2019年11月 ボリビア経済情勢

令和元年12月5日

1 マクロ経済

(1)外貨準備高(12日付報道)

 本年10月11日時点の外貨準備高は74億3,300万米ドルであり,過去11年間で最も低い金額となった(2018年12月末時点では89億4,600万米ドル)。
 

(2)経済的損失(20日付報道)

 19日,ケンプ・ボリビア商工会議所(CNC)会頭は,大統領選挙以降に生じた抗議活動及び道路封鎖による民間部門の経済的損失額は約20億米ドルに達したと述べた。
 

(3)本年のGDP成長率予測等(21日,23日及び24日付報道)

 本年のGDP成長率について,抗議活動等の影響を受け,ボリビア貿易機関(IBCE)は約3%,サンタクルス工業・商業・サービス・観光会議所(CAINCO)は2~2.3%と予測した。
 Fitch Rating社は,本年のGDP成長率予測については,本年10月時点の3.5%から,21日時点で2.5%に下方修正した(2020年のGDP成長率は1%と予測)。
 21日,パラダ経済財政大臣は,抗議活動等の影響及び6月時点までの傾向を踏まえ,本年のGDP成長率は約3~3.2%と推定すると述べた。
 

(4)本年の予算執行率(21日付報道)

 本年10月までの前政権の予算執行率は,約54.6%であった。複数のエコノミストは,本年12月までに80%を超える執行は不可能であると分析した。
 

(5)格付(23日付報道)

 Fitch Rating社は,ボリビアの格付について,政治的・社会的不安定及びマクロ経済の状況を踏まえ,本年10月までのBBマイナスからBプラスに下方修正した。
 

(6)貿易(29日付報道)

 28日にIBCEが公表した報告書によれば,本年10月までの輸出総額は73億7,600万米ドル,輸入総額が81億2,300万米ドルであり,貿易赤字は7億4,700万米ドルに達した。

2 天然ガス(28日付報道)

 27日,リベロ・ボリビア石油公社(YPFB)総裁は,2018年12月31日時点までの天然ガス確認埋蔵量が合計8.95兆立方フィートであったと発表した。約1年前,カナダ企業のスプロール社の調査により,前政権時は10.7兆立方フィートという潜在的確認埋蔵量を発表したが,実際には大幅に少ないことが明らかとなった。
同日,サモラ炭化水素大臣は,今後のアルゼンチン及びブラジルとの天然ガス売買契約交渉については,上記埋蔵量をベースに行うと述べた。

(了)