海外安全対策情報(平成26年度第1四半期(平成26年4月~6月))
1.社会・治安情勢
政治的要求に基づくデモ行進、道路封鎖、ストライキ等の抗議行動がボリビア国内各地でほぼ毎日のように行われている。特に3月31日より開始された新鉱業法の審議に反対する鉱山労働者等による道路封鎖は、国内各地の主要道路で行われ、道路封鎖を解除しようとした警官隊と衝突し62名の死傷者が出た他、4月にはボリビア国軍内部での下士官に対する差別的取り扱いの撤廃を要求する国軍下士官等による大規模なデモが続いた。
また,6月20日にはエル・アルト国際空港にて精神疾患のある者がナイフで周囲の人間を襲い合計11名を負傷させる刺傷事件が発生した。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪の傾向
国家警察当局の一般犯罪統計発表によれば、2013年のボリビアにおける総犯罪発生件数は60,673件と2012年比較して1,878件増加しており、特に強盗、強姦及び詐欺の増加が目立つ。
殺人 837件(前年比10件減少)
殺人未遂 894件(同150件減少)
窃盗 4,726件(同93件減少)
強盗 13,292件(同1,037件増加)
強姦 2,833件(同540件増加)
詐欺 5,880件(同698件増加)
誘拐 84件(同3件増加)
(2)邦人被害事案
① 4月11日、コチャバンバ市にて、在留邦人が銀行で現金2万米ドルを引き出し会社に戻ったところ、銀行から尾行した強盗が社内に侵入し、拳銃で頭部を殴打されたうえ、現金を奪われた。
② 5月18日、ラパス市のムリージョ広場にて、邦人旅行者がペルー人旅行者と名乗る女性に写真を撮ってほしいと頼まれ、写真を撮ろうとした際に警官と名乗る男性が現れ、ここは写真撮影禁止であるとして、タクシーへ乗車させられた。タクシー車内では所持検査をすると言って、最初に声をかけてきた女性の所持品を検査し、次に邦人旅行者の所持品の検査を行い、その際にクレジットカードが真偽確認をするとして暗証番号を聞かれ、邦人旅行者は素直に正しい暗証番号を答えた。検査終了後に邦人旅行者だけが車を降ろされ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、現金及びクレジットカード3枚等がなくなっていた。後にクレジットカード会社に連絡したところ、クレジットカード1枚が悪用され20万円が引き出されていたことが判明した。
(3)邦人以外の被害事案
① 4月1日夜、サンタクルス県サンタクルス市の公園にて、カップルが拳銃を持った男に所持品を渡すように求められた。女性が恐怖のあまり所持品を出すのが遅れたため、男が拳銃を発砲し女性は膝を負傷した。男は携帯電話と380ボリビアーノスを奪い、近くで待っていた白い車で逃走した。
② 4月10日、コチャバンバ県アヨパヤ村にて、19歳と18歳の少年が、バイクを盗んだとして村民に袋詰めにされ、川に沈められ殺害された。
③ 4月16日、サンタクルス県サンペドロ市にて、ブラジル人とみられる武装した5人組の男が金融会社プロデムの支店を襲撃し、41,000ボリビアーノス相当の現金を奪い逃走した。
④ 4月27日、ラパス県エル・アルト市のパーティー会場で、男2人女2人のグループに差し出されたビールを飲んだ男性が、直後に寝てしまい、その間に6,000ボリビアーノス及び宝石を盗まれた。
⑤ 4月29日、ラパス県エル・アルト市にて、ミニバスに乗車していた21歳の女性が他の乗客がすべて降りた後に、故障を理由に停車したミニバスの車内で運転手にナイフで脅され性的暴行を受けた。
⑥ 4月29日、22日にコチャバンバ県コチャバンバ市にて、バイクに乗り両替商に拳銃を発砲し重症を負わせたうえ、15,000米ドルを盗んだ容疑でチリ人3人が逮捕された。
⑦ 4月29日深夜、サンタクルス県サンタクルス市にて、3人の大学生に暴行したとして、4人のブラジル人及び1人のボリビア人から成る犯罪グループが逮捕された。
⑧ 4月30日朝、ラパス県ラパス市イルパビ地区にて、従業員を入れるために自宅玄関を開けた5秒にも満たない間に武装した6人の強盗が侵入し、30万米ドル相当の貴重品を奪われた。
⑨ 5月3日深夜、ラパス県エル・アルト市にて、性産業に従事する26歳の女性が売春宿で首を切られ殺害された。現場は大音量の音楽が流れていたため、周囲は事件に気がつかなかった。
⑩ 5月6日、ラパス県エル・アルト市にて、70歳の男性が自宅を兼ねるビリヤード場で強盗に絞殺された。また、同日、同市にて35歳の技術者が少なくとも5人の男に暴行され死亡した。
⑪ 5月20日未明、サンタクルス県サンタクルス市にて、23歳の女子大学生が自宅近くを歩いていた際に、男にシャツで口封じされた上で殴る、首を絞める等の暴行を受け、その後、空き地に放置され死亡した。
⑫ 5月29日、コチャバンバ県コチャバンバ市にて、犯罪組織のメンバーであるコロンビア人4人とボリビア2人が警察に逮捕された。コロンビア人らは銀行から出てきた客を襲うという手口で4月7日に14万ボリビアーノス、4月11日に2万米ドル、5月27日に16万ボリビアーノスを強奪したとして警察が捜査していた。
⑬ 6月3日、ラパス県ラパス市にて、1人で旅行中の26歳のスウェーデン人女性がバスターミナル付近からミニバスに乗車したところ、警察の制服を着た女性2人がミニバスに乗り込んできて、いくつか質問された上でクレジットカードの暗証番号も答えさせられ、ATMで現金を引き出すよう強要され現金を奪われた。
⑭ 6月3日、サンタクルス県サンタクルス市にて、少なくとも10人の年少者を暴行したとして、25歳、23歳及び20歳の男3人が逮捕された。3人は金品を与える等して信用させた後、年少者を自宅に連れ込み暴行していた。
⑮ 6月10日夜、サンタクルス県サンタクルス市にて、少なくとも200人の刃物等で武装した不良グループが7軒の民家に侵入し貴重品を奪った他、21歳の男性を集団暴行し重症を負わせた。近所の住民は恐怖で傍観するしかなかった。
3.テロ・爆弾事件発生状況
特段問題なし。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
特段問題なし。
5.日本企業の安全に係わる諸問題
特段問題なし。