海外安全対策情報(平成26年度第2四半期(平成26年7月~9月))
1.社会・治安情勢
政治的要求に基づくデモ行進、道路封鎖、ストライキ等の抗議行動がボリビア国内各地でほぼ毎日のように行われている
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪の傾向
首都ラパス市及び隣接するエル・アルト市においては、治安は悪化傾向にあり、特にエル・アルト市では殺人事件が頻発している他、売春も横行している。
報道等によればボリビアにはペルー、コロンビア等から殺し屋が流入してきており、1人当たり2千ドルから1万ドルの報酬で殺人が請け負われている。
(2)邦人被害事案
① 7月16日、ラパス市のポトシ通りにて、邦人旅行者が見知らぬ女性に声をかけられ応答していた際に警官と名乗る男性が現れ、所持品検査をするとしてタクシーへ乗車するよう命じられた。タクシー車内で邦人旅行者らは所持品を検査され、その際にデビットカードの真偽確認をするとして暗証番号を聞かれ、邦人旅行者は素直に正しい暗証番号を答えた。検査終了後に邦人旅行者だけが車を降ろされ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、現金約400ドル及びデビットカードがなくなっていた。後にデビットカード会社に連絡したところ、同カードが悪用され約5万円が引き出されていたことが判明した。
② 8月3日、邦人旅行者がコパカバーナ発ラパス行きのバスに乗車した際に、ペルー人と名乗る女性は隣の席に座った。邦人旅行者が同女性に車内でラパス到着後はバスターミナルに行きウユニに向かうと話をしていたためか、ラパス市に到着した際に同女性にバスターミナルまでタクシーで一緒に行こうと誘われタクシーに同乗したところ、しばらくして私服の男が警察手帳のようなものを見せてタクシーを止め、タクシーに乗り込んできてコカインの所持検査をすると言って、邦人旅行者らの所持品検査を行った。検査終了後に邦人旅行者だけが無理矢理降車させられ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、現金約50ドル、クレジットカード、デジカメ、iPhoneがなくなっていた。なお、邦人旅行者は検査の際にクレジットカードの暗証番号を質問されたが、嘘の番号を答えていた。
③ 8月7日、邦人旅行者がウユニ発ラパス行きの夜行バスに乗車し、午後11時過ぎに眠ってから翌朝8時に目を覚ますまでの間に、膝の上に置いていたiPad及びバスの通路に置いたリュックサック内のデジカメが盗まれていた。
④ 9月6日、スクレ市内にて祭りの練習で多くの人で溢れかえっていた路上で邦人旅行者がその様子を見学していた際に、盗難を警戒しカバンを肩に掛け体の前方で抱きかかえていたにもかかわらず、気がついた時にはカバンの下方をナイフで切られ、その引裂口からスマートフォンが盗まれていた。
(3)邦人以外の被害事案
① 7月2日、ラパス県エル・アルト市にて、ヘルメットを着用したバイクに乗った女強盗2人が5人の鉱山労働者を襲い、けん銃を発砲し2人を負傷させ、7kgの金の売却代金200万ボリビアーノスを奪い逃走した。
② 7月3日、ラパス県エル・アルト市にて、酒に酔った女性が、夫の浮気に嫉妬して夫の実家を放火し全焼させた。当日はお祭りであったため消防隊の到着が遅れた。
③ 7月8日、コチャバンバ県コチャバンバ市にて、36歳の男性が他の女性と酒を飲んでいるところを35歳の妻が発見。口論の末、男性は妻に刃物で胸部を刺され死亡した。
④ 7月9日、コチャバンバ県プエルト・ビジャノエル市のマリポサス川でリンチを受けた3人の若者の水死体が発見された。3人は契約に基づきバイクを回収しに行った際に、バイクの盗難の疑いで住民にリンチされたとみられている。
⑤ 7月31日、サンタクルス県サンタクルス市にて、25歳の女性が自宅で3万ボリビアーノスを盗もうとしたところを、義理の弟に発見され金槌で殴打され死亡した。
⑥ 7月31日、ボリビアとペルーとの国境で、ボリビア国家警察が約37キロのコカインを摘発。うち約15キロは白い小型トラックの座席の下に隠されたインカ・コーラのボトルの中に収納されていた。
⑦ 8月1日、ポトシ県ウユニ市にて、炭化した身元不明の遺体が発見された。捜査の結果、遺体は13歳の女子生徒のものであり、13歳から14歳の同級生3人により口封じのため殺害されたことが判明した。
⑧ 8月1日、ラパス県ラパス市にて、売春宿から4人の未成年の少女が救出され、売春宿で働いていた6人の男女が逮捕された。同様の売春宿がエル・アルト市にあるとみて警察は捜査している。
⑨ 8月5日、コチャバンバ県エル・アルバ市にて、3人の男が9歳から12歳までの女児10人に対する性的暴行の容疑で逮捕された。主犯の33歳のタクシー運転手の男には複数の同罪の前科があり、今年の3月21日に出所したばかりだった。
⑩ 9月5日、ラパス県ラパス市にて、25歳から28歳の武装した5人の男が、民家に押し入り、住人の口をテープで封じ、マントで視界を封じた上で現金や電子機器等総額6,500米ドル相当を奪い車で逃走した。
⑪ 9月7日早朝、ラパス県エル・アルト市にて、30代とみられる男性が住民にリンチされた後、運転していた小型トラック車内で生きたまま焼かれて殺害された。警察が駆けつけた時には被害者の体は炭化しており身元は不明である。
⑫ 9月7日早朝、サンタクルス県サンタクルス市にて、刃物で26カ所を刺された25歳の女性の死体が発見された。同女性は本年1月以降にサンタクルス市内で殺害された17人目の女性となった。
⑬ 9月8日、パンド県コビハ市にて、地方裁判所の45歳の顧問弁護士の女性が、空軍施設前に所在する自宅にて刃物で15カ所を刺され死亡しているのが発見された。空軍関係者が犯人とみて警察は捜査している。
⑭ 9月10日、オルーロ県オルーロ市にて、鉱山労働者がけん銃を所持した外国人と見られる2人組の男に襲われ、現金約50万ボリビアーノスを奪われた。
⑮ 9月12日、コチャバンバ県チモレ市にて16歳の少年が、35歳の前科のある男に性的暴行を受けた後、殺害されたと被害者の父親が訴えた。犯人は被害者の弟にも性的暴行を与えており、逃げた弟が父親に被害を訴えたため事件が発覚した。男は現在逃亡中。
⑯ 9月14日夜、コチャバンバ県エル・アルバ市の刑務所にて、以前から対立していたボリビア人受刑者と外国人受刑者の間で銃撃戦が発生し、翌朝警察が鎮圧するまでに4人が死亡、11人が負傷した。銃器がどのように刑務所内に持ち込まれたかは不明。
3.テロ・爆弾事件発生状況
特段問題なし。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
特段問題なし。
5.日本企業の安全に係わる諸問題
特段問題なし。