2018年8月 ボリビア経済情勢

1 マクロ経済

(1)本年上半期の貿易状況

 4日付報道は,ボリビア貿易機関(IBCE)の分析によれば,本年上半期の貿易赤字は,1億1,500万ドルとなり,前年同期の6億1,900万米ドルから約81%減少したと報じた。また,輸出総額は45億1,400万米ドルとなり,前年同期の38億1,000万米ドルから約18%上昇した。二国間貿易における貿易黒字は,対韓国で3億1,000万米ドル,対アルゼンチンで2億5,200万米ドルであり,貿易赤字は対中国で7億2,500万米ドル,対チリで1億4,900万米ドルであった。

 
(2)本年上半期の公共投資の執行率

 9日付報道によれば,モラレス大統領は,本年上半期の公共投資の執行額が19億5,700万米ドルに達し,本年の公共投資予算総額74億9,200万米ドルの約26%を執行したと発表した。

 
(3)外務省貿易関係2課の創設

 9日,エンダラ外務省・貿易・統合担当次官は,外務省に貿易情報分析課(Unidad de inteligencia comercial)及び貿易開発課(Unidad de desarrollo comercial)を新たに創設することを決定したと発表した。

 
(4)本年上半期のボリビアへの海外送金

 12日付報道によれば,ボリビア中央銀行(BCB)は,本年上半期(1~6月)のボリビアへの海外送金総額が,6億4,090万米ドルに達し,前年同期比で6%上昇したと発表した。送金元国は,スペイン33.9%,米国17.8%,アルゼンチン13.8%,チリ11.2%,ブラジル10.1%であり,送金先は,サンタクルス県41.9%,コチャバンバ県31.4%,ラパス県13.2%,その他県合計13.5%であった。


(5)主要100社の納税額

 12日付報道は,国税局(SIN)2017年度報告書によれば,2017年の主要納税企業100社からの徴税総額が,225億9,820万ボリビアーノス(約35億3,300万米ドル)に達し,2016年の218億6,840ボリビアーノス(約31億4,200万米ドル)よりも3.3%上昇したと報じた。主要納税企業の第1位は,ボリビア石油公社(YPFB)で,100社徴税総額の17%を納税した。第2位はYPFB精製社(8%),第3位は国営ボリビアビール会社(5%),第4位はミネラ・サンクリストバル社(2%),第5位はENTEL社(1.6%)であった。

 
(6)年金基金管理局(AFP)の運営をめぐる訴訟

ア  14日及び16日付報道によれば,1日,年金基金管理局(AFP)を運営するスペインのビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(Banco Bilvao Vizcaya Argentaria:BBVA)は,1997年にボリビア政府と交わした同局運営に関する無期限の委託契約を一方的に失効させられたため,世銀の国際投資紛争解決センター(ICSID)において,ボリビア政府を国際仲裁に告訴すると述べた。

イ  23日付報道によれば,BBVAによるボリビア政府に対する訴訟は,8月20日付で世銀の国際投資紛争解決センター(ICSID)に登録された。
 

(7)国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)の経済成長率見通し

 24日付報道によれば,国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)は,ボリビアの本年のGDP成長率の見通しを,本年4月時点の4.0%から4.3%に引き上げた。
 

2 リチウム・天然ガス

(1)リチウム

 10日,スプリンチャン在ボリビア・ロシア大使は,原子力エネルギーの国営企業ロスアトム社が,リチウム産業化プロジェクトへの参加につき,モラレス大統領との会合において関心を表明したと述べた。
 

(2)天然ガス

ア  24日付報道は,ブラジルの「ボリビア・ブラジル間ガスパイプライン輸送報告書」に基づき,本年1~6月までにボリビア石油公社(YPFB)が送ったガス輸出総量が40億7,780万立方メートルとなり,前年の38億3,030万立方メートルより6.5%上昇したと報じた。本年第1四半期の月平均輸出量は,2,110万立方メートルで,ブラジルとの契約の最低2,400万~最高3,008万立方メートルには至らなかった。

イ  29日,カナダの国際スプロール社・フィリップ社長兼CEOは,サンチェス炭化水素大臣及びバリガYPFB総裁同席の下,記者会見を行い,2017年12月31日時点のボリビアの天然ガスの確認埋蔵量が10.7兆立方フィート(TCF)であると発表した。同ガス確認埋蔵量は,約14.7年分の産出量に相当し,2032年までは国内需要及び伯・亜への輸出量を供給できる見込みである由。また,同社長は,ボリビアの石油の確認埋蔵量は2億4,090万バレルであった旨述べた(当館注:炭化水素庁のデータによれば,2017年の石油平均産出量は1日当たり54,443バレルであり,約12年分の産出量に相当)。
 

3 南米大陸横断鉄道

(1) 22日,ボンバ元ドイツ運輸デジタルインフラ担当次官は,スイス及びドイツの合弁企業代表団と共に,モラレス大統領と会合し,南米大陸横断鉄道プロジェクトへの参加に関心を示し,9月,ドイツで同プロジェクトの合意及び決定のための会合を行うと発表した。
 
(2) 29日,ボリビア公共事業大臣とスペイン開発大臣との間で,インフラ及び交通分野における両国の協力を強化する文書が署名された。同文書に基づき,スペインは,ボリビアが進める南米大陸横断鉄道プロジェクトの計画,発展,融資及び実施における国内外の公共及び民間企業の参加が可能となる。
(了)