2018年11月 ボリビア経済情勢

平成30年12月5日

1 マクロ経済

(1)物価上昇率

 9日付報道によれば,国家統計局(INE)は,本年10月までの物価上昇率が0.90%であると公表した。
 

(2)海外送金

 14日付報道によれば,ラモス・ボリビア中央銀行(BCB)総裁は,本年1~9月にボリビアが受け取った海外送金総額が,9億4,260万米ドルに達し,昨年同期比で0.2%上昇したと述べた。主な送金元国は,スペイン(34.6%),米国(18.6%),アルゼンチン(12.8%),チリ(10.8%),ブラジル(9.8%)であり,主な送金先は,サンタクルス県(41.6%),コチャバンバ県(31.8%),ラパス県(13.4%)であった。
 

(3)直接外国投資

 24日付報道は,ボリビア貿易研究所(IBCE)の最新の報告書によれば,ボリビアへの直接外国投資額が2013年~17年に約50%減少し,2017年は7億2,500万米ドルであったと報じた。また,本年第1四半期の直接外国投資額は,2億5,700万米ドルであった。

2 リチウム及び天然ガス

(1)リチウム

 9日,ガルシア・リネラ副大統領は,ポトシ県ノル・リベス市にあるパストス・グランデス塩湖(面積:約118㎢,標高:約4,330m)においても,ウユニ塩湖(面積:
約10,582㎢,標高:約3,700m)に続き,リチウム産業化を行う旨述べた。また,同副大統領は,2021年から塩化リチウム及び金属リチウムを生産する計画であり,同産業化に係る提案を行った外国企業が6社(ドイツ企業1社,中国企業2社,ロシア企業2社,フランス1社)であったと述べた。
 

(2)天然ガス

 18日付報道によれば,サンチェス炭化水素大臣は,トリニダード・トバゴで開催された第20回ガス輸出国フォーラムに出席し,ボリビアが同フォーラムの執行委員会議長国に選出された旨述べた。
 
 アルゼンチンの天然ガス購入契約予定
 26日,アルバレス在ボリビア・アルゼンチン大使は,アルゼンチンが本年末までにボリビアとの間で天然ガス輸入量を減量する覚書を締結する見通しであると述べた。また,イグアセル・アルゼンチン・エネルギー長官は,アルゼンチンにおける記者会見で,本年10月10日にボリビアとの間でガス輸入契約の大幅な変更に関する進展があり,2年以内にボリビアのガスを必要としなくなるだろうと述べた。

3 南米大陸横断鉄道プロジェクト

 26日,グラディス・ヘヌアCAFボリビア事務所長は,ボリビア政府の要請に基づき,CAFが南米大陸横断鉄道計画の投資前F/S調査に対して300万米ドルの無償資金を供与すると発表した。

4 その他

(1)サンタクルス県と中国四川省の協定

 12日,コスタス・サンタクルス県知事とYin Li中国四川省知事は,貿易,インフラ整備,農牧業,エネルギー,公衆衛生,鉱業,文化,観光,教育の分野で協力するための覚書に署名した。
 

(2)パラグアイ・パラナ川水運

 6日,全国輸出会議所(CANEB)が主催した「ボリビア貿易のための港湾」と題するフォーラムが開催された。同水運につながるサンタクルス県の3港湾が国際港湾として承認された後,チリのアリカ港及びイキケ港の各当局は,ボリビア貨物を引き留めるため,より良いサービスを提供し,競争力を強めると同フォーラムで発表した。また,アルゼンチン・ブエノスアイレス港湾当局は,同水運を経由するボリビア貨物を扱うことに関心を表明した。
 
(了)