2017年11月 ボリビア経済情勢

1 マクロ経済

(1)直接外国投資

 6日付報道は,ボリビア中央銀行(BCB)のデータによれば,本年上半期の直接外国投資総額が前年同期の7億1,100万米ドルから5億2,500万米ドルに約26%減額したと報じた(純外国直接投資額は,3億3,160万米ドルから2億7,810万米ドルに減額)。主な理由として, BCBは炭化水素部門(天然ガス)の投資額が約39.3%(1億5,770万米ドル)減少したためであると説明した。


(2)外貨準備高

 14日付報道は,BCBのデータにより,外貨準備高が3日時点で,約100億米ドルから99億2800万米ドルに減少したと報じた。2015年から減少傾向にある理由として,BCBは,政府が国営企業向け融資を拡大しているためであり,また貿易赤字も影響していると説明した。


2 鉱物資源・天然ガス等

(1)リチウム及びカリウム関連

 11日及び13日付報道によれば,政府は,ウユニ塩湖の炭酸リチウム製造プラント建設に対する関心表明を行った企業からの提案の締切りを更に2か月延長することを決め,2018年2月に契約署名する予定。投資額は約1億1千万ドルを見込んでいる。現時点での候補企業は独1社,加1社,中国2社となっているが,ほかにスウェーデン企業がある。


 19日付報道によれば,エチャス・エネルギー省ハイテク・エネルギー担当次官は,炭酸リチウム製造パイロット・プラントにおいて,本年は既に約70トンの炭酸リチウムを製造し,2018年は約200トンに達する見込であり,販売価格も2倍以上となる見通しを述べた。炭酸リチウムを初めて販売したのは2016年8月で,その販売量は9.3トンであったが,本年は中国に対し15トンを13万8千米ドルで販売した(1トン当たりの価格は9,200米ドル)。


 14日付報道によれば,エチャス次官は,ウユニ塩湖における塩化カリウム製造プラント(炭酸リチウム製造の前段階で抽出)の工事の進捗状況は92.3%であり,2018年2月には試運転を行い,同年半ばには商業生産を開始する見通しであると発表した。


(2)天然ガス関連(ガス輸出国フォーラム)

 20~24日にサンタクルス市で開催された第4回ガス輸出国フォーラム(GECF)には,19か国及び28の関連多国籍企業が参加した。その内,大統領レベルの出席は,ボリビア,ベネズエラ及び赤道ギニアの3か国にとどまった。24日,GECFにおいて11項目からなる「サンタクルス宣言」が採択された。


 ボリビア石油公社(YPFB)は,GECF開催中,複数の天然ガスプロジェクトに関する契約を締結した。


 23日,サンチェス炭化水素大臣,ノバク露エネルギー大臣,YPFB及びガスプロム社は,モラレス大統領の出席の下,ガス部門の開発のための6文書に署名した。


(3)尿素

 30日,モラレス大統領立ち会いの下,コチャバンバ県ブロブロ市の工場で生産された尿素の輸出が開始された。キートレードAG社が,マトグロッソ州,マトグロッソ・ド・スール州,サンタカタリーナ州及びパラナ州の伯市場への輸出を担当し,同社は年間3億3,500万トン(同工場の年間生産量7億トンの48%)の尿素を購入する予定。


3 南米大陸横断鉄道プロジェクト

 13日付報道によれば,12月14日,モラレス大統領はスイスを訪問し,本プロジェクトに参加する宣言に署名する予定。


4 その他

(1)ボリビアにおける大企業ランキング

 8日,「ラ・ラソン」紙が実施した250の当地大企業ランキング(販売額及び収益を基準)の結果が公表され,順位は,1位がボリビア石油公社(YPFB,国営企業,2015年比で50.9%減額),2位がYPFB精製社(国営企業,同11%減額),3位がENTEL社(国営通信企業,同1.3%増額),4位がTELECEL社(民間通信企業,同7.6%増額),5位がミネラ・サンクリストバル社(同11.6%増額)となっている。


(2)自動車輸入に対する規制

 15日,ボニファス公共事業省・運輸担当次官は,自動車輸入に関する規制として,政府が最高政令第3244号を採択したと発表した。同最高政令は2018年1月から適用され,「ユーロ2」の排ガス規制基準に適合する当該年または次年のモデル(2018年又は2019年モデル)の自動車のみ輸入できることになり,今後同基準を満たさない中古車の輸入は一切禁止される。


(3)新型ガソリンの販売開始

 16日付報道によれば,同日からYPFBが精製する新型ガソリン「Ron91」(オクタン価91)の販売が,全国約12か所のガソリンスタンドで開始された。同ガソリンは1リットル当たり4.40ボリビアーノスで販売され,通常のガソリンよりも燃費がよくCO2排出量も少ない由(通常使用されるスペシャル・ガソリンが3.74ボリビア-ノス,プレミアム・ガソリンが4.79ボリビアーノス)。野党側及び一部の経済専門家は同販売を「隠れたガソリン価格の値上げ」と捉え,ボリビアで通常使用されるガソリンの生産が停止され,「Ron91」のみが販売されるようになるのではないかとの懸念を表明した。

(了)