2019年12月 ボリビア経済情勢

令和2年1月5日

1 マクロ経済

(1)米との貿易協力等に向けた協議(5日付報道)

 4日,当地訪問中のカーステンス米国務省民主主義・人権担当次官補は,ロンガリク外務大臣と会合し,新政権とは優遇関税の適用,貿易協力及びその他の協力について協議したいと述べた。
 

(2)物価上昇率(6日付報道)

  国家統計局(INE)によれば, 本年1~11月の累計物価上昇率は3.06%であった。
 

(3)格付(10日及び18日付報道)

 Moody's社が公表した報告書によれば,政治情勢による不確実性が高まり,ボリビア経済の格付をBa3に下方修正した。
 Standard & Poors社は,BBマイナス(ネガティブ)と下方修正した。
 

(4)2020年の政府一般予算(19日付報道)

 18日,2020年の政府一般予算案が以下の通り国会で採択された。なお,同予算案はモラレス前政権が作成し,アニェス暫定政権は修正を行わなかった。
 予算総額:約307億4,500万米ドル(2019年比で約1.8%減)
イ GDP成長率予測:4.24%
 名目GDP総額:463憶9,100万米ドル
 物価上昇率予測:3.98%
 財政赤字予測:6.79%
 基準原油価(WTI):1バレル当たり平均51.37米ドル
 

(5)外貨準備高(25日付報道)

 ボリビア中央銀行(BCB)によれば,本年11月29日時点の外貨準備高は,64億6,000万米ドルであり,GDPの16%を占め,また,前年12月31日時点(89億4,600万米ドル)に比し約28%も減少した。
 

(6)本年の貧困率分析(27日付報道)

 フビレオ財団は,本年の貧困率について分析したところ,農村地方においては貧困率が53.9%,極貧率が34.6%であると公表した。

 

2 天然ガス(18日付報道)

 17日,サモラ炭化水素大臣は,ボリビア石油公社(YPFB)とブラジルのペトロブラス社との会合を踏まえ,今後70日以内に天然ガス売買に係る計画を策定することに合意したと述べた。現時点の計画では,1日当たり1,925万立方メートルの輸出を検討中
 

3 その他

(1)農産物の輸出自由化(5日及び21日付報道)

 4日,ロホ生産開発複合経済大臣は,ボリビアの全農産物の輸出を自由化する方向で最高政令を準備中であると述べた。
 20日,同大臣は,同農産物の輸出自由化に向けて障壁を取り除くための必要条件及び手続について調整中であり,2020年1月には同自由化を開始する予定であると述べた。
 

(2)木材等の森林生産物の輸出に向けた官民協力文書の署名(17日付報道)

 16日,国家農牧衛生局(SENASAG),森林土地監督庁(ABT)及び民間のボリビア森林会議所(CFB)は,木材等の林産物の輸出に向けて,適切な保管,乾燥,植物検疫及び輸出手続等について官民協力文書に署名した。
 
(了)