海外安全対策情報(平成25年度第4四半期(平成26年1月~3月))

平成26年3月31日

1.社会・治安情勢

 政治的要求に基づくデモ行進、道路封鎖、ストライキ等の抗議行動がボリビア国内各地でほぼ毎日のように行われている。

 特に3月31日より開始された新鉱業法の審議に反対する鉱山労働者等による道路封鎖は、国内各地の主要道路で行われており、道路封鎖を解除しようとした警官隊と衝突し死傷者を出す等予断を許さない状況にある。

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向

 首都ラパス市及び隣接するエル・アルト市においては、治安は悪化傾向にあり、特にエル・アルト市では殺人事件が頻発している他、売春も横行している。 警察に対する不信感から、犯罪加害者に対する近隣の住民による集団リンチが増加傾向にある。


(2)邦人被害事案

① 1月26日、ラパス市のムリージョ広場にて、邦人旅行者がウルグアイ人と名乗る女性に「一緒にタクシーでライカコタの丘に行こう」と声をかけられ、タクシーに乗車。その直後に、警察と名乗る私服の男性がタクシーを止め乗車してきて、コカインの所持検査をするとの名目で、まず声をかけてきた女性の所持品を検査し、次に邦人旅行者の所持品を検査した。検査終了後に邦人旅行者だけが車を降ろされ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、現金400米ドル、デジタルカメラ及び携帯電話等がなくなっていた。


② 1月30日、ウユニ市内の格安ホテルにて、邦人旅行者が共同シャワー室の入り口の椅子にポーチ(旅券、クレジットカード、現金300米ドル等入り)を置いて、1分程度、シャワーのお湯の出具合を確認している間に同ポーチが盗まれていた。


③ 2月5日、ラパス市内のレストランにて邦人旅行者が他の邦人旅行者5名と共に夕食をとっていた際に、座っていた椅子の背もたれに掛けておいたショルダーバッグ(旅券、現金500米ドル及びデジタルカメラ等入り)が盗まれていた。


④ 2月5日、邦人旅行者がラパス市のサガルナガ通りを歩いていた際、通りかかった車の男性運転手に英語で話しかけられ、足を止めた瞬間に、手に持っていたリュックサック(旅券、パソコン及びデジタルカメラ等入り)を奪い取られ、車はそのまま走り去った。


⑤ 2月9日、ラパス市内の格安ホテルにて、邦人旅行者が共同シャワー室でシャワーを浴びていた約30分の間に、自室に残していたバックパックの中から財布(旅券及び現金50米ドル入り)が盗まれていた。


⑥ 2月14日、ラパス市のムリージョ広場にて、邦人旅行者がウルグアイ人と名乗る女性に写真を撮ってほしいと頼まれ、写真を撮ろうとした際に警察と名乗る男性が現れ、ここは写真撮影禁止であるとして、タクシーへ乗車させられた。タクシー車内では所持検査をすると言って、最初に声をかけてきた女性の所持品を検査し、次に邦人旅行者の所持品を検査した。検査終了後に邦人旅行者だけが車を降ろされ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、現金200米ドル、クレジットカード及びデジタルカメラ等がなくなっていた。


⑦ 2月18日、ラパス市ミラフローレス地区のスタジアム付近にて、邦人旅行者2名が地図を見ていたところ、チリ人と名乗る女性に道を尋ねられ、3名で地図を見ていたところに、警察と名乗るスーツ姿の男性が現れ、旅券の提示を求めるとともに、コカインの所持検査を行うとしてタクシーに乗車させられ、タクシー車内で所持検査を受けた。検査終了後は、チリ人女性は偽札所持の疑いがあるとして車内に残され、邦人旅行者だけが車を降ろされ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、現金300米ドル、携帯電話及びデジタルカメラ等がなくなっていた。


⑧ 2月19日、ラパス市内のレストランに邦人旅行者が友人4名と共に行った際、自席にリュックサック(旅券、現金1,000米ドル及び携帯電話等入り)を残し、友人と一緒に閲覧用の本を取りにいった数分の間にリュックサックが盗まれていた。


⑨ 2月23日、ラパス市内のピザ屋にて、邦人旅行者が友人2名と食事中に、座っていた椅子の後ろに掛けておいたリュックサック(現金300米ドル及びクレジットカード等入り)が気づいたら盗まれていた。


