海外安全対策情報(2021年7月~9月)

令和3年11月20日

1 社会・治安情勢

(1) これまでもボリビア国内各地では、政治的要求等に基づく各職業団体、労働組合、市民団体、学生による行進、集会、道路封鎖等の抗議活動が頻繁に行われている。8月には鉱山労働者による工業及び冶金法の一部改正等を求めたデモ行進が約3万人規模で行われたほか、9月にはコカの葉栽培協会が不法に乗っ取られたことを契機にコカの葉栽培者と警察が衝突し、ダイナマイトや催涙弾が使用される事態に陥り、負傷者及び逮捕者がでた。、5月及び6月に引き続き8月においも、空港関係当局(AASANA)労働組合による給料支払い問題を巡ってストライキが行われ、国内線一部運休等が発生した。

(2) 新型コロナウイルス(COVID-19)においてはは7月から9月の期間は収束傾向にあり、公共交通機関や市営市場、スーパーマーケット及びレストラン等の経済活動の再開が見受けられた。

(3) 今後、前暫定政権関係者の司法手続の推移、その他労働組合等による政治的要求、新型コロナウイルスの感染状況の変化等により社会・治安情勢が変化する可能性もあることから、引き続き政治・社会・治安情勢に十分注意する必要がある。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向

 地方へ向かうバスターミナル付近では、偽警察官が手荷物検査と称して金品を盗む犯罪や睡眠薬を混入させた飲みものを被害者に飲ませ、眠った隙に所持品を盗む手口が横行している。警察官による路上での手荷物検査行っておらず、警察署に移動する際にはタクシーを利用することは絶対にないので、遭遇した際には観光警察に助けを求める、またはその場から離れる等の行動をとる必要がある。

 ラパス市及びエルアルト市において、路上やショッピングセンター等で外国人観光客に対し薬物が密売されている。不審な人物から話しかけられたり、物を買うよう迫ってきた際には、不用意に応答しないよう十分注意する。

 サンタクルス市では、依然として、強盗、傷害、盗難等が多発しており、他に脅迫事件、武装強盗及び振り込み詐欺も発生している。オートバイを使った犯罪も頻発しており、特にヘルメット着用の男性二人組のオートバイは強盗やひったくりを犯す可能性が高いとされている。

 一般的な対策としては、繁華街・市場等に行く際には多額の現金を持たない、貴重品はリュックサックなど目の届かないところには入れず、自分の目の届く場所に携帯する等の注意が必要である。
万が一、犯罪に遭遇した場合は、犯人が拳銃を所持している場合もあるので、無理に抵抗せず、可能な限り速やかに警察へ被害の届け出を行う。
自宅等から外出する際は、施錠確認を徹底し、夜間であれば屋内照明をつけたまま外出することが望ましい。

 また、サンタクルスの詐欺組織がSNSにて信頼できる企業等の関係者になりすまし、相手を安心させた上で、商品を販売すると見せかけ、銀行振込等により現金をだまし取る詐欺事件が横行している。

(2)邦人被害事案
  なし

(3)邦人以外の被害事案等

 7月26日、コチャバンバ市ラモン・リベロ通り及びオケンド通りの歩道で両替を営む親子(父とその息子)がバイクに乗った三人組の強盗に襲われた。バイクに乗った男三人組が親子の前に停まり、威嚇のため空に拳銃を発砲し現金を奪おうとしたが、親子が抵抗をしたため、親子に向け拳銃を発砲し、現金5万米ドル奪い、バイクでその場から逃走した。

 7月27日、エル・アルト市内で住宅を狙って空き巣を繰り返していた犯罪団体「ユフラ一族」のメンバー男三名及び女一名が逮捕された。犯罪団体の車両を検査した結果、洗濯機、テレビ、ガスボンベ等が車内から見つかった。

 8月20日、コチャバンバ県キリャコリョ市コラパタ地区にある、セメント販売店に拳銃を持った男二人組が強盗に押し入った。男二人組は拳銃で店員を脅し、現金17万4千ボリビアーノス及び3千米ドルを奪い車両で逃走した。

 8月21日、エル・アルト市で、ポルベニール鉱業協同組合の現金23万5千米ドルを強盗したグループのうち男三名及び女一名を逮捕されたが、いまだ逃走しているメンバーが二名いると発表した。同強盗グループは、犯行に救急車を利用し、銃を発砲しながら逃走した。

 8月24日、ラパス市マックス・パレーデス地区で、女性が50代の男性から携帯電話を購入したが、外装は本物であったが中身は携帯電話ではなく粘土が入っていた。女性はソーシャルネット上で販売されていた携帯電話を購入するため、男性に連絡を取り、マックス・パレーデス地区で会う約束をした。男は女性に携帯電話を見せ説明した際には全て本物のであったが、渡された時には中身を粘土にすり替えられていた。

 9月22日、エル・アルト市ケンコ地区で警察官1名を殺害した男三名及び女一名が逮捕された。同犯罪者は事件当日、白いピックアップ車で被害者を追跡し、被害者が人気のない場所で車から降りたところ、石等で殴打し殺害した。

 9月27日、サンタクルス市ラ・クチーリャ地区で日用雑貨店を営んでいる65歳の女性店主が、客のふりをした男一名及び女二名に大型ハンマーで暴行を加えられ、現金を奪われた。

3 テロ・爆弾事件状況

(1)7月5日、ラパス市に所在するラパス県地方裁判所の建物にダイナマイトがしかけられた。当日、ラパス県地方裁判所の電話受付担当者に匿名の男性から電話があり、ラパス県地方裁判所の7階及び8階に爆発物を仕掛けたとう脅迫の連絡が入った。ボリビア国家警察消防局爆発物部隊の現場検証の結果、爆発物は自家製で、三つのダイナマイトを紙に包んだものであった。幸いダイナマイトは爆発せず、負傷者や物理的破損はなかった。

(2)9月5日、ラパス市メルカド通り及びコロン通りでラパス市役所付近に設置されているゴミ箱に仕掛けられた爆発物が爆発し、周辺の建物のガラスが吹き飛び、近くを歩いていた子供二名が怪我を負い、近くをバイクで通っていた大人二名が爆風でバイクごと横転した。現在捜査当局は爆発事件が起きた付近の監視カメラを調査し、犯人の行方を捜査している。

4 誘拐・脅迫事件発生状況

なし

5 日本企業の安全に関わる諸問題

なし