2018年5月 ボリビア経済情勢

1 マクロ経済

(1)賃上げ関連

 3日,ビスカラ労働局長は,最高政令第3544号に基づき発出された労働省決議第413/18号において,民間企業に対しては,同昇給は義務付けられており,各企業は基本給5.5%以上で労使交渉を行い,本年6月15日までに給与支払台帳を労働省のホームページ上に設置されたバーチャル・オフィス(OVT)に提出しなければならないと説明した。また,民間企業が昇給を実施しない場合,各違反に付き1,000~10,000ボリビアーノス(約143~1,437米ドル)の支払を課せられること,また,民間企業の社長,副社長,幹部等の給与については引上げる義務はないと述べた。
 

(2)GDP成長率ほか

 8日に開催された国際セミナー「ボリビア及び中南米地域経済の評価及び見通し」において,ギジェン経済財政大臣は以下のとおり述べた。
ア 本年第1四半期のGDP成長率が4.5%に達した。
イ 本年第1四半期の民間企業の利益は,全体として昨年同期比で33.4%上昇した(約21億8,000万米ドルから約29億米ドル)。民間企業は2倍の年末ボーナス支払を達成できる条件を有する。
ウ ボリビア全人口の49.5%は,経済資源再分配の一形態として,政府によって支払われた何らかの手当や年金を得ている。
 

(3)対外債務

 14日,ギジェン経済財政大臣は,現時点での対外債務額は約90億7,500万米ドルであり,GDPの24%を占めると述べた(2006年は29%)。
 

(4)税収

ア  炭化水素税
 10日付報道は,国税局(SIN)のデータによれば,本年1~4月の炭化水素直接税の徴税額が約3億3,564万米ドルとなり,昨年同期比で30.3%増加した(2017年:約2億5,615万米ドル)。

イ  11日,カソン国税局(SIN)長は,本年1~4月の徴税総額が昨年同時期で13%上昇し,法人税収も同様に18%上昇したと発表した。
 

(5)民間企業関連

ア  11日付報道によれば,企業開発財団(FUNDEMPRESA)に登録する民間企業総数は,本年3月時点で30万3,145社となり,そのうち1%が約50名の従業員規模の企業,80%が個人事業主,19%が有限会社となっている。

イ  29日,サンタクルス市で企業及び企業家の全国会合が開催された。ノスタス・ボリビア経団連(CEPB)会頭は,政府に対し,「結果を伴う対話」,憲法の尊重,社会企業法の廃止,年末の2倍ボーナスの支払い拒否などを訴えた。
 

(6)年金

22日,ギジェン経済財政大臣は,モラレス大統領と年金受給者連盟代表者との会合の後,年金を4%増額することで合意したと発表した。


 

2 鉱物資源・天然ガス

(1)リチウム

ア  16日,アラルコン・エネルギー大臣は,炭酸リチウム製造プラントの建設プロジェクトを請け負う企業を,中国のマイソン・エンジニアリング社に決定したと説明した。同プロジェクトの期間は14か月間である。

イ  21日付報道によれば,エチャス・エネルギー省ハイテクノロジー・エネルギー次官は,リチウム産業化に関し,2021年までの3年間でリチウム・バッテリーを製造する予定であると述べた。
 

(2)天然ガス・石油

ア 22日付報道は,炭化水素省のデータによると,2014年から2017年の間に天然ガスの一日当たり生産量が7.6%低下し,同時期の液化石油ガス,コンデンセート油(凝縮油),天然ガソリンの一日当たり生産量も13.6%低下したと報じた。

イ 23日,サンチェス炭化水素大臣は,24日にレプソル(西)の社長が,近日中にガスプロム及びアクロン(露)の社長が,炭化水素掘削,ガスの商業化及び石油化学プロジェクトに関する新たな覚書に署名するため,ボリビアを訪問予定と発表した。24日,サンタクルス市を訪問したブルファウ・レプソル社長は,モラレス大統領と会談を行った後,今後30年の石油採掘継続に係る覚書に署名した。
 

3 南米大陸横断鉄道

ア  20日付報道によれば,スプリンチャン在ボリビア露大使は,露が南米大陸横断鉄道プロジェクトへの参加に関心を有しており,本プロジェクトの入札時に公式発表する,また,鉄道の資材,車両及びその他最新技術を提供する考えであると述べた。

イ  30日,クラロス公共事業大臣は,南米大陸横断鉄道プロジェクト関係国の交通大臣が6月15日にリマで会合する予定と発表した。
 
 

4 その他

(1)小麦の生産量

 13日付報道は,油脂小麦生産者協会(ANAPO)によれば,2017年の小麦の生産量が17万トンであり(1ヘクタールあたり1.57トンで10万9千ヘクタール),ボリビアでは20種類以上の品種が生産されていると報じた。
 

(2)チリ・キボラックス社に対する賠償判決

 ボリビア政府が2004年にウユニ塩湖におけるキボラックス社のウレキサイト採掘権を取り消したことに関し,ボリビア政府は同社へ4,860万米ドルの支払いを命じた国際投資紛争解決センター(ICSID)判決の取消を求めていたが,24日,ICSIDは,ボリビア政府の請求を認めず,上記判決を維持する決定を下した。
 

(3)スタンダード・アンド・プアーズ社による格付け

 格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ社は,24日に発出した報告書において,ボリビアの信用度をBBからBB-に引き下げた。しかし,同社は次の1年から2年に4.3%の国内総生産の上昇が見込めることを理由に,消極的見通しから安定した見通しへと評価を改善した。
 
(了)