2021年2月 ボリビア経済情勢

令和3年3月9日

1 マクロ経済

(1)               財政赤字及び公共投資

22日,経済財政省は,2021年の財政赤字を対GDP比9%と見込んでおり,2020年の12%から3%減少すると述べた。また,本年の公共投資額は約40億ドルを予算に組み込んでいる旨述べた。

(2)               都市部と農村部のGDP格差

 15日,当地フビレオ財団は,国内11の地域が国内総生産の55%を占め,中でもサンタクルス,ラパス,コチャバンバ,エルアルトの4都市が42%を占めていると発表した。同財団は,一握りの都市部でのみ経済が進んでおり,多くの地域が取り残されていると問題視している。

(3)電力輸出へ向けた投資計画

 2日,モリナ炭化水素大臣は,ボリビア政府が国立電力公社(ENDE)を通じ,発電及び電力供給にかかるプロジェクトを実施及び継続するために2021年に25億ボリビアーノス(約3億5000万米ドル)を投資する旨発表した。
 

2 ミネラ・サンクリストバル社

 2019年度のミネラ・サンクリストバル社の売り上げは,2018年度から41%減少し26億ボリビアーノス(約3億7000万米ドル)であった。なお,2018年度売り上げは,44億ボリビアーノスで,約6億3000万米ドルであった。
 鉱業アナリストらによれば,減収の要因は,パンデミックによる操業の停止と,人件費を含む管理維持費である。同社の減収に伴い,ポトシ県のロイヤリティ収入は,36%から55%ほど減少する見込み。
 

3 その他

(1)経済の多様化戦略

24日,アルセ大統領は,サンタクルス県ワルネス(Warnes)の送電ダクト贈与式において,2025年の建国200周年に向け,ボリビア経済の多様化を図る旨演説した。同演説によれば,ガスの輸出のみならず,リチウムの産業化,鉄鋼の輸出,輸入代替の強化及び電力輸出により経済を立て直す見込み。

(2)中国へのキヌア,牛肉輸出

国立統計局(INE)によれば,2019年から2020年にかけて,中国向けの牛肉輸出は7倍に増加した。一方キヌアの輸出量は,価格競争の影響で36%低下した。2019年の輸出量は,約2000トン,輸出額は1000万米ドル,一方,2020年は,輸出量約14000トンで,輸出額は,5800万米ドルであった。
 2020年9月,総輸出量は,20000トンを超え,中国以外の大規模市場としては,ロシアやEUが続いている。