2017年9月 ボリビア経済情勢

1 マクロ経済

 1日,ラモス・ボリビア中央銀行(BCB)総裁は,本年のGDP成長率が4.7%に達する見通しを発表した(本年第1四半期の同成長率は3.34%)。また,交換レートの変更はなく,年間の物価上昇率が4.3%を下回る見通しも発表した。

2 リチウム・鉱物資源等

(1)リチウム関連

 4日,エチャス・エネルギー省ハイテク・エネルギー担当次官は,炭酸リチウム製造プラント建設に関し,独企業のコンソーシアム及び中国企業のコンソーシアムと交渉中であり,また,他国のオファーもあると述べた。政府は,同プラント建設の投資額が8億7,550万米ドルになると見通している。


 6日,アラルコン・エネルギー大臣は,炭酸リチウム製造プラント建設のために,10の国際企業の選定を行っており,同入札は11月に予定していると述べた。


 9日付報道において,ボリビア・リチウム公社(YLB)は,(1)本年末までに塩化カリウム製造プラントの試運転等を経て,2018年の前半(数か月以内)には操業を開始し,年間350トンの塩化カリウムを生産する予定であり,(2)炭酸リチウム製造プラントの建設後は,年間約15,000トンの炭酸リチウムを生産する予定であると説明した。


 11日,エチャス・エネルギー省ハイテク・エネルギー担当次官は,2018年からポトシ県パルカ市において,約3,500万米ドルの融資により,リチウム科学技術研究所の建設を開始予定であると述べた。


 23日,モラレス大統領は,ポトシ県パルカ市の電池用正極材製造パイロット・プラントの落成式を行った。同プラントは,ボリビア中央銀行(BCB)からの約2,600万米ドルの融資により,仏企業が建設したものである。


(2)

鉱物資源(ミネラ・サンクリストバル(MSC)社に関する記事)

 20日,ラパス市にあるカトリック大学主催の生産開発・社会的公正・環境持続可能性に関する国際セミナーに参加した,マルコス・ガンダリージャス資料情報センター(CEDIB)研究者は,MSC社が1日当たりオルロ市で使用する水量(32,000立方メートル)と同量を使用しており,また,酸化排水による土壌の塩害をもたらし,水銀のような重金属により農地を汚染していると述べた。エル・ディアリオ紙は,上記につき報じると共に,2016年10月のMSC社の報告書を参照し,新技術の導入により,使用している水量の80%がリサイクルされていると補足した。


(3)

 14日,コチャバンバ県プロブロ市に建設された尿素・アンモニア工場の操業が開始された。同工場の建設は韓国のサムスン社が担当した。2012年には8億4,400万米ドルの予算が計上されていたが,現在まで9億5,300万米ドルの投資がなされた。同工場で生産する尿素は,年間7億トンと算出されている。鉄道輸送のため現在まで2,900万米ドルのインフラ整備が行われたが,未だ建設は継続しているため,当面はトラック輸送を行う方針。


3 南米大陸横断鉄道計画

(1)

 5日付報道によれば,クラロス公共事業大臣は,エンリケ・オヘダ当地西大使が,本プロジェクトの融資について西政府の関心を表明した,と述べた


(2)

 14日及び15日,当地コチャバンバ県サン・ベニート市において,南米大陸横断鉄道建設プロジェクトに関する技術会合が開催された。


(3)

 21日付報道によれば,上記(2)の会合で設置された両洋間作部会(GOB)は,ボリビア,ペルー,パラグアイが各々鉄道の最終設計,事前投資,フィージビリティに関する調査を終えなければならないと表明した。


4 中国関連

(1)

 2日付報道において,ボリビア雇用安全監視事務所(OBESS)及び農業・労働開発研究センター(CEDLA)の記録によれば,2010~17年8月までの間に,当地で工事を実施する中国企業による人権侵害及び不健康な労働条件に関する訴えが,少なくとも15件あったと発表された。


(2)

 25日付け報道によれば,クラロス公共事業大臣は,サンタクルス市ビルビル国際空港の拡張プロジェクト(ハブ空港の増設)に関し,ボリビア政府は中国の輸出入銀行(Eximbank)による約4億米ドルの融資計画を撤回する決定を行い,現在,同プロジェクトに対する新たな融資先を探していると述べた。


(了)