海外安全対策情報(2018年1月~3月)
平成30年4月14日
1 社会・治安情勢
政治的には安定しているが,ボリビア国内各地で政治的要求に基づくデモ,道路封鎖,ストライキ等の抗議行動が頻繁に行われている。2016年8月には,鉱山協同組合がラパス県とコチャバンバ県を結ぶ県道の封鎖を行い,同組合員との対話に向かった当時の内務次官が,同組合員に拉致,殺害された。2017年2月には,ラパス県コカ生産組合が反政府デモを行い,ラパス市内の警察派出所を襲撃し,車輌等を破壊した。2018年2月には、オルロ市でのカーニバルにおいて、複数の爆発が発生した。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪の傾向
2016年のボリビアにおける一般犯罪件数は,約8万2千件となっており年々増加傾向にある。首都ラパス市及び隣接するエルアルト市においては,首締め強盗,置き引き,スリ及び偽警察官による詐欺の被害が邦人旅行者を含め頻発しており,十分な警戒が必要。特に,ラパス市のサンフランシスコ教会近辺では,邦人旅行者に対する偽警察官による詐欺事件が続発しており,十分注意する必要がある。エルアルト市では,殺人事件等の凶悪犯罪も頻発している。サンタクルス市の治安は,地方からの人口流入,麻薬密輸関係者の増加等により悪化しており,近年は犯罪件数が増加傾向にある。発生する犯罪の多くは,薬物購入資金を目的とするものであり,麻薬密売組織間の抗争に一般市民が巻き込まれることもあるので,十分注意する必要がある。
(2)邦人被害事案
ア 1月9日,ラパス市北部のメルカド・ネグロを歩いていた際,人がぶつかってきた。その後,ジャンパーのポケットを確認すると,ポケットに入れていた旅券が盗まれていた。イ 3月11日,邦人女性旅行者がサンフランシスコ教会近くを歩いていた際,観光客を装った女性に話しかけられた。その後,警察官を名乗る男に旅券を見せるよう言われ,タクシーに乗せられた。タクシー内で所持品検査をされ,金品を奪われた。
(3)邦人以外の被害事案
ア 1月11日,チチカカ湖畔のラパス県チャヤ市で,39歳の韓国人女性観光客の死体が発見された。同観光客は,強姦被害に遭った後殺害されたと見られている。イ 1月12日,ラパス市で,偽警察官のグループの一部が逮捕された。同グループはボリビア人の男二人から成り,ラパス市中心部のサンフランシスコ教会周辺で観光客を狙い犯行を重ねていた。
ウ 1月15日,ポトシ県ウユニ市で,電車とバスとの衝突事故が発生した。線路を通過しようとしたバスに電車が衝突し,ボリビア人二人が負傷した。
エ 1月19日,ラパス市で,ボリビア人男女の死体が発見された。同人らは1月1日以降行方不明になっており,警察が捜索していた。
オ2月8日,ベニ県リベラルタ市で,国民健康保険機構の職員が銀行から現金83万7千ボリビアーノス引き出したところ,強盗二人が銃で同職員を襲い現金を奪い逃走した。
カ 2月23日,サンタクルス市で,ジャガーの皮,爪及び牙等の密売を行なっていた犯罪組織が逮捕された。ボリビア国籍を有する中国人二人及びボリビア人一人が逮捕された。
キ 3月1日,ラパス市で強盗が発生した。出版社の現金を運んでいた車が5人組の男に銃で襲撃され,現金10万ボリビアーノスが盗まれた。逃走中,犯人の車が一般車と衝突し,強盗5人のうち二人のペルー人が逮捕された。
ク 3月5日,サンタクルス市のパルマソラ刑務所で,受刑者による暴動が発生した。原因は,政府が未成年の訪問を禁止すると発表したことによる。6人の受刑者が刑務所から脱走したが,警察によって身柄を確保された。
ケ 3月11日,オルロ県サバヤ市で,ボリビア国内に密輸しようとした車5台が押収された。押収時,密輸グループが当局を襲撃し,軍の捜査官二人が殺害された。
コ3月14日,暴動が発生していたサンタクルス市のパルマソラ刑務所に2,300人の警察が制圧に入り,受刑者との間で衝突が発生した結果,受刑者7人が死亡した。また,武器,麻薬,アルコール及び電気製品等が押収された。
サ3月29日,サンタクルス市で,武器の密売組織が逮捕された。ボリビア人四人が逮捕され,現金2万ドル及び武器17個(ライフル15丁ほか)が押収された。
3 テロ・爆弾事件発生状況
(1)2月10日,オルロ市で開催されたカーニバル会場付近で,屋台のガスボンベが爆発し,8人が死亡,40人が負傷した。
(2)2月13日,10日と同じオルロ市のカーニバル会場付近で爆発が発生し,6人が死亡,10人が負傷した。ダイナマイトによる爆発と見られている。
(2)2月13日,10日と同じオルロ市のカーニバル会場付近で爆発が発生し,6人が死亡,10人が負傷した。ダイナマイトによる爆発と見られている。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
なし
5 日本企業の安全に係わる諸問題
3月15日から20日まで、ポトシ県ノル・リペス(Nor Lipez)地方及びエンリケ・バルディビエソ(Enrique Baldivieso)地方において、一部道路及び鉄道が封鎖された。