をはじめとする日本文化・教育の普及ための教員派遣をしていました。
 
稲井隊員が学校での活動を説明   学校長からも隊員の活動について説明
 

6.保健分野のシニア海外協力隊員の活動および草の根・人間の安全保障無償資金協力「オキナワ日本ボリビア協会診療所診察棟整備計画」

オキナワ日本ボリビア協会診療所は、1979年にJICAの協力によって建設された第1次病院です。同診療所は築30年以上が経過し老朽化が進み、2012年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「オキナワ日本ボリビア協会診療所診察棟整備計画」により、産科診察室、内科診察室、医師控室、婦人科診察室、内視鏡室、倉庫、薬局、待合室、術後回復室及び救急治療室が新しく建設されました。
2018年には、田中ひろ子看護師がシニア海外協力隊員として同診療所に派遣され、高齢者に対するデイケアサービス等の活動に従事しています。
 
田中隊員の活動を説明する院長   草の根無償資金協力で建てられた建物
 

7.オキナワ・ボリビア歴史資料館   

2004年、オキナワ移住50周年記念の機会に開設されたオキナワ・ボリビア歴史資料館を訪問しました。展示室には、移住者が当時利用していた生活用品や機材などが展示されています。
   
オキナワ日本ボリビア協会文化会館幹事を務める比嘉さんが、歴史資料館でメディアに対してオキナワ移住地の歴史を説明してくれました。
 

8.コロニア沖縄農牧総合協同組合(略称:CAICO)

1956年から始まったオキナワ移住地の移住者による農業に従事していた移住者で生産者組合を発足し、1971年にコロニア沖縄農牧総合協同組合(略称:CAICO)が設立されました。2002年、ボリビア政府によりオキナワ移住地は「ボリビアの小麦の首都」と命名されました。小麦以外にも大豆、米、パスタ等が生産されてます。
   
小麦貯蔵サイロ   CAICO工場長の説明      パスタ工場
 

9.職業訓練校に於けるJOCV活動       

松尾まどか(美容師)及び安達弓華(映像)青年海外協力隊員は、サンタクルス職業訓練校(INFOCAL)で活動しており、同校の生徒たちに対し、日本とボリビアの比較による日本紹介や5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の重要性等について発表しました。
   
プレゼンテーションの様子   プレスのインタビューに対応   安達隊員が玉子ケースを利用して設置した無響室
 

10.草の根・人間の安全保障無償資金協力「パイロン総合保健施設拡張整備計画」

パイロン市は、サンタクルス市から東に約55kmの距離に位置します。「パイロン総合保健施設拡張計画」(贈与額:8万1682米ドル)の引渡式が行われ、新しい保健施設により、パイロン市の住民4万3819人の生活の質の向上に繋がることが期待されます。なお、本引渡式にはロメロ内務大臣も出席しました。
   
贈与に係る銘板の除幕   医師による機材の説明   ロメロ内務大臣との挨拶
 

11.音楽分野の青年海外協力隊の活動

サンタクルス市芸術学校では、久田祥子青年海外協力隊員が音楽を教えており、生徒たちは同隊員の指導を受けながら演奏しました。
   
久田青年海外協力隊員の授業風景
 

12.一般無償資金協力「サンタクルス総合病院建設計画」

日本政府は、1985年にサンタクルス市で唯一の第3次病院の建設に協力しました(贈与額42億円)。その後、数多くのボリビア人医師が日本で研修を受け、また、様々な分野の日本人専門家がボリビアに派遣され、技術移転を行いました。現在、この病院で勤務する医師の3割が日本で研修を受けた医師であり、サンタクルス市で最も重要な医療施設の一つとしてとして多くの市民に評価されています。
   
医院長による長年の協力の説明   日本病院の正面玄関   病棟外観
 

13.柔道の青年海外協力隊

小泉陽奈青年海外協力隊員はサンタクルス柔道協会に派遣され、サンタクルス市民の柔道技術向上に貢献しています。
 
小泉隊員へのインタビューとボリビア人柔道家とのデモンストレーション
 

14.環境プログラム無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」

環境プログラム無償資金協力(贈与額4.4億円)により、太陽光パネルをサンタクルス県ビルビル空港敷地内に設置しました。
   
「ボリビアで最も効率性の高いパネルシステム」と説明するビルビル空港インフラ担当者 太陽光パネルの直流を交流に切り替える機材の説明
 

15.有償資金協力「ビルビル国際空港建設計画」

 「ビルビル国際空港建設計画」(供与額174.89億円)は、サンタクルス市から北へ15kmの場所に、1978年及び1982年に有償資金協力事業として実施され、現在、同空港は、ボリビアのハブ空港として国内外の旅客機・貨物機が発着している。
   
空港ターミナル   空港職員による説明   供与に係る銘板