ボリビア内政・外交(2020年9月)
令和2年9月21日
1 概況
(1)8月31日発出の公共事業・サービス・住宅省の声明に基づき,9月1日から一部の国際線運行が再開された。
(2)1日,ラパス県地方裁判所においてモラレス前大統領の上院議員の立候補資格が再協議され,7日,当該資格は否定された。
(3)17日,アニェス暫定大統領は,各種SNSの自身のアカウントにおいて,大統領選への立候補辞退を表明するビデオを投稿した。
(2)1日,ラパス県地方裁判所においてモラレス前大統領の上院議員の立候補資格が再協議され,7日,当該資格は否定された。
(3)17日,アニェス暫定大統領は,各種SNSの自身のアカウントにおいて,大統領選への立候補辞退を表明するビデオを投稿した。
2 内政
(1)世論調査
ア 9月6日,Ciesmori社は8月26日~9月3日にボリビア9県の都市部及び地方の2,343名を対象に実施した世論調査結果を公表したところ,同概要次のとおり。(ア)「誰に投票するか」に対する回答
アルセ元経済・財務大臣(MAS党):26.2%
メサ元大統領(政党連合「市民共同体」(CC)):17.1%
アニェス暫定大統領(政党連合「フントス」):10.4%
カマチョ前サンタクルス市民委員会委員長(政党連合「私たちは信じる」):6.9%
チ候補(FPV党):3.3%
キロガ元大統領(政党連合「自由と民主主義」):2.5%
クルス候補(ADN):1%
ママニ候補(PAN-BOL党):0.6%
無回答ほか:32%
(イ)決選投票がある場合どちらに投票するか。
大統領選決選投票がある場合
メサ元大統領とアルセ元経済・財務大臣
メサ元大統領:40.1%
アルセ元経済・財務大臣:35%
どちらにも投票しない・無効票:11.6%
無回答・未定・わからない:13.3%
アニェス暫定大統領とアルセ元経済・財務大臣
アルセ元経済・財務大臣:38.9%
アニェス暫定大統領:33.9%
どちらにも投票しない・無効票:12.4%
無回答・未定・わからない:14.9%
メサ元大統領とアニェス暫定大統領
メサ元大統領:35.9%
アニェス暫定大統領:23.1%
どちらにも投票しない・無効票:28.4%
無回答・未定・わからない:12.5%
イ 15日,パヒナ・シエテ紙は,Mercados y Muestras 社が9月5日~11日にボリビア9県の都市部及び地方の1,100名を対象に実施した世論調査結果を報道したところ,同概要次のとおり。
(ア)アニェス暫定大統領に対する評価
「アニェス政権をどう評価するか」に対する回答
良いまたは非常に良い:27%(2月:39%,7月:33%, 8月:29%)
普通:20%(2月:30%,7月:20%, 8月:19%)
悪い又は非常に悪い:51%(2月:29%,7月:44%, 8月:49%)
「アニェス暫定大統領は立候補を辞退すべきだと考えるか」に対する回答
はい:80%
いいえ:15%
わからない・無回答:5%
(イ)「誰に投票するか」に対する回答
アルセ元経済・財務大臣(MAS党):25%
メサ元大統領(政党連合「市民共同体」(CC)):22%
無回答・未定:21%
誰にも投票しない・白票・無効票:11%
カマチョ前サンタクルス市民委員会委員長(政党連合「私たちは信じる」(Creemos)):8%
アニェス暫定大統領(政党連合「フントス」(Juntos)):8%
チ候補(FPV党):2%
キロガ元大統領(政党連合「自由と民主主義」):2%
ママニ候補(PAN-BOL党):0%
バヤ候補(ADN党):0%
ウ 9月16日に発表された「Tu Voto Cuenta」発表の世論調査結果
(ア)「誰に投票するか」
アルセ元経済・財務大臣:29.2%
メサ元大統領:19.0%
無効票:10.6%
カマチョ前サンタクルス市民委員会委員長:10.4%
無回答・未定:9.8%
アニェス暫定大統領:7.7%
白票: 7.1%
チ候補:3.2%
キロガ元大統領:2.0%
バヤ候補:0.6%
ママニ候補:0.4%(2月:0%,7月:0%, 8月:1%)
エ 9月30日,当地テレビ局UnitelはCiesmori社が9月20~29日,ボリビア9県の都市部及び地方496地域の2,401名を対象に実施した世論調査結果を公表したところ,同概要次の通り。
(ア)誰に投票するか
アルセ元経済・財務大臣(MAS党):30.6%
