海外安全対策情報(2017年10月~12月)
平成30年1月10日
1 社会・治安情勢
政治的には安定しているが、ボリビア国内各地で政治的要求に基づくデモ、道路封鎖、ストライキ等の抗議行動が頻繁に行われている。2016年8月には、鉱山協同組合がラパス県とコチャバンバ県を結ぶ県道の封鎖を行い、同組合員との対話に向かった当時の内務次官が、同組合員に拉致、殺害された。2017年2月には、ラパス県コカ生産組合が反政府デモを行い、ラパス市内の警察派出所を襲撃し、車輌を破壊した。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪の傾向
ボリビアにおける一般犯罪件数は2015年に約7万3千件(2016年:約8万2千件)となっており、年々増加傾向にある。首都ラパス市及び隣接するエルアルト市においては、首締め強盗、置き引き、スリ及び偽警察官による詐欺の被害が邦人旅行者を含め頻発しており、警戒が必要。エルアルト市では殺人事件等の凶悪犯罪も頻発している。サンタクルス市の治安は、地方からの人口流入、麻薬密輸関係者の増加等により悪化しており、近年は犯罪件数が増加傾向にある。発生する犯罪の多くは、薬物購入資金を目的とするものであり、麻薬密売組織間の抗争に一般市民が巻き込まれることもあるので、十分注意する必要がある。
(2)邦人被害事案
ア 10月14日、邦人女性旅行者がサンフランシスコ教会近くを歩いていたところ、チリ人を名乗る女性に話しかけられた。その後、警察官を名乗る男に声を掛けられ、麻薬検査をすると言われタクシーに乗せられた。自称チリ人の女及び自称警察官の男は、被害者のボディチェックを行い、被害者が所持していたカバンの中身や財布などをチェックした後、車から被害者を降ろした。その後、被害者がカバンの中身を確認したところ、現金及びカメラがなくなっていた。イ 11月28日、ポトシ発ウユニ向け長距離バス車内の頭上の網棚に貴重品の入ったバッグを置いたところ、乗車約10分後には同バッグが無くなっていた。
ウ 12月4日、ウユニ発ラパス向け長距離バス車内で、足下に貴重品の入ったリュックサックを置いていたところ、気づいたときには同リュックサックが無くなっていた。
(3)邦人以外の被害事案
ア 10月7日夜、ラパス県エルアルト市で、17歳の少年が強盗目的で19歳の男性を撃ち殺した。その数時間後、29歳の男性(警察官)が家族と一緒に歩いていたところ、同少年に胸を撃たれて死亡した。イ 10月5日、サンタクルス県サンタクルス市で、強盗が菓子工場に入り現金約8万ドルを盗んだ。強盗犯6人は、麻薬取締官を装って工場に侵入していた。
ウ 10月16日、ボリビアとの国境に近いブラジルのマットグロッソ県タンガラダセラ市で、コカイン480キロを密輸したボリビア人2人が逮捕された。コカインはボリビアからセスナ機で運搬され、ブラジル到着後、ヨーロッパへ密輸される予定であった。
エ 10月24日、ラパス県ラパス市で、偽警察官の犯罪グループが逮捕された。同グループは、女1人と男2人からなり、ラパス市の中心部で旅行者を狙い犯罪を重ねていた。
オ 11月22日、サンタクルス県サンタクルス市で、警察官2人が麻薬密輸容疑で逮捕された。同人らは、10月25日、サンタクルス県ビルビル国際空港において、麻薬密輸の疑いのあった旅行者の荷物検査を行わず、コカイン14キロを通過させた。
カ 11月3日、ラパス県ラパス市中心部で強盗を行なっていた犯罪グループが捕まった。男3人及び女5人が逮捕されたが、同グループのリーダーは女性であった。
キ 11月11日、ラパス県ラパス市で、中国人7人が逮捕された。同中国人ら及びボリビア人3人はラパス県グナイ市及びベニ県ルレナバケ市の周辺で、違法に金を採掘していたところ、逮捕された。
ク 11月14日、コチャバンバ県コチャバンバ市で、銀行強盗を計画していた犯罪グループが捕まった。警察のインテリジェンス部門による従前からの捜査の結果、ボリビア人1人、ペルー人1人及びチリ人1人を逮捕した。逮捕者には強盗などの犯歴があった。
ケ 11月29日、ラパス県ラパス市で、強盗を行なっていた犯罪グループが捕まった。同グループは、エルアルト市及びラパス市で武器を使用して強盗を行なっていた。
コ 11月30日、ラパス県エルアルト市で、現金輸送車に対する強盗を計画していたボリビア人6人が逮捕された。現金輸送車は、現金8百万ボリビアーノスを運搬する予定であった。
サ 12月5日、サンタクルス県コトカ市で、19歳の少年が強盗容疑で逮捕された。同容疑者はコカ葉の会社に勤務しており、社内に30万ドルが保管されていることを知り、偽の爆弾を用い社長の子供を脅したが、4,500ボリビアーノス及び携帯電話しか盗むことができなかった。
シ 12月12日、サンタクルス県ビルビル国際空港で、警察犬が旅客の預け荷物に反応した。警察は荷物の持ち主を探し爆発物検査を行ったが、何も発見されなかった。
ス 12月12日、ラパス県ラパス市で、市内の様々な店舗で強盗を行なったとして11人が逮捕された。
セ 12月29日、コチャバンバ県からオルロ県に続く幹線道路で、チリに麻薬を密輸しようとした男6人が逮捕された。同人らは、合計218個のコカインカプセルを飲み込んでおり、計2,425グラムのコカインが押収された。
3 テロ・爆弾事件発生状況
なし
4 誘拐・脅迫事件発生状況
なし
5 日本企業の安全に係わる諸問題
なし