ボリビア内政・外交(2020年12月)

令和3年1月9日

1 概況

(1)5日,モラレス前大統領(現MAS党党首)及びロドリゲス上院議長(MAS党)はベネズエラに渡航し,6日のベネズエラ国会議員選挙プロセスに国際立会人として付き添った。

(2)11日,マイタ外相は,記者会見において,国家主権の相互尊重がある場合に限り,ボリビアが米国との二国間関係を修復する意志がある旨表明した。

(3)13日,ボリビア政府は,アニェス暫定政権が2019年11月に脱退していた米州ボリバル同盟(ALBA)への再加入を発表した。

(4)15日にメルコスール共同市場理事会(CMC)及び16日にメルコスール首脳会合において,ボリビア政府はメルコスールへの加入の意思を再表明した。

 

2 内政

(1)

1日,カセレス農村開発・土地大臣が元交際相手を農村開発・土地省大臣室長に任命していたとの報道に関し,同大臣は右事実を認めた。同日,カセレス農村開発・土地大臣が解任され,チャラカジョ(Mr. Edwin Ronald Characayo)氏が新大臣に任命された。

(2)新型コロナウイルス関連

 28日,ボリビア政府は,12月1日~1月15日のCOVID-19対策に関し,最高政令第4404号を発出した。同最高政令により,全国的な外出禁止が解除され,経済,文化的,スポーツ,社会的及び宗教的活動,選挙準備及び人が集まる娯楽活動にかかる規制が緩和された一方,入国審査において通常時の必要事項に加え,入国予定日の72時間前以内のCOVID-19のPCR検査陰性証明書の提出が要求されるようになった
 3日,当国政府は最高政令第4410号を公布し,入国時,国境を接する国(当館注:アルゼンチン,ブラジル,パラグアイ,チリ,ペルー)から入国する渡航者は入国予定日の3日前以内に,中南米及びカリブ諸国からは7日前以内に,北米・欧州・アジア・オセアニア諸国からは10日前以内に実施したPCR検査の陰性結果の証明書を提示する必要があると発表した。
 政府は,最高政令第4330号(12月23日付)を公布し,12月25日00:00から1月8日23:59に適用される欧州からの渡航者又は過去14日の間に英国に滞在したボリビア在留資格を持つ外国籍者に対する入国管理措置及び過去14日の間に英国に滞在したボリビア在留資格を持たない外国籍者に対する入国制限にかかる政府決定を発表した。
 

3 外交

(1)対ペルー

7日,アステテ・ペルー外相がボリビアを公式訪問し,二国間統合アジェンダについて会談した。二国間のアジェンダにかかる討論を活発化させるため,2021年に首脳級及び閣僚級会談を,短期的には,衛生条件が許せば,高地及びアマゾン国境委員会の会合を実施する意志を互いに表明した。

(2)対アルゼンチン

 8日,アルゼンチン外務省中南米担当次官が来訪し,当国外務省と二国間会談が実施された。マイタ外相は,「バジェ・アルゼンチン外務省中南米担当次官補と会談を実施し,前政権により中断した二国間アジェンダを再開することに合意した。」とツイートした。
 22日,第2回通商・投資・経済問題二国間委員会の2021年第1四半期の開催に向けた二国間準備会合が開催され,ボリビア側からママニ外務次官,ブランコ外務省通商・統合担当次官らが,アルゼンチン側からスルバジェ外務省メルコスール・国際経済交渉担当次官補らが出席した。

(3)対米

 10日,在ボリビア米国大使館は,フィリップス(Ms. Charisse Phillips)臨時代理大使が,マイタ外相と会談した旨ツイッターにて発表した。
 11日,マイタ外相は,記者会見において,国家主権の相互尊重がある場合に限り,ボリビアが米国との二国間関係を修復する意志がある旨表明した。

(4)対ベネズエラ

 5日,モラレス前大統領(現MAS党党首)及びロドリゲス上院議長(MAS党)はベネズエラに渡航し,6日のベネズエラ国会議員選挙プロセスに国際立会人として付き添った。
 7日,在ボリビア・ベネズエラ大使館の再開館にあたる式典が実施され,モラレス前大統領,ロドリゲス上院議長,ミチェル(Mr. Sebastian Michael)駐ベネズエラ特命全権大使が出席した。

(5)対キューバ

7日,ボリビア国営通信は,サンチェス・キューバ臨時代理大使が「クーデターの後,領事分野を除き外交関係が停止していたが,キューバ政府にはボリビアとの二国間・協力関係を特に保健分野で強化していく用意がある。」旨発言したと報道した。

(6)対中国

17日,オンライン方式で開催されたラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)・中国フォーラム(FCC)各国コーディネーター会合において,ママニ外務次官がCELAC・中国関係の強化に言及した。

(7)メルコスール

15日,メルコスール共同市場理事会(CMC)がバーチャルで開催され,マイタ外相及びブランコ外務省通商・統合次官が出席し,16日,メルコスール首脳会合にアルセ大統領,マイタ外務大臣,ブランコ外務省通商・統合次官が出席し,南米南部共同市場(メルコスール)共同市場理事会(CMC)及び首脳会合の機会に,ボリビア政府はメルコスールへの加入の意思を再表明した。

(8)その他

 ジェンカ(Mr. Miroslav Jenca)国連政治平和構築局(DPPA)副局長は,アルセ大統領(12月1日),チョケワンカ副大統領(12月2日)及びマイタ外相(11月30日)等とそれぞれ平和の強化及び人権擁護のために本イニシアティブ継続の必要性等について会談した。
 3日,アルセ大統領は国連新型コロナ特別総会においてビデオ演説し,パンデミック対応のためには国連,友好国等国際社会との協力が不可欠であると主張するとともに,先進国の途上国に対する対外債務免除を要請した。
 6日,アルセ大統領及び外務省はバスケス・ウルグアイ前大統領逝去に対する弔意の声明をそれぞれ発出した。
 6日,外務省は,「ボリビアは,世界貿易機構(WTO)の枠組における,COVID-19に関連する医薬品等の知的財産権を付与・行使しない選択を各国に許可するというイニシアティブを支持する」と題するプレスリリースを発出した。
 13日,ボリビア政府は,アニェス暫定政権が2019年11月に脱退していた米州ボリバル同盟(ALBA)への再加入を発表した。
 14日,オンライン方式で開催されたEU・ラテンアメリカ・カリブ諸国外相会合において,マイタ外務大臣が債務軽減プログラムの発動を提案する旨演説した。
(了)