海外安全対策情報(平成27年度第4四半期(平成28年1~3月)

平成28年4月1日

1.社会・治安情勢

政治的要求に基づくデモ、道路封鎖、ストライキ等の抗議行動がボリビア国内各地で頻繁に行われている。

また、ボリビアを含む中南米各国においてジカウィルス感染症が流行しているので留意する必要がある。ボリビアでは特に東部、北部、南部において感染又は感染の疑いのある患者が発生している。

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向

 南米の中では比較的治安が良いとされているものの、首都ラパス市及び隣接するエルアルト市においては、置き引き、スリ及び偽警官による盗難被害が邦人旅行者を含め頻発しており、警戒が必要。特に2015年以降は邦人旅行者に対する首絞め強盗がしばしば発生しているほか、エルアルト市では殺人事件等の凶悪犯罪が頻発している。


(2)邦人被害事案

 1月15日、邦人旅行者がラパス市内の宿泊ホテル付近のイリャンプー通りを散歩していた際に、前方を男に塞がれたため、避けたところ、突然背後から羽交い締めにされた上、首を絞められ失神。その間に着用していたポシェット(パスポート、クレジットカード2枚、スマホ、現金約2万円・200米ドル・1400ボリビアーノス等入り)が盗まれていた。


 1月19日、邦人旅行者が宿泊していたエルアルト空港近くのホテルから、エルアルト空港に向かうため流しのタクシーを止め、乗車したところ、空港とは違う方向に進路を取り、発車後まもなく道路脇に立っていた45歳くらいの女を乗車させた。そこから500メートル程進んだところで、警官と名乗る私服(紺色のジャンバーにジーンズ)の45歳くらいの男がタクシーを停め乗車してきて、麻薬所持検査との名目で所持品の検査を開始した。女が検査に協力し、邦人旅行者にも検査に協力するよう助言してきた。邦人旅行者は不審に思ったものの脅迫めいた言葉で脅されたため身の危険を感じ、検査に応じた。検査終了後、邦人旅行者のみタクシーから降ろされた。その後、邦人旅行者が所持品を確認したところ、iPad、iPhone、ビデオカメラ及び現金約1300米ドル等がなくなっていた。


 1月29日、邦人旅行者がラパス市内の宿泊先ホテルが所在するイリャンプー通りを散歩していた際に、前方を男に塞がれたため、避けたところ、突然背後から羽交い締めにされた上、首を絞められ失神。その間にリュックサック(パスポート、クレジットカード2枚、キャッシュカード1枚、iPhone、デジカメ、現金約250米ドル等入り)が盗まれていた。なお、事件発生時は周囲に多くの通行人がいたとのこと。


 2月8日、邦人旅行者がラパス市のメルカード・ネグロ付近を散策中に、着用していたウエストポーチ内に収納していた小型ポーチ(パスポート、現金約400米ドル入り)が盗まれていた。なお、事件発生時、現場は大勢の人で賑わっていたとのこと。


 2月10日、邦人旅行者がウユニ市内の公園で友人とベンチに座って話をしている間に、ベンチ右側に置いていた小型バッグ(旅券、現金約160米ドル、デジカメ等入り)が盗まれていた。


 2月18日、邦人旅行者がラパス市のムリージョ広場で、ペルー人と名乗る女に「カテドラルの中で写真を撮ってほしい。」と頼まれ、二人でカテドラルの中に移動し、写真を撮影していたところ、警察と名乗るスーツ姿の男に「ここは写真撮影禁止だ。警察署で事情を聞く。」と言われ、女とともにタクシーに乗車させられた。乗車後、男は所持品の検査を開始した。女性が素直に検査に応じたため、邦人旅行者も検査に応じた。また、男がクレジットカードの暗証番号を尋ねてきたため邦人旅行者は素直に答えた。検査終了後、邦人旅行者だけがタクシーから降ろされ、その後、所持品を確認したところ、現金(約800ボリビアーノス)及びクレジットカード2枚がなくなっていた。


 3月17日、邦人旅行者がエルアルト市の市場で、横から顔に唾をかけられ、直後に男に話しかけられて気が逸れた一瞬の隙に、着用していたウエストポーチ内に収納していたカメラが盗まれていた。


(3)邦人以外の被害事案

 1月8日、ラパス県エルアルト市で、首絞め強盗を繰り返していたペルー人の男2人が首絞め強盗をしようとターゲットを追跡していたところ、それを発見した警察に逮捕された


 1月25日、チュキサカ県で、口論の末、21歳の男が元内縁の妻の顔と腹部を刃物で刺して殺害した容疑で逮捕された。


 1月26日、ラパス県エルアルト市で、祈祷師の男がお祓いのために来た25歳の女性に対し、お祓いを名目に衣類を脱がせたうえで、性的暴行を加えたとして逮捕された。


 1月29日、ベニ県サンタロサ市で、ブラジル人とみられる2人組の男に4人が銃撃され負傷した。


 2月12日、ラパス県エルアルト市で、5人組の男が民家に押し入り、ポップコーン製造器を盗もうとした際に、住民の男性が帰宅し、犯行を阻止しようとしたところ、犯人が拳銃を発砲。男性は即死し、犯人らは車に乗って逃走した。


 2月16日、ラパス県ラパス市で、約1年前から短時間誘拐を繰り返していた5人の男が逮捕され、2人が逃走した。犯人らは偽物の看板をつけたラジオタクシーを悪用し、乗客を脅してカードの暗証番号を聞き出し、全ての金を引き出すまで乗客を監禁する等していた。また、5人のうち4人は2010年8月にも同罪で逮捕されていた。


 2月18日、サンタクルス県サンタクルス市で、金融機関で土地購入資金として4万5千米ドルを引き出しばかりの企業家二人が車の中にいたところを、バイクに乗った2人組が襲撃、車のガラスを割って車内の現金入りのバッグを奪って逃走した。


 2月29日、ポトシ県プーナ市で、若者2人が民家に泥棒に入ったところを取り押さえられ、地元住民にリンチされそうになったものの、直前に警察が到着し救出された。


 3月10日、コチャバンバ県コチャバンバ市で、死後4日経過したとみられる椅子にしばられた状態の30歳の女性の遺体が発見された。


 3月19日、ラパス県ラパス市で、45歳の父親が、13歳の娘に6年前から性的暴行を加えていたとして警察に逮捕された。


 3月19日、サンタクルス県サンタクルス市で、民家に強盗が押し入り、寝ていた父親の肩や腕をナイフで刺して負傷させたが、物音に気づいた妻と息子が犯人を捕まえ、身柄を警察に引き渡した。


 3月22日、ラパス県エルアルト市で、精神分裂病の男性が歩いていたところ、挙動が不審であるとして近隣住民にリンチされた上、生きたまま火をつけられ殺害された。


 3月23日、コチャバンバ県コチャバンバ市近郊で、22歳の男が13歳から18際の少女6人に性的暴行を加えたとして警察に逮捕された。犯人はフェイスブックでモデルになれると言って少女らを誘惑していた。


3.テロ・爆弾事件発生状況

特段問題なし。

4.誘拐・脅迫事件発生状況

特段問題なし。

5.日本企業の安全に係わる諸問題

特段問題なし。