海外安全対策情報 (2019年10月~12月)
令和2年1月9日
1 社会・治安情勢
(1) 2019年10月20日に実施された大統領選挙・国会議員選挙において,開票手続の不正の疑いを契機として,全国各地で反政府派と政府支持派が抗議活動及び道路封鎖等を行い,一部で両派間又は警察・国軍との衝突や暴力行為に発展した。11月10日のモラレス大統領の辞任後には,モラレス前政権支持派団体による抗議活動が一時的に激化し,特にエルアルト市,ラパス市,コチャバンバ県,サンタクルス県北部及び北西部などにおいて,一部の暴徒による暴行,略奪,放火等が発生した。
11月12日のアニェス暫定大統領の就任,同月24日の新たな選挙を実施するための法律公布,同月25日のアニェス暫定政権と全国規模の抗議団体との「和解のための合意文書」の署名等を受けて,全国における抗議活動及び道路封鎖は停止された。
国民保護庁ホームページの発表によれば,今回の一連の抗議活動に関し,10月20日から11月末までの間に,全国で死者35名,負傷者832名が発生した。
2020年5月には,新たな大統領選挙・国会議員選挙が実施される予定であるが,引き続き政治・社会・治安情勢に十分注意する必要がある。
(2) これまでも,ボリビア国内各地では,政治的要求等に基づく各職業団体,労働組合,市民団体,学生行進,集会,道路封鎖等の抗議活動が頻繁に行われている。
2018年5月,ラパス県エルアルト市で,エルアルト公立大学学生ら関係者が予算増大を求める抗議デモ中,警察官の発砲により学生1名が死亡した。
2018年8~9月,ラパス県ユンガス地方のコカ栽培者らが,政府のコカ伐採政策に反対し,武装住民がコカ伐採共同作業部隊及び治安部隊を待ち伏せて攻撃し,警察官1名が死亡,8名が負傷した。これを受け治安部隊と住民らが再び衝突し,コカ栽培者2名が死亡した。
2018年12月,最高選挙裁判所による現大統領・副大統領の再立候補認定に抗議する反政府派が,全国規模でのストライキ,道路封鎖などの抗議活動を実施した。サンタクルス市では,県選挙裁判所の放火や,国営企業の出入口を破壊した。
2019年6月,ラパス県ユンガス地方のコカ栽培者が,反政府抗議活動を活発化し,ラパス市とコロイコ市間の道路封鎖を実施し,石やダイナマイトを使用するなど一部過激化した。
2019年8月,ラパス市による市バスの新ルート開通に伴い,ミニバス運転手らの運輸労働組合が,新ルート周辺地区において道路封鎖を伴う抗議活動を行った。住民と抗議集団が衝突し,投石などにより市民が多数負傷し,市バスが破損する暴力的事態となった。
2019年9月,ポトシ県ウユニ市で,市役所に抗議するストライキが複数回実施され,市内の交通が麻痺し,邦人観光客を含む外国人観光客が同市内で数日間足止めされる事態となった。
サンタクルス市では,路上販売の禁止及びミニバスの入域規制を行う市当局に反対する商人や運転手等の抗議デモが,市内で頻発している。また,2019年3月に開始された国民皆保険制度をめぐり,サンタクルス県庁が適用を拒否して政府と対立し,市民や医療関係者を巻き込んだ抗議デモも発生している。8月下旬からは職務の制度化や法の遵守と整備等を求め,医療関係者によるストライキが40日以上続いたが,政府との調整は難航し解決には至っていない。
また,サンタクルス市内第一環状線沿いで高速バス運行のための大規模な工事が進められているが,右工事による通行止めで慢性的な交通渋滞が発生しており,工事現場付近を通行する際には注意が必要である。2019年9月には,市内において高速バス運行を推進するサンタクルス市支持派と反対派が衝突する暴力的事案となり,負傷者及び逮捕者が出た。
11月12日のアニェス暫定大統領の就任,同月24日の新たな選挙を実施するための法律公布,同月25日のアニェス暫定政権と全国規模の抗議団体との「和解のための合意文書」の署名等を受けて,全国における抗議活動及び道路封鎖は停止された。
国民保護庁ホームページの発表によれば,今回の一連の抗議活動に関し,10月20日から11月末までの間に,全国で死者35名,負傷者832名が発生した。
2020年5月には,新たな大統領選挙・国会議員選挙が実施される予定であるが,引き続き政治・社会・治安情勢に十分注意する必要がある。
(2) これまでも,ボリビア国内各地では,政治的要求等に基づく各職業団体,労働組合,市民団体,学生行進,集会,道路封鎖等の抗議活動が頻繁に行われている。
2018年5月,ラパス県エルアルト市で,エルアルト公立大学学生ら関係者が予算増大を求める抗議デモ中,警察官の発砲により学生1名が死亡した。