⑩ 3月3日、ラパス市のボリビア広場付近にて、邦人旅行者がウルグアイ人と名乗る女性に道を尋ねられ、話をしていたところに、警察と名乗るスーツ姿の男性が現れ、旅券の提示を求められ、さらには旅券の真偽確認をするという名目でタクシーへ乗車させられた。タクシー車内では2名とも所持品を全て検査され、検査終了後には邦人旅行者だけが車を降ろされ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、クレジットカード、携帯電話及びデジタルカメラ等がなくなっていた。


⑪ 3月4日、ラパス市内の格安ホテルの客室に財布を残して、約2時間ホテルの周辺を散策した後、客室に戻ったところ、財布の中のキャッシュカード1枚が盗まれていた。


⑫ 3月10日、ラパス市のイサベラ・カトリカ広場にて、邦人旅行者がチリ人と名乗る女性に写真を撮ってほしいと頼まれ、写真を撮っていたところ、警察と名乗るスーツ姿の男性が現れ、偽札の検査をするとしてタクシーへ乗車させられた。タクシー車内では2名とも所持品を全て検査され、検査終了後には邦人旅行者だけが車を降ろされ、タクシーは走り去った。その後、所持品を確認したところ、現金140米ドル、デジタルカメラ及びクレジットカード等がなくなっていた。


⑬ 3月26日、ラパス市のサンフランシスコ寺院付近のレストランにて、邦人旅行者が友人2名と食事している間に、足下に置いていたトートバッグ(携帯電話及びデジタルカメラ等入り)が気づいたら盗まれていた。


(3)邦人以外の被害事案

① 1月3日、ラパス県ラパス市の南地区にて、チリ人、ブラジル人、アルゼンチン人、ペルー人及びボリビアとコロンビアの二重国籍者ら8名の強盗集団が、拳銃2丁所持及び少なくとも5件の強盗の容疑で逮捕された。


② 1月8日、ラパス県エル・アルト市内にて、20代の男性が、友人3名と酒を飲んでいたが、酔って喧嘩となり、鉄の棒で頭を殴られ死亡した。


③ 1月30日、サンタクルス県サンタクルス市にて、コカ・コーラ社の製品を配達していた配達員が、バイクに乗った20歳と17歳の男性に売上金を出すように要求され、拒否したところ、拳銃で胸を撃たれ死亡した。


④ 2月3日、チュキサカ県スクレ市近郊にて、喉を切られた女性の遺体が発見された他、2月5日にも別の若い女性の銃殺遺体が発見された。


⑤ 2月13日夜から14日夜明けにかけて、ボリビア国家警察犯罪取締局(FELCC)がラパス市内で取締を行い、タクシー会社ラス・ベガス(Las Vegas)社の看板を付けたタクシーの運転手をタクシー強盗の容疑で逮捕した。同運転手は乗客が全ての貴重品を差し出すまで、タクシー車内に客を監禁した疑いをかけられている。


⑥ 2月19日深夜、ラパス県ラパス市にて、男性3名と女性1名が一緒に酒を飲んでいた際に、男性らが女性に性的関係を迫ったが、拒否されたことから女性を殺害した。


⑦ 2月21日、ラパス県ラパス市のディスコにて、女性客がディスコ内で差し出されたグラス1杯の酒を飲んで意識を失い、数人の男に店外に連れ出され性的暴行を受けた。同ディスコでは同様の手口の事件が以前にも発生しており、ディスコ関係者の関与が疑われている。


⑧ 3月1日から4日までのカーニバル期間に発生した犯罪件数等は昨年に比べ減少し、死者数は98名から70名に、犯罪件数は419件から272件に、交通事故は426件から366件にそれぞれ減少した。


⑨ 3月5日の明け方、ラパス県ラパス市にて、恋愛関係の30歳の男性と28歳の女性が男性の自宅で共に泥酔状態で口論となり、男性が女性をハンマーで最低20回以上殴打し、女性は病院に運ばれた。


⑩ 3月6日、ラパス県エル・アルト市にて、ミニバス運転手協会のミニバスの車内から、女性が助けを求めているのを目撃した24歳の男性が、女性を助け出そうとしたところ、車内から4人の男が降りてきて殴る蹴るの暴行を受けた。しかし、同男性が警察に同ミニバスのナンバーを通報した結果、数時間後に警察が同ミニバスを発見し、無事女性を救出し、4人の男を逮捕した。

3.テロ・爆弾事件発生状況

特段問題なし。

4.誘拐・脅迫事件発生状況

特段問題なし。

5.日本企業の安全に係わる諸問題

特段問題なし。