海外安全対策情報(平成27年度第3四半期(平成27年10月~12月))
1.社会・治安情勢
政治的要求に基づくデモ行進、道路封鎖、ストライキ等の抗議行動がボリビア国内各地で頻繁に行われている。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪の傾向
南米の中では比較的治安が良いとされているものの、首都ラパス市及び隣接するエル・アルト市においては、置き引き、スリ及び偽警官による盗難被害が邦人旅行者を含め頻発しており、警戒が必要。特に2015年以降は邦人旅行者に対する首絞め強盗がしばしば発生している他、エル・アルト市では殺人事件等の凶悪犯罪が頻発している。
(2)邦人被害事案
① 11月22日、クスコからバスでラパスに向かっていた邦人旅行者3名が経由地のコパカバーナにてバスの乗り換えのために約2時間過ごしていた際に、バス会社のオフィスで知り合ったフィリピン人と名乗る25歳くらいの女性に英語で話しかけられ、意気投合。同女性もラパスに行くとして同じバスにてラパスに来訪。ラパス市のバスターミナル到着時に、同女性に勧められたホテルに一緒に泊まることになり、同女性が止めたタクシーに同乗。タクシーに乗車して5分程経った頃に、警官と名乗る私服姿の男2人にタクシーが停車させられ、麻薬所持検査名目で身辺検査をされた。身辺検査終了後、タクシーに積んでいた3人のバックパック3個を警察署で検査するとして、タクシーに乗せられ、人気のない場所に移動。人気のない場所に到着した際に、男らに拳銃を突きつけられ「地面に伏せろ。動いたら撃つ」と脅され、3人が地面にうつ伏せになっている間に3人のバックパックを積んだまま、犯人らは同タクシーで逃走した。確認したところ、3人合計でバックパック3個、現金15万相当、iPhone3台、デジカメ3台、キャッシュカード3枚等が盗まれていた。
② 12月27日、ラパス市内にて、邦人旅行者が自転車を施錠した上で路上に放置し、数分間自転車から離れた隙に自転車及び自転車備付けバッグ(現金約200米ドル及びノートパソコン入り)を盗まれた。
③ 12月28日、ラパス市のセントロ地区の飲食店にて、邦人旅行者が飲食中に着用していたズボンのポケットに収納していた財布(現金約500米ドル、約700ボリビアーノス、クレジットカード等入り)及び携帯電話を盗まれた。
④ 12月30日、ポトシ県のウユニ塩湖内のインカワシ島にて、邦人旅行者がリュックサック(パスポート、現金約300米ドル及び5万円入り)を地面に置いて休憩していたが、リュックサックを置いたまま移動し、しばらく経ってからリュックサックを置き忘れたことに気がつき、休憩していた場所に戻ったが、その時には既に同リュックサックはなくなっていた。
(3)邦人以外の被害事案
① 10月6日、ポトシ県のチリとの国境付近にて、大麻約338キロ及びコカイン約40キロ等が摘発され、ボリビア人の男2名が逮捕された。
② 10月10日、ラパス県エル・アルト市にて、22歳の男が24歳の妻と生後7ヶ月の娘を絞殺したとして逮捕された。
③ 10月11日、コチャバンバ県サカバ市にて、24歳の男が父親を刃物で38回刺して殺害した容疑があるとして、警察が男の行方を追っている。
④ 10月13日、ラパス県エル・アルト市にて、33歳の男性と65歳の女性の遺体及び生きた1歳半の子供が乗用車の中から発見された。殺害された2人はナイロン袋により窒息死させられたとみられている。
⑤ 10月31日、サンタクルス県コトカ市近郊にて、手を後ろで縛られ、首を切られ殺害された41歳の男性の遺体が発見された。被害者はコチャバンバ市で容疑者の2人から両替するとして受け取った5万ユーロを持って逃亡したため、容疑者らに殺害されたものとみられている。
⑥ 11月7日、サンタクルス県サンマティアス市にて、47歳の両替商の女性がブラジル人の男に拳銃で撃たれ、病院に運ばれたが搬送先の病院で死亡した。被害者には麻薬絡みのトラブルがあったとみられている。
⑦ 11月9日、チュキサカ県スクレ市にて、酔っ払って口論となった末、29歳の妻を刃物で33回刺して殺害したとして33歳の夫が逮捕された。
⑧ 11月18日、ラパス県エル・アルト市にて、警察の制服を着て、犯人を捜しているという名目で民家に侵入し、侵入後は住人を殴打し抵抗できないようにして貴重品を盗むという手口を繰り返していた強盗団が逮捕された。同市内にて同様の手口で犯罪を行っていた強盗団が逮捕されたのは本件で3件目である。
⑨ 11月27日、ラパス県エル・アルト市にて、嫉妬により内縁の妻を撲殺し、全裸死体を道路脇に放棄した疑いで内縁の夫が警察に逮捕された。
⑩ 12月1日、ラパス県エル・アルト市にて、35歳の鉱山労働者が2人の男が乗ったバイクに前方を塞がれ、うち1人に拳銃で首を2回撃たれ死亡した。犯人らはバイクにて逃走した。
⑪ 12月9日、サンタクルス県ヤパカニ市にて、商業貨物を積んだトラックの荷台に載り積荷の見張りをしていた25歳の男性が、運転手が異変に気づきトラックを止め荷台を確認したところ、頭部を拳銃で撃たれ殺害されていた。
⑫ 12月12日、チュキサカ県モンテアグド市にて、13歳の少女2人が24歳と17歳の男と酒を飲みに行き、酒を飲んで酩酊状態になった際に性的暴行を受けたとして警察に訴えた。
⑬ 12月19日、サンタクルス県サンマティアス市にて、46歳の女性がバイクで走行中に黒いトラックに進路を塞がれ、停車したところを拳銃で10発撃たれ死亡した。警察は被害者が麻薬関連のトラブルを抱えていたとみて捜査している。
⑭ 12月27日、コチャバンバ県エントレ・リオス市において、2人の若い男性がバイクを盗もうとした際に、住民に発見され、150人から200人の住民に集団リンチを受け、火を付けられそうになったが、その際に警察が到着し保護された。
3.テロ・爆弾事件発生状況
特段問題なし。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
12月9日、ラパス県ラパス市ビジャファティマ地区にて、会社社長の娘の女性が車を運転中に、他の車と衝突し停車した。その際に交通警察の制服を着用した男が女性に近づき免許の提示を求め降車するよう指示した。指示に従い女性が降車した際に、男3人が女性を無理矢理車に乗せ誘拐した。誘拐グループは200万米ドルの身代金を要求したが、被害者の家族は速やかに警察に通報し、警察が捜査を開始。12月11日の早朝には警察は誘拐グループの4人を逮捕した。
5.日本企業の安全に係わる諸問題
特段問題なし。