ポトシ県とチュキサカ県において開発協力案件にかかるプレスツアーを開催

平成29年11月17日
2017年11月15~16日、当館は現地メディアを対象に開発協力案件にかかるプレスツアーをポトシ県とチュキサカ県において実施しました。ポトシ県ポトシ市とチュキサカ県スクレ市は、ボリビアの独立以前から南米で名立たる都市であり、政治的、文化的、歴史的に重要な地域です。ポトシ市には、スペインの植民地時代に世界最大の銀の産出量を誇った鉱山セロ・リコがあり、また、憲法上の首都であるスクレ市には、司法機関が所在しています。日本政府は、約40年間にわたり同地域の社会経済発展を目的として数多くの協力を行ってきました。今回のプレスツアーは、同2市と周辺1市における日本政府の開発協力を広報する目的で開催し、合計5社の現地メディアが参加しました。

1 草の根・人間の安全保障無償資金協力「プカプカ地域上水道施設整備計画」引渡式

 ポトシ県ポルコ市プカプカ地域は、同地鉱山の採掘活動が原因で河川が汚染され、その水を飲用した住民に様々な健康問題が発生したり、渇水による水不足が深刻でした。本案件は、40,223ドルの供与資金により5箇所の集落の上水施設が整備され、住民が安全な水を確保できるようになりました。
引渡式典の様子(了泉庵参事官とポトシ市長)
 
引渡し式の様子
TVインタビューの様子
 
裨益者へのインタビューの様子
 

2 平成20年度無償資金協力「ポトシ市リオ・サンファン系上水道施設整備計画」視察

2009年10月、一般無償資金協力として本案件の交換公文が署名され、鉱山セロ・リコの麓に大きな上水道施設が建設されました(供与額13.16億円)。同施設は,ポトシ市の人口約21万人のうち45%の世帯に飲料水を供給しており、ポトシ市民から高く評価されています。2016年の激しい渇水時期においてもポトシ市市民に断続的に安全な水を供給しました。
 上水道施設の取材をするプレス
 
取材を受ける了泉庵参事官
  

3 ダニエル・ブラカモンテ病院での青年海外協力隊員の活動紹介

青年海外協力隊員(JOCV)として2019年4月からポトシ市のダニエル・ブラカモンテ病院に派遣されている山本貴子隊員の活動現場を訪問しました。看護師歴10年以上の山本隊員は、病院の看護師チームの育成や病院の環境改善に貢献しています。
 ダニエル・ブラカモンテ病院外観
 
取材を受ける山本隊員
 

4 平成20年見返り資金「ポトシ大聖堂修復計画」視察

1808~1836年に建設されたバロック様式のポトシ大聖堂は、ポトシ市民の憩いの場でもある中央広場正面に位置し、1560年代からの歴史を象徴する同市のシンボルであり,現在では観光スポットとしても多くの訪問者を集めています。日本は過去ボリビア政府に対してノン・プロジェクト無償と呼ばれる無償資金協力を行い,同協力で得られた利益をボリビア政府が積み立てて,別の案件への資金援助に利用しており,これを「見返り資金」と呼んでいます。2008年、この見返り資金によりポトシ大聖堂の屋根・天井の防水処理や床・壁面・石柱等の修復が行われました。 
大聖堂外観
 
取材を受ける神父
 

5 コミュニティ開発無償資金協力「ポトシ市及びスクレ市教育施設建設計画」視察

2007年,「コミュニティ開発無償資金協力」のスキームにより、ポトシ市及びスクレ市にある合計30校の学校を建設しました。合計約26,000人の生徒が裨益して,地域の教育環境の向上に貢献しています。訪問したスクレ市ベルナルド・モンテアグド校では、校舎及び机・いす等が適切に維持管理されていることを確認できました。
日本援助の銘板
 
生徒の歓迎発表会
 

6 無償資金協力「スクレ消化器疾患研究センター建設計画」視察

日本の無償資金協力により、ラパス市、コチャバンバ市及びスクレ市で消化器疾患研究センターが建設され、スクレ市では1978年に同センターが設立されました。訪問時には、約40年前に贈与した旧式の日本の医療機材が丁寧に維持管理され、現在でも有効活用さてれている様子を視察できました。これらセンターには、建物の建設支援に加え、ボリビア人医師の本邦研修や日本人医師の派遣を通じ、長年にわたる技術協力も行っています。 
日本ボリビア消化器疾患センター正門
 
副院長の説明を聞くプレスと了泉庵参事官
病院関係者へのインタビューの様子
 

7 マリスカル・スクレ教員養成学校での青年海外協力隊員の活動紹介

青年海外協力隊員として2017年6月からスクレ市のマリスカル・スクレ教員養成学校に派遣されている井出涼子隊員は、ボリビアで2回目の勤務となります。同養成学校において、日本で学んだ教育手法について未来の教員に教えています。 
井出隊員の授業の様子
 
取材を受ける井出隊員
 

8 NGO南ボリビアスポーツセンターでの青年海外協力隊員の活動紹介

青年海外協力隊員として2017年1月からスクレ市のNGO南ボリビアスポーツセンターに派遣されている森下徳顕隊員の活動現場を訪問しました。このNGOは、スポーツを通じて貧困層の子供たちに生きるモチベーションを与えることを目的としています。同NGOの活動は次第に多くの市民に知られるようになり、森下隊員は、日本とボリビアを繋ぐ架け橋として貢献したいと述べていました。  
森下隊員の活動の様子
 
取材を受ける森下隊員
プレスとの全体集合写真