2021年4月 ボリビア経済情勢
令和3年5月9日
1 マクロ経済
(1)IMFによるボリビアのマクロ経済指標予測
IMFは,2021年の失業率を4%,インフレ率を3.9%と見込んでいる。また,経済回復のカギをワクチン接種率に求めており,世界全体の経済回復と比べるとラテンアメリカの経済回復が遅れる見通しを立てている。なお,IMFが予測する世界経済の成長率は6%であり,ラテンアメリカ全体の経済成長率は4.6%と見込んでいる。
(2)県予算配分の減額
7日,フビレオ財団は,2021年度の各県予算総額が,95億2000万ボリビアーノス(13億7000万米ドル)で,前年比マイナス13%である旨発表し,公共投資計画数も前年度から305減少したと述べた。県予算の財源は,大部分がタリハ県であり,約25%を占める。次いでサンタクルス県が23%,ラパス県が11%及びポトシ県が10%を占める。
同財団は「2015年以降,県予算は減少し続けている。現状は非常に複雑であり,新たな県知事らは限られた歳入での執政を強いられるだろう」旨述べた。
2 天然資源
(1)タリハ県のガス生産
14日,パヒナ・シエテ紙によれば,2020年のタリハ県ガス生産額は,11億2500万米ドルまで落ち込み,2006年以降の最低額を記録した。これによる炭化水素直接税の減収は,地方自治体への予算配分にも影響を与えるとみられている。(2)鉱業投資魅力度ランキング
フレーザー研究所(カナダ)によれば,2020年の鉱業投資魅力度ランキングにおいて,ボリビアは76カ国中74位であった。右ランキングは,鉱業部門の政策,投資環境,法的安全性等を総合的に判断したものであり,ボリビアはワースト10位圏内へのランク付けが続いている。3 その他
ボリビア原子力機構・SENASAG間の協力契約締結6日,ボリビア原子力機構(ABEN)とボリビア食糧安全・農業衛生機構(SENASAG)は,原子力技術協力契約を締結した。右契約は,疫病対策及び食糧安全の促進を目的としたものであり,署名式にはモリナ(Franklin Molina)炭化水素大臣,チャラカヨ(Edwin Characayo)土地開発大臣,ヒメネス(Hortensia Jimenez)ボリビア原子力機構局長及びコンドリ(Placido Condori)SENASAG代表が出席した。
なお,ボリビア原子力機構は,エルアルト市において原子力技術研究センター(CIDTN)の建設を進めており,右研究センターにおいてはロシアの技術協力が行われている。モリナ炭化水素大臣によれば,同研究センターは4月時点で,ガン研究の機材導入を進めており,稼働開始へ向けて最終調整を実施している。