館長挨拶

平成30年12月13日
古賀京子特命全権大使

ご挨拶

  2016年1月5日にボリビアに着任してから早くも3年が経とうとしています。これまでボリビア全9県を訪問しましたが,改めて,ボリビアの国民性,地理的条件,気候,文化の多様性を実感しました。一方で,どの地方でも共通しているのは,ボリビア人のホスピタリティーであり,私の訪問の際には常に温かく歓迎してもらいました。
 
  さて,2018年も二国間関係において様々な前進が見られました。9月には日本の外務副大臣としては初となる佐藤正久副大臣が来訪し,パリ外務大臣を初めとする政府要人との間で有益な会談が行われました。10月には,オリンピック背泳ぎ金メダリストの鈴木大地スポーツ庁長官が来訪して,モンターニョ・スポーツ大臣と会談し,ボリビア人陸上選手,水泳選手に助言しました。
 
  2018年の両国関係において特筆すべきこととしては,技術協力協定締結・青年海外協力隊派遣40周年があります。これまで1200名以上の青年海外協力隊員と1400名以上の専門家がボリビアに派遣され,6000名以上のボリビア人専門家がJICAの本邦研修に参加しました。こうした双方向の技術協力を通じて,両国の友好関係が促進されてきたことは間違いありません。無償資金協力に関しては,2018年8月,サンタクルス県オキナワ移住地の移住者の長年の悲願であった「オキナワ道路整備計画」の交換公文が署名され,9月に贈与契約が署名されました。同計画がボリビアの交通・物流ネットワークの改善に資することを期待します。有償資金協力についても,本年9月,「ラグナ・コロラダ地熱発電所建設計画」の借款契約が発効しました。同計画は600億円以上の南米最大の円借款であり,ボリビア政府の「南米のエネルギー・センター」を目指すとの目標に資するものです。
 
  文化分野では,日本映画際,日本庭園における「お祭り」への参加,ボリビア法務省主催による「Septiembre Joven」への参加,武道デモストレーション,バイオリニスト五島龍氏のコンサート等を行いました。特に,10月のボリビア経済・財政省主催「Culturas en las Alturas」では,ミネラ・サンクリストバル社の協力を得て,日本スタンドを出展し,最も優れたスタンドとして表彰されました。
 
  最後に,2019年は日本人ボリビア移住120周年を迎えます。年間を通じ,サンタクルス市における記念式典を始め,様々な記念事業が実施される予定です。当館は,各地の日系人団体と協力し,移住史展を各地で開催する計画を進めていますが,来年1月9~18日にラパス市文化センターで第一回展示会を実施する予定であり,皆様の御来場を歓迎します。2月下旬にはラパス市で雅楽,3月には和太鼓,三味線の公演が予定されています。ここにおられる皆様,日本人移住者・日系人,そしてボリビア国民の方々と共に,120周年を盛大に祝賀したいと思います。 

 

2018年12月
駐ボリビア多民族国駐箚特命全権大使
古賀 京子

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