2021年9月 ボリビア経済情勢

令和3年10月9日

1 マクロ経済

(1)経済成長率

BCBは,2021年7月までの経済成長率を8.7%と発表した。経済活動を後押ししたのは,鉱業部門,次いで建設部門であった。

(2)海外送金

 2021年1月から7月にかけての海外送金額は,8億500万米ドルに達した。2020年の同時期に比べ45%の増加となった。

(3)貿易収支

 8月までの貿易収支は,13億6,000万米ドルの黒字となった。国立統計局(INE)によれば,天然ガスに代わり,金が最大輸出品目を占めており,14億7,800万米ドルに達した。

 

2 天然資源

(1)サン・クリストバル鉱山の鉱命延長

 9日,鉱業冶金省は,サン・クリストバル鉱山への追加投資による可採鉱年数(LOM)延長にかかるプレスリリースを発出した。右プレスリリースによれば,サン・クリストバル鉱山は,硫化鉱からの採鉱を2007年から2024年までと見込んでいたが,2029年まで延長する見込みである。さらに,3億5,000万米ドルの設備投資により,酸化鉱からの採鉱を可能にすることで鉱命は2050年まで延長される。

(2)ブロブロ尿素アンモニア工場の稼働開始

 6日,尿素アンモニア工場(PAU)の再稼働開始式が挙行され,アルセ大統領やモリナ炭化水素大臣らが参加した。PAUの尿素肥料生産量は,2022年9月までに590,000万トンを見込んでおり,そのうち46,000トンを国内向けに販売する。391,000万トンをブラジル,125,00トンをアルゼンチン,22,000トンをパラグアイ,6,000トンをペルー向けに輸出する見込み。
 アルセ大統領は,「今日は,歴史的な日である。なぜならば,長らく我々は,ボリビアの天然資源産業化を夢見ていたからだ。」と述べ,祝意を表明した。
 

3 その他

(1)対外債務軽減の提言

24日,アルセ大統領は,第76回国連総会一般討論演説において,「ボリビア多民族国は,脆弱な状況に置かれる人々の社会政治のため,世界レベルでの債務軽減,もしくは債務の見直し(Refinanciamiento)を,国際金融機関へ提言する。同様に,2030年の開発目標を確実なものとするために,それぞれの国際金融メカニズムが,中期・長期金利のコンセッション方式の借款を活発化させることも重要である」旨演説した。

(2)偽装自動車部品の摘発

 10日,当地国家警察特別犯罪取締局(FELCC)は,非純正の自動車部品をトヨタ,日産の純正部品と偽って販売していた疑いにより,サンタクルス市内の自動車部品輸入・製造及び販売業者であるMultipartes社の事務所(市内計5カ所)を捜査摘発した。