2019年4月 ボリビア経済情勢
令和元年5月5日
1 マクロ経済
(1)アルセ経済財政大臣の発言(8日付報道)
ア 7日,アルセ経済財政大臣は,国営放送局番組のインタビューにおいて,経済成長を維持するため,責任ある方法で借款を継続すると述べた。イ 同大臣は,2005年から現時点まで対外債務は2倍になったが,ボリビア人の収入は4倍になり,GDPは2005年の95億7,400万米ドルから2018年には408億8,500万米ドルに増加,対外債務は2005年の49億4,200万米ドルから2018年に100億米ドル以上に増加した(注:対外債務総額は,本年3月31日時点では101億6,600万米ドルであり,GDPの23.2%を占める)。
ウ 主な対外債務機関及び国は,第1位がIDBで対外債務総額の28.7%,次いでCAF同23.8 %,ソブリン債同19.6%,中国8.9%,世銀8.5%である。
(2)外国企業投資(11日付報道)
ボリビア政府は2015年以降,外国企業の投資に関するフォーラム,会議,イベント等に参加してきたが,現時点までそれらの成果は現れていない。2014年時点の外国投資額は21億1,300万米ドルであったが,2016年には11億100万米ドルとなり,2018年第3四半期時点は5億1,500万米ドルであった。(3)2019年のGDP成長率予測(10日及び12日付報道)
ア 9日,IMF は同HP上に公表した最新の報告書において,2019年のボリビアのGDP成長率を4%と予測した。イ 世銀は,同4%と予測した。
ウ ECLACは,同4.3%と予測し,南米地域で最も高い数値とした。
(4)2018年のGDP成長率(25日付報道)
24日,ファルハト国家統計局(INE)局長は,2018年のGDP成長率が4.22%であったと説明した(2017年は4.20%)。また,同局長は,2018年に最も高い成長率を示した部門は農牧業6.91%であり,次いで行政サービス部門6.78%,製造業5.52%,金融部門5.3%であり,原油・天然ガス部門はマイナス7.82%であったと述べた。(5)公共投資(14日付報道)
経済財政省によれば,2018年の公共投資額は44億5,800万米ドルであり,そのうちの76.1%は国内財政の支出であり,23.9%が融資であった。(6)海外送金(13日付報道)
ボリビア中央銀行(BCB)によれば,本年2月までの海外送金額は,2億1,940万米ドルに達した(注:昨年同期の2億2,700万米ドルより減少)。主な送金元国は,スペイン(44.6%),米国(16.6%),アルゼンチン(12.8%),チリ(11%),ブラジル(7.6%)であり,主な送金先は,サンタクルス県(40.9%),コチャバンバ県(33.5%),ラパス県(12.7%)であった。(7)外貨準備高(22日付報道)
ボリビア中央銀行(BCB)のデータによれば,2018年12月末時点の外貨準備高89億4,600万米ドルであったが,本年4月12日時点では,79億1,700万米ドルとなり, 10億米ドル以上減少した。(8)賃上げ交渉(28日付報道)
27日,本年の基本給及び最低賃金の賃上げについて,アルセ経済財政大臣及び労働総連(COB)が会合を行い,アルセ大臣は,政府案として基本給2.5%,最低賃金0%で提案したと述べた。2 天然ガス等
(1)天然ガス需要量(18日付報道)
17日,サンチェス炭化水素大臣は,下院経済委員会に対する報告において,現時点の天然ガス需要量は,対アルゼンチンは1日当たり1,100万立方メートル(注:本年2月15日の契約見直し以降適用。以前は最低1,400万~最高2,700万),対ブラジルは1日当たり1,400万立方メートル(注:以前の契約では最低2,400万立方メートル),国内市場向けは1日当たり1,500万立方メートルで,合計1日当たり4,000万立方メートルであると述べた。生産量自体は,1日当たり5,800万立方メートルであり,需要量は生産量の約69%に過ぎない。(2)無水アルコールの生産及び輸出(24日付報道)
生産開発・複合経済省は,省令により,Sucroalcoholero Aguai社がサトウキビから抽出した無水アルコール1,100万リットルをEU市場向けに輸出することを許可した。シフエンテス生産開発・複合経済大臣は,同社以外の企業からも輸出許可要請があれば積極的に対応すると述べた。当国で生産される無水アルコールは純度が高く,バイオ燃料,香水,医薬品,リキュール類製造等に向けた需要が高い。3 その他
(1)キヌア対中輸出(8日付報道)
ソリス国際キヌアセンター長によれば,ボリビア企業12社が2018年からキヌアの対中輸出を行っており,2018年12月~2019年3月の輸出総量は604トン(100万740米ドル相当の輸出額)であった。(2)中国企業RAIL WAY社(25日付報道)
24日,ルレナバケ・リベラルタ間の道路建設を請け負う中国企業RAIL WAY社の労働者代表は,労働省に対しこの4年間に少なくとも500以上の苦情を申し立てた。また,同社は,2018年3月までに総工費の39.35%に相当する2億2,790万米ドルの支払を受領したが,進捗は15%以下にとどまっている由(了)