海外安全対策情報(平成25年度第3四半期(平成25年10月~12月))

平成25年12月31日

1.社会・治安情勢

 社会問題に対するデモ行進、道路封鎖、ストライキ等の抗議行動がボリビア国内各地でほぼ毎日行われている。

 経済成長率が4.5%を超えた年は,ボーナスを2回分支払うという内容の最高政令1802号が11月に発布された結果、退職者等が自分たちにもボーナスを2回分支払うことを求め連日デモが発生。

 クリスマスから年始にかけては当地では出費が増加し、現金を持ち歩く人が増えるため、例年犯罪が増加する傾向にある。

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向

 首都ラパス市及び隣接するエル・アルト市においては、治安は悪化傾向にあり、特にエル・アルト市においては殺人事件が頻繁に発生している。

警察に対する不信感から、犯罪加害者に対する近隣の住民による集団リンチが増加傾向にある。


(2)邦人被害事案

① 10月6日、ラパス市内にて邦人旅行者が宿泊ホテルの前の路上で、女性に写真を撮ってほしいと声をかけられ、その直後に、警察と名乗るスーツ姿の男性が現れ、身分証のようなものを提示し、所持品検査をすると言って通りがかりの車に無理矢理乗せられた。車内では、まず声をかけてきた女性が検査を受け、次に邦人旅行者が検査を受け、検査終了後に邦人旅行者だけが車を降ろされた。不審に思った邦人旅行者が車に乗り込もうとしたところ、同女性が車内から鍵をかけ、車は走り去った。その後、所持品を確認したところ、デジタルカメラ及び携帯電話がなくなっていた。


② 12月27日、邦人旅行者が宿泊していたラパス市内のホテルの客室に財布を残してホテルの食堂に朝食を食べに行き、約30分後に客室に戻り、財布の中を確認したところ、現金200米ドルが抜き取られていた。


③ 9月5日、ラパス市内のサンフランシスコ寺院付近を邦人旅行者2名が歩いていたところ、知らぬ間に液状のチョコレートを服にかけられ、親切そうな女性が服をふいてあげると言って近づいてきた。不審に思った旅行者らが拒否したにもかかわらず、同女性が旅行者のうちの1名が首から提げていた小型バッグを強引に首から外し地面に置いた瞬間に、見知らぬ男性に同バッグを奪われた。


(3)邦人以外の被害事案

① 10月5日、ラパス県エル・アルト市内にて、21歳の男性が、少なくとも2回背中を刃物で刺され死亡した。近隣住民は若者のアルコール消費量の多さや警察官の不足が原因で同市の治安が悪化していると懸念している。


② 10月21日、顔や全身傷だらけのMSM党幹部の38歳の女性の死体が発見された。容疑者の男女が逮捕されたが、容疑者の1人は被害者の愛人であった。


③ 10月30日、サンタクルス県サンタクルス市にて、58歳と38歳の石工職人2人が、墓を冒涜したと勘違いした5人にリンチされ、手錠をかけられたうえ、撲殺された。国連人権委員会によれば、ボリビアでは相当数のリンチ殺人が発生しており、その多くは窃盗や殺人の疑いが原因である。


④ 11月1日、ラパス県エル・アルト市内にて、2人の男が車を強奪しようとしたところを、警戒中の警察に逮捕された。同人らには前科が複数あり、巨大犯罪組織のメンバーである。


⑤ 11月2日、サンタクルス県サンタクルス市にて、29歳のコロンビア人が銃殺された。目撃者によれば、赤色のバイクに乗った2人組がレストラン内にいた被害者に拳銃を発砲、被害者は即死した。警察は復讐が原因とみて捜査している。


⑥ 11月5日、ラパス県ソラタ市にて、30歳のピザ屋店主が自宅の玄関先でナイフで刺殺された。被害者の妻が近所に助けを求め、近所の住民達が犯人と思われる男性2名をリンチし、23歳の男性は絞殺され、20歳の男性は殴る、火を付けられる等の暴行を受けた。


⑦ 11月13日、ラパス県ラパス市にて、死後5日程度経過した17歳の少年の絞殺死体が発見された。少年は別の場所で殺害され、死体を隠すために発見場所に運ばれたとみられる。


⑧ 11月16日、ラパス県ラパス市にて、明け方に酔っ払って帰宅した妻と夫が喧嘩となり、夫が妻を銃殺した。


⑨ 11月17日の深夜、コチャバンバ県コチャバンバ市のバーにて、28歳の男性2人が、他の客2人と喧嘩になり、1人は銃殺され、1人は重傷を負った。


⑩ 11月28日、サンタクルス県サンタクルス市にて、40歳の男性作家が、嫉妬により28歳の恋人の頭を2度殴り、殺害した。警察によれば、ボリビアでは少なくとも2013年に82人の女性が恋人や元恋人等に殺害されている。


⑪ 11月31日、サンタクルス県サンタクルス市にて、35歳の男性が拳銃にて、乳幼児3人(4歳、3歳、8ヶ月)を殺害、2人の高齢者に重傷を負わせた。


⑫ 12月3日、ラパス県ラパス市にて、20歳の母親が19歳の愛人他と共謀し、1歳5ヶ月の息子の誘拐を自演し、2,500Bs(360 米ドル相当)の身代金を要求したが、息子は誤って殺害される結果となった。


⑬ 12月4日、ラパス県エル・アルト市にて、25歳のスクールバスの運転手が、最後にバスに残った13歳の女子生徒を10月から11月にかけ、3度性的暴行を加えたとして逮捕された。同人は女子生徒に父親や姉を殺すと脅迫し口封じしていた。

3.テロ・爆弾事件発生状況

特段問題なし。

4.誘拐・脅迫事件発生状況

特段問題なし。

5.日本企業の安全に係わる諸問題

特段問題なし。