海外安全対策情報(4月~6月)

令和4年8月11日

1 社会・治安情勢

 ボリビア国内各地では、政治的要求に基づく各職業団体、労働組合、市民団体、学生によるデモ行進、集会、道路封鎖等の抗議活動が頻繁に行われている。アニェス前暫定政権関係者の司法手続の推移、その他労働組合等による政治的要求、新型コロナウイルスの感染状況の変化等により社会・治安情勢が変化する可能性もあることから、引き続き政治・社会・治安情勢に十分注意する必要がある。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向

 エル・アルト市においては、首締め強盗、置き引き、スリ及び偽警察官による犯罪が発生しているほか、拳銃や刃物を使用した強盗や女性を狙った強姦が発生しているため十分な警戒が必要である。
 サンタクルス市においては、強盗犯が車・バイクにて歩行者等に接近し、所持品を強奪する事件が発生している。一般的な対策としては、市場・繁華街等人混みに行く際には多額の現金を持たず、貴重品はリュックサックなど目の届かないところには入れない。また、自身を狙っている不審者がいないか周囲を見渡す等の警戒を怠らない。万が一、犯罪に遭遇した場合は、犯人が拳銃や刃物を所持している場合もあるので、無理に抵抗はせず、可能な限り速やかに警察へ被害の届け出を行う。

(2)邦人被害事案   

 6月26日、ウユニ塩湖を訪れていた邦人(日本からの訪問者)が、友人数名とレストランにて食事中、椅子に掛けていたポーチがなくなっていた。ポーチにはパスポート及びスマートフォン等を入れており、店内を捜索するも、発見には至らなかった。

(3)邦人以外の主要な被害事案

 4月1日、ラパス市ウァフチーリャ地区で、3人組の強盗団が民家に押し入った。強盗団は犯行後、民家の住民2人に追いかけられた際、強盗団1人が民家の住民2人に向け拳銃を発砲し殺害した。強盗に押し入った1人は逃げ遅れ、近所の人々に取り押さえられた。

 4月13日、ラパス市アルト・サグラド・コラソン・デ・ヘスス地区で、強盗団が民家に押し入った。強盗団は警察の制服を着用しており、置いてあった現金、宝石類及び電化製品を盗んだ。

 4月14日、エル・アルト市7月16日市場で、被害者を刃物で脅迫した後、所持品を強奪していたメンバー6人が逮捕された。同メンバーは被害者に近づき、被害者と親しいふりをして肩を組み、刃物を突き付け犯行に及んでいた。

 4月20日、サンタクルス市第7環状線とベニ通りの交差点付近で、バイクに乗った2人組の強盗が歩行していた女性に近寄り、所持品(携帯電話)を強奪した。強盗は女性が抵抗したため拳銃を複数回発砲し、逃走した。

 5月27日、サンタクルス市ボリバル通りの銀行で、現金を引き下ろした男性が銀行の近くの駐車場に停めてあった車に乗ろうとした際、強盗が拳銃を用いて男性を脅し、男性が所持していた現金20万8千ボリビアーノスを奪い現場から逃走した。

 5月30日、タリハ市タリハ・ヌエバ地区で、12人の強盗団が民家に押し入った。事件当日の深夜1時頃、民家に住む被害者が帰宅途中、12人の強盗団に囲まれ携帯電話及び現金を渡すよう脅されたが走って自宅に逃げた。しかし、強盗団は被害者を追いかけたうえ、被害者宅の民家に押し入り、被害者、被害者の両親及び親族を刃物で刺して逃走した。

 6月4日、タリハ県ビリャモンテス市で、軍事施設に所属する兵士3人が、18歳の女性を強姦した疑いで逮捕された。被害者の女性は、近所の店に買い物に行く際、近くの運動コートに連れていかれた。

 6月9日、サンタクルス市中央広場の近くにある市立病院の従業員が、白衣を着た男に、現金39万6千ボリビアーノスが入ったカバンを奪われた。被害者は現金を強奪した白衣を着た男を追いかけたが、拳銃を向けられたため身の危険を感じ、逃走を許した。

 6月21日、エル・アルト市バスターミナル付近で野良犬に左足を噛まれた男性が死亡した。被害者の男性は傷を負ったまま歩き続けており、後に救急車で病院に搬送されたが、出血多量で死亡した。国家警察は、エル・アルト市民に犬を路上に放置しないように呼び掛けている。

3 テロ・爆弾事件状況

 特段なし。

4 誘拐・脅迫事件発生状況

 特段なし。

5 日本企業の安全に関わる諸問題

 特段なし。