メサ元大統領(政党連合「市民共同体」(CC)):24.7%
わからない:13.3%
カマチョ前サンタクルス市民委員会委員長(政党連合「私たちは信じる」(Creemos)):12.7%
秘密:8.4%
白票:4.3%
チ候補(FPV党):2.5%
無効票:1.5%
キロガ元大統領(政党連合「自由と民主主義」):1.2%
ママニ候補(PAN-BOL党):0.5%
バヤ候補(ADN党):0.3%
(2)新型コロナウイルス関係
8月31日発出の公共事業・サービス・住宅省の声明に基づき,9月1日から一部の国際線運行が再開された。
(3)総選挙関連
ア 1日,ラパス県地方裁判所においてモラレス前大統領の上院議員の立候補資格が再協議され,7日,当該資格は否定された。イ 17日20:00頃,アニェス暫定大統領は,各種SNSの自身のアカウントにおいて,大統領選への立候補辞退を表明するビデオを投稿した。
ウ 18日,タリハ県カラパリ地区におけるMAS党の選挙キャンペーンで,電話を通して招待されたモラレス前大統領は,選挙において自分(モラレス前大統領)は裏切られることがないと感じており,MAS党が勝利したら翌日にでも帰国すると発言した。アルセ元経済・財務大臣(MAS党大統領候補)は右発言に関し,全ての国民は自国に帰国する権利を有すると発言した。
エ 21日,チョケワンカ元外務大臣(MAS党副大統領候補)は,MAS党は党内の大きな変化を要しており,MAS党が勝利した場合,以前の大臣が再び政府高官につくべきではないと発言した。
オ 26日,ラパス県地方裁判所第2憲法委員会は,ゴンサレスUD党議員によるアルセ元大臣(MAS党)による選挙法違反の疑いを理由としたMAS党の立候補資格の否認を要求する訴えを受理した。10月5日,同告訴に関する審議が行われる予定。
(4)アニェス政権の動向
ア 9月15日,憲法裁判所(TCP)は,行政府による事前の違憲性審議(Consulta previa de constitucionalidad)の要求に対し,行政府は同審議を要求する権利がないとして本件を棄却した。イ 28日,オルティス経済・財務大臣が辞任するとの報道が一部あったところ,9月28日,同大臣は,自身は辞任を表明していないが,既に行政府が後任を指名した旨発言した。同日,8月5日に開発企画大臣に任命されたマリンコビク大臣が横滑りで経済・財務大臣に任命された。
同日,メルカド労働・雇用・社会保障大臣及びマルティネス生産開発大臣が辞任した。
同日,キロガ開発企画省VIPFE次官が持ち上がりで開発企画大臣に任命された。
同日,テヘリーナ雇用次官が持ち上がりで労働・雇用・社会保障大臣に任命された。
29日,グスマン国内商業次官が持ち上がりで生産開発大臣に任命された。
(5)その他
9月17日,国民保護庁は,「国家の危機~2019年10月から12月にかけてのボリビアにおける人権侵害」と題する報告書を公表し,サカバ地区(コチャバンバ)及びセンカタ地区(ラパス)において「虐殺」が起き,アニェス政権は人権侵害の罪を犯した旨記述した。3 外交
(1)9月15日,新たに着任したフィリップス(Mr. Charisse Phillips)米大臨大は,アニェス暫定大統領と会談し,両国間の全ての分野における関係強化の意志を示した。同日,ロンガリク外務大臣は,数か月で両国内の外交関係は修復され,米大使の派遣がホワイトハウスで決定されるであろうと発言した。
(2)24日,国連人権高等弁務事務所(UNHCR)が「2019年10月20日ボリビア総選挙後の人権の状況」と題する報告書((URL:https://www.ohchr.org/Documents/Countries/BO/OACNUDH-Informe-Bolivia-SP.pdf))を公表し,右報告書のボリビアにおける2019年10~11月の喧噪等への言及をめぐり,亜及びボリビア政府間で攻防があった。
(2)24日,国連人権高等弁務事務所(UNHCR)が「2019年10月20日ボリビア総選挙後の人権の状況」と題する報告書((URL:https://www.ohchr.org/Documents/Countries/BO/OACNUDH-Informe-Bolivia-SP.pdf))を公表し,右報告書のボリビアにおける2019年10~11月の喧噪等への言及をめぐり,亜及びボリビア政府間で攻防があった。