2019年6月 ボリビア経済情勢
令和元年7月5日
1 マクロ経済
(1)公共投資(2日付報道)
経済財政省によると,2018年の公共投資の予算源のうち,76%は国内予算,24%が外国融資であった。本年の公共投資額は,53億2,300万米ドル(前年比で19%増)を予定しており,69%が国内予算,31%が外国融資となる見通しである。(2)GDP成長率予測(5日及び6日付報道)
世銀の報告書によると,ボリビアの本年のGDP成長率は4%と予測され(前回の予測は4.3%),域内で最も高い成長率が見込まれる。(3)物価上昇率(7日付報道)
国家統計局(INE)によると,本年1~5月の物価上昇率は,0.65%であった(本年の目標値は4%)。(4)財政赤字(11日付報道)
NGOミレニオ財団の分析によると,2018年,ボリビアの財政赤字は南米で最も高く,GDPの8.1%を占めた(2014年は約3.4%,2015年は約6.9%)。他の南米諸国の財政赤字はGDP比で,ブラジル7.1%,アルゼンチン5%,ウルグアイ及びコロンビア2.9%となっている。(5)外貨準備高(12日付報道)
ボリビア中央銀行(BCB)によれば,外貨準備高は4月12日時点で79億1,700万米ドルであったが,6月12日時点で83億米ドルまで増加した。(6)国営企業(23日付報道)
2018年12月31日までに,戦略的分野の五つの公社(ボリビア石油公社(YPFB),ボリビア電力公社(ENDE)等)は,約7年間の融資総額64億2,700万米ドルのうち,約51億700万米ドルをボリビア中央銀行(BCB)に返済する義務があり,BCBによれば,本年5月31日までにYPFB及びENDEは,約3億6,300万米ドルを返済した。(7)格付(26日付報道)
20日,フィッチ・レーティングス社は,ボリビアの格付をBBマイナスで維持したが,「安定」から「ネガティブ」に評価を下げ,2020年以降は「不安定」となると見通した。2 リチウム,エネルギー及び天然ガス等
(1)リチウム(2日付報道)
1日,ガルシア・リネラ副大統領は,本年11月にウユニ塩湖の炭酸リチウム製造プラントを完工する予定であると述べた。(2)エネルギー及び天然ガス等(5日付報道)
4日,ボリビア炭化水素省及びブラジル・マトグロッソ州は,エネルギー統合の深化に向けた覚書に署名した。同覚書には,天然ガス,液化ガス,尿素,家庭用ガス・サービス網の供給が盛り込まれている。 (了)