海外安全対策情報(平成29年4月~6月)

平成29年7月6日

1 社会・治安情勢

 政治的には安定しているが,ボリビア国内各地で政治的要求に基づくデモ,道路封鎖,ストライキ等の抗議行動が頻繁に行われている。2016年8月には,鉱山協同組合がラパス県とコチャバンバ県を結ぶ県道の封鎖を行い,同組合員との対話に向かった当時の内務次官が,同組合員に拉致,殺害された。2017年2月には,ラパス県コカ生産組合が反政府デモを行い,ラパス市内の警察派出所を襲撃し,車輌を破壊した。
 

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向

 ボリビアにおける一般犯罪件数は2015年に約4万6千件となっており,その後はほぼ横ばいで推移している。首都ラパス市及び隣接するエルアルト市においては,首締め強盗,置き引き,スリ及び偽警官による詐欺の被害が邦人旅行者を含め頻発しており,警戒が必要。エルアルト市では殺人事件等の凶悪犯罪も頻発している。
 サンタクルス市の治安は,地方からの人口流入,麻薬密輸関係者の増加等により悪化していたものの,警察の犯罪防止対策が功を奏し,近年は犯罪件数が減少している。発生する犯罪の多くは,薬物購入資金を目的とするものであり,麻薬密売組織間の抗争に一般市民が巻き込まれることもあるので,十分注意する必要がある。
 

(2)邦人被害事案

なし
 

(3)邦人以外の被害事案

ア 4月6日、オルロ県アルト・オルロ地方で、マリファナ735キロ(価格約250万ドル)が押収された。同薬物は、パラグアイからボリビアを経由してチリへ運ばれる予定であった。

 4月11日、ベニ県シェラトン市で、コカイン366キロ及び武器が押収された。同押収品は、ブラジルへ運ばれる予定であった。

5月1日、ラパス県ラパス市イルパビ地区で、4月24日にサンミゲル地区で目撃されて以降行方不明となっていた在留英国人の遺体が発見された。検視結果によると、頭を殴られ殺害されたもの

5月1日、ラパス県ラパス市で、17歳の少年が一緒に酒を飲んでいた17歳及び18歳の同級生によって殺害された。被害者の少年は学校でいじめに遭っていた。

5月3日、ラパス県イリマニ山で、登山中のドイツ人観光客が雪崩に遭い死亡した。ボリビア人ガイドは雪崩を避け、無事であった。

5月19日、コチャバンバ県コチャバンバ市で、宝石店での連続強盗容疑でチリ人3名が逮捕された。

5月19日、ラパス県アチョカヤ市で、31歳の男が54歳の母親及び11歳の義理の弟を殺害した。被害者2人は首を切断されていた。

5月26日、サンタクルス県サンタクルス市で、パラグアイ人4名が逮捕された。4名はサンタクルス市、ブラジル及びパラグアイにおいて約50件の盗みを働いていた。

6月4日、ベニ県サンタロサ・デ・ヤクマ市の湖畔でキャンプをしていた33歳のロシア人観光客が,ボリビア人3人による強盗・強姦被害に遭った。

コ 6月6日、ラパス県ラパス市で、コロンビア人3名及びボリビア人2名から成る犯罪グループが逮捕された。同グループは、ラパス市のソナ・スル地区において留守宅を狙った強盗を重ねていた。

サ 6月15日、ポトシ県ウユニ市で、フランス人3名及びエクアドル人1名から成る観光客グループが、現地ガイドを付けずに車でウユニ塩湖へ入ったところ、途中で車が穴にはまり、動きが取れなくなった。フランス人1名が周囲に助けを呼びに行ったが、道に迷い、行方不明となった。車及び他の観光客は、18時間後、警察により無事に保護された。

シ 6月28日、チリのイキケ市で、コカインを入れたカプセルを飲み込んで密輸しようとしたボリビア人3名が逮捕された。合計223個(7万ドル相当)のカプセルが発見された。ボリビア人3名は、チュキサカ県からチリのイキケ市までバスで移動した後、チリのサンティアゴ市まで行く予定であった。

ス 6月30日現在、ラパス県ラパス市で、コロンビア人男性1名が行方不明となっている。同人の家族によると、19日早朝にラパス市に到着したが、ペルーからボリビアに陸路で入国した際、警察官に所持品を奪われたとの連絡があり,同人はボリビア人に貸していたお金をエルアルト市まで取りに行く予定であった。

3 テロ・爆弾事件発生状況

なし

4 誘拐・脅迫事件発生状況

なし

5 日本企業の安全に係わる諸問題

なし