2020年5月 ボリビア経済情勢
令和2年5月20日
1 マクロ経済
(1)固定為替相場性の維持(31日付報道)
ボリビア中央銀行発表の2020年金融計画によれば,ボリビアは固定為替相場制を維持し続ける見込み。また同計画では,暫定政権がインフレ率の安定を図るために尽力する旨述べた。(2)Moody’s社によるGDP予想値(29日付報道)
26日,アメリカMoody’s社は,ボリビア経済に関する分析を報告した。同報告によれば,GDP成長率はマイナス3.5%,財政赤字は13%に達する見込み。2 天然資源
(1)炭化水素輸出(31日付報道)
国立統計局(INE)によれば,パンデミックの影響でブラジルのガス需要が低下したことにより,1月から4月のボリビアの天然ガス収益は,前年度と比して8.3%減少し,74億万ドルとなった。一方,ガソリンとディーゼルの輸入は前年度の4月と比して62%減少し,19億ドルとなっている。
(2)鉱物資源輸出(27日付報道)
ボリビア貿易局(IBCE)によれば,1月から3月の鉱物資源輸出は,前年度の同時期と比して3%上昇し,9億7,000万ドルに達した。主要な輸出品目は,金,鉛,銀などで,総輸出額の86%を占める。主な輸出先は,アラブ首長国連邦(20%),インド(17%),日本(17%)となっている。3 その他
(1)ローン支払いの延期(29日付報道)
28日,ボリビア政府は,ローン支払い延期のための最高政令第4248号 を発出した。同最高政令により,ローンの支払いは同年8月まで猶予される。(2)ボリビア経済の見通し(15日付け報道)
フンベルト・ラダ,ボリビア中規模鉱山連盟(Asociación Nacional de Mineros Medianos de Bolivia)前総裁によれば,ボリビアの炭化水素資源は枯渇のフェーズにあり,リチウム開発に注力しなければ,2025年のボリビア経済が困難な状況に直面すると述べた。同前総裁は,リチウムイオンバッテリーの生産に至るまで,リチウム開発を産業化するべきであり,ボリビアへの投資に関心がある外国企業を探すべきであると指摘している。