2018年8~9月,ラパス県ユンガス地方のコカ栽培者らが,政府のコカ伐採政策に反対し,武装住民がコカ伐採共同作業部隊及び治安部隊を待ち伏せて攻撃し,警察官1名が死亡,8名が負傷した。これを受け治安部隊と住民らが再び衝突し,コカ栽培者2名が死亡した。
2018年12月,最高選挙裁判所による現大統領・副大統領の再立候補認定に抗議する反政府派が,全国規模でのストライキ,道路封鎖などの抗議活動を実施した。サンタクルス市では,県選挙裁判所の放火や,国営企業の出入口を破壊した。
2019年6月,ラパス県ユンガス地方のコカ栽培者が,反政府抗議活動を活発化し,ラパス市とコロイコ市間の道路封鎖を実施し,石やダイナマイトを使用するなど一部過激化した。
2019年8月,ラパス市による市バスの新ルート開通に伴い,ミニバス運転手らの運輸労働組合が,新ルート周辺地区において道路封鎖を伴う抗議活動を行った。住民と抗議集団が衝突し,投石などにより市民が多数負傷し,市バスが破損する暴力的事態となった。
2019年9月,ポトシ県ウユニ市で,市役所に抗議するストライキが複数回実施され,市内の交通が麻痺し,邦人観光客を含む外国人観光客が同市内で数日間足止めされる事態となった。
サンタクルス市では,路上販売の禁止及びミニバスの入域規制を行う市当局に反対する商人や運転手等の抗議デモが,市内で頻発している。また,2019年3月に開始された国民皆保険制度をめぐり,サンタクルス県庁が適用を拒否して政府と対立し,市民や医療関係者を巻き込んだ抗議デモも発生している。8月下旬からは職務の制度化や法の遵守と整備等を求め,医療関係者によるストライキが40日以上続いたが,政府との調整は難航し解決には至っていない。
また,サンタクルス市内第一環状線沿いで高速バス運行のための大規模な工事が進められているが,右工事による通行止めで慢性的な交通渋滞が発生しており,工事現場付近を通行する際には注意が必要である。2019年9月には,市内において高速バス運行を推進するサンタクルス市支持派と反対派が衝突する暴力的事案となり,負傷者及び逮捕者が出た。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪の傾向
サンタクルス市では,犯罪件数は減少傾向にあるものの,依然として,強盗,傷害,盗難が多発しており,他に脅迫事件,武装強盗,振り込み詐欺も発生している。
また,オートバイを使った犯罪も頻発しており,特にヘルメット着用の男性2人組のオートバイは強奪を犯す可能性が高いとされている。
なお,偽札が市中に出回っており,知らずに偽札を使用すると犯罪になるので注意する必要がある。
繁華街・市場に行く際には,多額の現金を持たない,貴重品はリュックサックなど,目の届かないところには入れず,自分の目の届く場所に携帯する等の注意も必要である。
万が一,犯罪に遭遇した場合は,犯人が拳銃を所持している場合もあるので,無理に抵抗せず,可能な限り速やかに警察へ被害の届け出を行う。
自宅等から外出する際は,施錠確認を徹底し,夜間であれば屋内照明をつけたまま外出することが望ましい。
(2)邦人被害事案
なし
(3)邦人以外の被害事案等
ア 10月3日,ラパス市中心部において,道を歩いていた青年が,ベネズエラ人3名が売っていた飴を買うことを拒否したところ,暴行を受けた。犯人3名はその後不法滞在であったことが判明した。
イ 10月3日,ラパス市中心部(サガルナガ通り)において,帰宅した30代男性が4人組に襲われ刃物で刺され意識不明の重体となり,所持品を奪われた。
ウ 10月10日,警察は,サンタクルス市において女性6名の睡眠薬強盗グループを逮捕した。犯人は出会い系サイトなどで外国人男性と知り合い,バーやクラブで待ち合わせ,男性宅又はホテルで睡眠薬入りの酒を飲ませ,金品を奪っていた。
エ 10月27日,警察は,ラパス市内で,女性1名及び男性4名の犯罪グループを逮捕したと発表した。同グループは,「ロス・ゴルペアドーレス(殴る人たち)」と呼ばれ,歩いている被害者を殴り,携帯電話や財布などを強盗していた。
オ 11月25日,コチャバンバ県キジャコジョ市で,20代女性が交際相手の男性らに刃物で刺されて死亡した。
カ 12月2日,エルアルト市において,帰宅途中の10代男性が,犯罪グループに襲われ刃物で刺されて死亡した。
キ 12月6日,エルアルト市において,首絞め強盗の被害に遭った20代男性が,抵抗したことにより刃物で刺され死亡した。
ク 12月9日夜7時過ぎ,ラパス市において,30代女性が帰宅途中にひったくりの被害にあい,抵抗した際に刃物で切りつけられた。
ケ 12月12日,警察は10月にラパス市マジャサ地区において発生していた重機窃盗グループを逮捕したと発表した。
