2017年2月 ボリビア経済情勢(主な出来事)

1 マクロ経済

(1)

 国立統計局(INE)によると, 昨年のボリビアの貿易収支は約12億米ドルの赤字であり,前年度比で輸出は19%減少,輸入は14%減少した。特に,天然ガスの輸出が46%減少し,一方鉱物資源の輸出は9%増加した。対中国,チリ,ペルーの貿易赤字が続いている。


(2)

 2日付当地紙報道によると,ボリビアへの海外送金額について,ボリビア中央銀行(BCB)は2016年11月現在で 合計10.9億米ドルの送金があった旨発表した。本送金額はほぼ例年通りであり,主な送金元としては,西40.7.%,米国16%,亜11.5%,チリ8.3%,伯7.2%であった。


(3)

 14日,アルセ経済・財政大臣は,2017年の経済成長目標として,GDP成長率を4.7%に設定した。なお,同大臣は当国の経済成長に影響しうる二つの要素として,気候及びトランプ大統領の政策を挙げ,後者は,ボリビアの主要貿易相手国の伯及び亜への悪影響による間接的影響であるとしている。一方,当国の2017年GDP成長率について,世銀は約3.5%,ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)は約3.8%,IMFは約3.9%と予測している。

2 鉱物資源・石油・天然ガス

(1)リチウム関連

 18日付当地紙報道によると,蒸発資源局(GNRE)に代わる新国営企業「ボリビア・リチウム公社」(Yacimiento de Litio Bolivianos, YLB)を設立するための法案が提出された。YLBは,リチウムの探査,採掘,開発,濃縮,工場・機材の設置,資源蒸発管理,産業化・商業化等の活動を行う予定である。


 25日付当地紙報道によると, YLBの設立に伴い,蒸発資源の基礎的化合物に関しては100%ボリビア政府で管理し,それ以降の産業化については,同社が国内外の企業との契約に基づき実施することとなる。


(2)天然ガス関連

 8日,サンチェス炭化水素大臣とアラングレン亜エネルギー鉱業大臣は,天然ガスの売買契約について協議し,14日,アルバレス当地亜大使は,亜の産業にとってガスが更に必要であると表明し,ボリビア政府関係者に対し,本年のガス採掘量に関する報告書の提出を求め,ガス売買に関する短期契約を結ぶ可能性について検討すると述べた。


 10日付ボリビア石油公社(以下YPFB)の報告書によると,伯の天然ガス需要が減少し続けており,1日当たりの輸出量は1,400万立方メートルであった。伯との売買契約では,最低2,400万立方メートルから最高3,008万立方メートルの供給と定められている。


 15日,伯を訪問したサンチェス炭化水素大臣は,四つの州政府(サンタ・カタリーナ州,マト・グロッソ州,南マト・グロッソ州,パラナ州)がボリビアの天然ガスを直接購入することに関心を示していると報告した。これらの州は,火力発電所運営のために合計1,350万立方メートル(1日当たり)のガスを必要とする由。同大臣は,伯との天然ガス売買契約を2019年まで延長するための交渉も行った。


(3)

 22日付当地紙報道によると,アチャYPFB総裁は,ブロブロ尿素・アンモニア工場で生産される尿素及びアンモニアを輸出するため伯及び亜と交渉しており,3月中には結論が出る見通しである旨報告した。また,同総裁は,1年当たりの尿素生産量は70万トンと見込まれているが,操業開始時は45万トンの肥料を生産し,その80%を右2か国に輸出する予定であると述べた。


(4)

 22日付当地紙報道によると,ビジャビセンシオ・ビント冶金公社総裁は,2件の亜鉛精錬工場(オルロ県及びポトシ県)に対する投資として,合計3億4,500万米ドル(施設の建設に2億9,400万米ドル,運営に5,000万米ドル)を要する旨述べた。


(5)

 28日付当地紙報道によると,鉱業行政管轄庁(AJAM)はポトシ県において,鉱業従事者が各鉱区での採掘権及び鉱区使用許可を取得する手続について説明するとともにプロモーション活動を実施した。これは新鉱業法及び鉱業・冶金省の省令(第294号省例,2016年12月5日制定)に基づく。


3 大型インフラプロジェクト(南米大陸横断鉄道建設プロジェクト)

 15日クラロス公共事業大臣は,本鉄道建設に対する融資のための覚書に署名するため,3月21日に,独の交通デジタル・インフラ次官およびスイスの外務大臣が当国を訪問することを明らかにした。同時に,ペルーのビスカラ交通大臣,パラグアイのヒメネス公共事業大臣も参加する予定である。また,21日付当地紙報道によると,同建設のための融資額は約27億米ドル(約190億ボリビアーノス)の予定である。


4 その他

 17日,ボリビア民間銀行協会(ASOBAN)は,銀行に対する47%の法人税は大きな負荷であると報告した。同協会が示したデータによると,南米各国では,ベネズエラ40%,コロンビア39%,亜35%,伯30%となっており,ボリビアの税率が最も高い。47%の内訳は,企業収益に対する税率(IUE)が25%,追加の企業収益に対する税率が22%(AA-IUE)であり,そのほかに付加価値税(IVA)が8~12%の税率となっており,企業に対する課税率は50%以上となる。

(了)