ボリビア内政・外交(2020年7月)

令和2年7月20日

1 概況

(1)23日,ロメロTSE長官は記者会見において,総選挙第一回投票を9月6日から10月18日に,決選投票が実施される場合は11月29日に,当選者の就任を12月にそれぞれ延期すると発表した。

(2)7月中,10名の閣僚の新型コロナウイルス感染が確認された。

2 内政

(1)世論調査結果

ア 8日,CELAGは,6月13日~7月3日に都市部及び地方在住の2,000名を対象に実施した世論調査の結果を公表したところ,右概要以下の通り。
(ア)政府のCOVID-19対策を如何に評価するか。
非常に良い:2.1%
良い:9.6%
どちらかといえば良い:27%
どちらかといえば悪い:18.4%
悪い:18.8%
非常に悪い:22.6%
 
(イ)総選挙でいずれの候補に投票するか(無回答・白票を除く)
アルセ元経済・財務大臣:41.9%
メサ元大統領:26.8%
アニェス暫定大統領:13.3%
カマチョ前サンタクルス市民委員会委員長:9.1%
チ候補:4.5%
キロガ元大統領:4.4%
 
イ 11~18日,Mercado y Muestras社が9県都市部及びエルアルト市の2,000名を対象に実施した世論調査の結果の概要は以下の通り。
(ア)アニェス暫定政権をどう評価するか。
よい:33%
普通:20%
悪い:44%
(イ)アニェス暫定政権はモラレス前政権に比べて汚職はどうなったか。
増えた:33%
減った:26%
変わらない:35%
無回答・わからない:5%
(ウ)誰に投票するか。
アルセ元経済・財務大臣:24%
無回答・未定:20%
メサ元大統領:20%
アニェス暫定大統領:16%
誰にも投票しない・白票・無効票:10%
カマチョ前サンタクルス市民委員会委員長:5%
チ候補:3%
キロガ元大統領:3%
ママニ候補:0%
(エ)どちらに投票するか。
メサ元大統領とアルセ元経済・財務大臣
メサ元大統領:47%
アルセ元経済・財務大臣:34%
どちらにも投票しない:10%
無回答・未定・わからない:10%
アニェス暫定大統領とアルセ元経済・財務大臣
アニェス暫定大統領:42%
アルセ元経済・財務大臣:37%
どちらにも投票しない:13%
無回答・未定・わからない:9%


(2)新型コロナウイルス関連

7月中,以下の閣僚の感染が確認された。
コインブラ法務大臣(回復済)
ヌニェス大統領府大臣(2日感染判明)
オロペサ鉱業・冶金大臣(4日感染判明)
ロカ保健大臣(5日感染判明)
アニェス暫定大統領(9日感染判明)
オルティス経済・財務大臣(12日感染判明)
ロンガリク外務大臣(13日感染判明)
サモラ炭化水素大臣(14日感染判明)
マルティネス生産開発大臣(17日感染判明)
カルデナス教育大臣(29日感染判明)

(3)アニェス政権の動向

ア 7日,アニェス暫定大統領は,パラダ経済・財務大臣に代わりオルティス生産開発・複合経済大臣を新経済・財務大臣に任命し,マルティネス氏を新生産開発・複合経済大臣に任命した。

(4)総選挙日程の再延期

23日,ロメロTSE長官は記者会見において,総選挙第一回投票を9月6日から10月18日に,決選投票が実施される場合は11月29日に,当選者の就任を12月にそれぞれ延期すると発表した。

(5)MAS党の法人格を巡る闘争

ア 15日のアルセ元経済・財務大臣の選挙法違反の疑義を理由に,20日,三つの政党連合が最高選挙裁判所(TSE)に対し,右違反を告訴し,2020年総選挙におけるMAS党の法人格剥奪を要求。
イ 21日,最高選挙裁判所は,アルセ元経済・財務大臣の選挙法違反に対する告訴を受理した。
ウ MAS党は,15日,選挙法第136条の適用の違憲性を最高選挙裁判所に訴え,20日,同条の違憲審査を憲法裁判所に要求した。

 

3 外交

7日,サンダース議員をはじめとする8名の米上院議員は,ポンペオ国務長官に対してアニェス政権を批判する書簡を発出した。8日,在米ボリビア大使はボリビア政治を米国選挙に利用していると批判する旨の書簡を発出した。10日,ムリージョ内務大臣は,モラレス政権下における同議員の対応を問う書簡を発出した。