コ 12月15日深夜,ラパス市とエルアルト市間を走るミニバス内で少年が男性2名に襲われた。
サ 12月16日早朝,ラパス市サンフランシスコ寺院前において,ベネズエラ人3人組が,通りがかりの男性の首を締め,さらに倒れた被害者を殴り,金品を奪った。3名は犯行直前にボリビアに不法入国していたことが判明した。
シ 12月27日,サンタクルス市で,70代のフランス人女性が自宅において刃物で刺され殺害された。捜査によりボリビア人2名が逮捕された。
サンタクルス市では,犯罪件数は減少傾向にあるものの,依然として,強盗,傷害,盗難が多発しており,他に脅迫事件,武装強盗,振り込み詐欺も発生している。
また,オートバイを使った犯罪も頻発しており,特にヘルメット着用の男性2人組のオートバイは強奪を犯す可能性が高いとされている。
なお,偽札が市中に出回っており,知らずに偽札を使用すると犯罪になるので注意する必要がある。
繁華街・市場に行く際には,多額の現金を持たない,貴重品はリュックサックなど,目の届かないところには入れず,自分の目の届く場所に携帯する等の注意も必要である。
万が一,犯罪に遭遇した場合は,犯人が拳銃を所持している場合もあるので,無理に抵抗せず,可能な限り速やかに警察へ被害の届け出を行う。
自宅等から外出する際は,施錠確認を徹底し,夜間であれば屋内照明をつけたまま外出することが望ましい。
(2)邦人被害事案
なし
(3)邦人以外の被害事案等
ア 10月3日,ラパス市中心部において,道を歩いていた青年が,ベネズエラ人3名が売っていた飴を買うことを拒否したところ,暴行を受けた。犯人3名はその後不法滞在であったことが判明した。
イ 10月3日,ラパス市中心部(サガルナガ通り)において,帰宅した30代男性が4人組に襲われ刃物で刺され意識不明の重体となり,所持品を奪われた。
ウ 10月10日,警察は,サンタクルス市において女性6名の睡眠薬強盗グループを逮捕した。犯人は出会い系サイトなどで外国人男性と知り合い,バーやクラブで待ち合わせ,男性宅又はホテルで睡眠薬入りの酒を飲ませ,金品を奪っていた。
エ 10月27日,警察は,ラパス市内で,女性1名及び男性4名の犯罪グループを逮捕したと発表した。同グループは,「ロス・ゴルペアドーレス(殴る人たち)」と呼ばれ,歩いている被害者を殴り,携帯電話や財布などを強盗していた。
オ 11月25日,コチャバンバ県キジャコジョ市で,20代女性が交際相手の男性らに刃物で刺されて死亡した。
カ 12月2日,エルアルト市において,帰宅途中の10代男性が,犯罪グループに襲われ刃物で刺されて死亡した。
キ 12月6日,エルアルト市において,首絞め強盗の被害に遭った20代男性が,抵抗したことにより刃物で刺され死亡した。
ク 12月9日夜7時過ぎ,ラパス市において,30代女性が帰宅途中にひったくりの被害にあい,抵抗した際に刃物で切りつけられた。
ケ 12月12日,警察は10月にラパス市マジャサ地区において発生していた重機窃盗グループを逮捕したと発表した。
コ 12月15日深夜,ラパス市とエルアルト市間を走るミニバス内で少年が男性2名に襲われた。
サ 12月16日早朝,ラパス市サンフランシスコ寺院前において,ベネズエラ人3人組が,通りがかりの男性の首を締め,さらに倒れた被害者を殴り,金品を奪った。3名は犯行直前にボリビアに不法入国していたことが判明した。
シ 12月27日,サンタクルス市で,70代のフランス人女性が自宅において刃物で刺され殺害された。捜査によりボリビア人2名が逮捕された。
3 テロ・爆弾事件発生状況
ア 10月15日,ポトシ市において国会議員の立候補者の自宅敷地内にダイナマイトが投げ込まれた。負傷者はなく,住宅の入口が破損した。
イ 10月20日から11月末までの大統領選挙における開票手続の不正の疑いを契機とした一連の抗議活動等において,ラパス県,コチャバンバ県,サンタクルス県などの路上で,大量のダイナマイト及び火炎瓶が使用された。
イ 10月20日から11月末までの大統領選挙における開票手続の不正の疑いを契機とした一連の抗議活動等において,ラパス県,コチャバンバ県,サンタクルス県などの路上で,大量のダイナマイト及び火炎瓶が使用された。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
10月3日,サンタクルス市内の路上において,実業家の男性がボリビア人2名及びアルゼンチン人3名の犯罪グループに無理矢理バンに乗せられ誘拐された。犯人グループは,身代金35万米ドルを要求したが,警察に発見され逮捕された。
5 日本企業の安全に係わる諸問題
なし