ボリビア内政・外交(2020年1月)
令和2年2月5日
(1)6日,総選挙に関する日程が公表され,一回目投票は5月3日に実施されることとなった(決選投票が実施される場合,6月14日)。
(2)12日,モラレス前大統領は,ベネズエラのように市民により形成されるパラミリタリーを結成すべきであるとツイートし,国内外から非難を受けた。
(3)19日,ブエノスアイレスで開催されたMAS党大会において,アルセ前経済・財政大臣が大統領候補,チョケワンカ元外務大臣が副大統領候補に選出された。
(4)21日,国会においてモラレス前大統領及びガルシアリネラ前副大統領の辞表が受理された。
(5)24日,アニェス暫定大統領は大統領選挙への立候補を表明した。
(6)24日,最高選挙裁判所(TSE)に,五つの政党連合が登録された。
(7)24日,ボリビア外務省はキューバとの外交関係を停止することを公表した。
(8)26日,米政府はボリビア支援の再開を決定した。
(2)12日,モラレス前大統領は,ベネズエラのように市民により形成されるパラミリタリーを結成すべきであるとツイートし,国内外から非難を受けた。
(3)19日,ブエノスアイレスで開催されたMAS党大会において,アルセ前経済・財政大臣が大統領候補,チョケワンカ元外務大臣が副大統領候補に選出された。
(4)21日,国会においてモラレス前大統領及びガルシアリネラ前副大統領の辞表が受理された。
(5)24日,アニェス暫定大統領は大統領選挙への立候補を表明した。
(6)24日,最高選挙裁判所(TSE)に,五つの政党連合が登録された。
(7)24日,ボリビア外務省はキューバとの外交関係を停止することを公表した。
(8)26日,米政府はボリビア支援の再開を決定した。
2 内政
(1)世論調査
ア 9日~13日(注:MAS候補の公表及びアニェス暫定大統領の立候補表明の前),Mercados y Muestras社が都市部及び地方の有権者を対象に実施した世論調査の結果は以下のとおり。(ア)どの大統領候補に投票するか
MAS党候補:26%
カマチョ前サンタクルス市民委員会委員長:17%
メサ元大統領17%
アニェス暫定大統領:12%
未定:9%
無回答・白票:8%
チ候補:6%
キロガ元大統領:3%
パチ・ラパス県知事:1%
メディーナ国民統一党(UN)党首:1%
(2)アニェス暫定政権の動向
ア 8日,ムリージョ内務大臣はインターポールに対し,モラレス前大統領に対する「国際手配書(赤)」の発出を申請した。イ 10日,12月5日以降に協議されていた「憲法上の権利の完全な行使を保証する法案」は,「人権遵守法案」に名称変更され,上院で採択された。反MAS政党は合意違反と主張したが,コパ上院議長(MAS)は,仮にアニェス暫定大統領が公布を拒否する場合,規定に則り,自身が公布すると述べた。
ウ 同日,ロンガリク外務大臣は新たに2名の外務次官を任命した。
エ 12日,モラレス前大統領は,ベネズエラのように市民により形成されるパラミリタリーを結成すべきであるとツイートし,国内外から批判を受けた。13日,ロンガリク外務大臣は亜政府に対し,モラレス前大統領のパラミリタリー結成に関する発言を否認すべき旨のレターを発出した。
オ 14日,ロメロ前内務大臣が汚職の疑いで拘禁された。
カ 15日,憲法裁判所は全会一致で,アニェス暫定大統領,上院・下院議員並びに県知事,市長及び地方議員の任期延長を認める判決を発出した。右の任期延長に関する法案は,同日に上院で,17日に下院で採択され,18日に公布された。
キ 21日,国会においてモラレス前大統領及びガルシアリネラ前副大統領の辞表が受理された。
ク 22日,多民族国家記念日にアニェス暫定大統領が演説を行った。
同日,モラレス前大統領はブエノスアイレスにおいて演説を行った。
ケ 26日,アニェス暫定大統領は全ての閣僚の辞任を要請した。27日,ヌニェス大統領府大臣は記者会見において,今次内閣改造は,公務と選挙活動を区別できる者を確認することを目的とする旨述べた。
コ 28日,アニェス暫定大統領は内閣改造を行い,ビクトル・ウゴ・カルデナス教育大臣,イサベル・フェルナンデス通信大臣,エリアネ・カポビアンコ農村開発・土地大臣を任命した(他の大臣は据置き)。
(3)選挙を巡る動向
ア 9日,USAID,国務省民主主義・人権・労働局等の職員8名で構成される米国支援調査団が10日間の日程で来訪し,選挙プロセス支援のニーズ調査のため,アニェス暫定政権,最高選挙裁判所等と協議した。イ 9日,キロガ元大統領は大統領候補に立候補した。
ウ 11日,MAS全国大会が開催され,チョケワンカ元外相を大統領候補,ロドリゲス・チャパレ地方コカ栽培6団体連盟副議長を副大統領候補とする意見が大勢を占めた。
エ 19日,ブエノスアイレスで開催されたMAS党大会において,アルセ前経済・財政大臣が大統領候補,チョケワンカ元外務大臣が副大統領候補に選出された。MASの支持母体である,ラパス・エルアルト社会団体連合,トゥパクカタリ連合,バルトリーナ・シサ東部先住民農民女性全国連合(CNMCIOB-BS),ポトシ北部組合,有識者グループ等が反対し,モラレス前大統領に対して再考を求めた。
オ 22日,ヌニェス大統領府大臣,ムリージョ内務大臣,コインブラ法務大臣,グスマン・エネルギー大臣等は,アニェス暫定大統領が大統領候補となるべき旨の発言又は発信を行った。
24日,アニェス暫定大統領は大統領選挙への立候補を表明した。右を受けて26日,リサラガ通信大臣は辞任した。
カ 24日,最高選挙裁判所(TSE)に,以下の五つの政党連合が登録された。なお,メディーナ国民統一党(UN)党首は政党連合を組まない旨発表した。
(ア)「自由と民主主義」(Libertad y Democracia (Libre 21))
「革命民族運動党」(MNR,党首:ルイス・エドゥアルド・シレス)及び「主権運動党」(Movimiento para la Soberania(MPS),ラパス県地方政党,党首:ビルカ元MAS上院議員)の連合。大統領候補はキロガ元大統領,副大統領候補は未発表
(イ)「私たちは信じる」(Creemos)
「連帯市民統一党」(Unidad Civica Solidaria(UCS)),「キリスト教民主党」(PDC),「変化のための民主的市民グループ」(サンタクルス県地方政党),「民主・民族主義行動党」(Accion Democratica Nacionalista(AND),サンタクルス県地方政党),「先住民民衆運動党」(Movimiento Originario Popular(MOP),サンタクルス地方政党)及びその他の地方政党。大統領候補はカマチョ前サンタクルス市民委員会委員長,副大統領候補はプマリ前ポトシ市民委員会委員長
(ウ)「フントス」(Juntos)
「社会民主運動党」((MDS),党首:コスタス・サンタクルス県知事),「主権と自由党」(SOL.bo,党首:レビージャ・ラパス市長),「革新のための団結党」(Unidos para Renovar(UNIR),タリハ県地方政党,党首:ウゴ炭化水素大臣)及び「Todos」(タリハ県地方政党,党首:オリバ・タリハ県知事)の連合。大統領候補はアニェス暫定大統領,副大統領候補は未発表だが,レビージャ・ラパス市長が有力
(エ)「市民共同体」(Comunidad Ciudadana(CC))
「左派革命戦線党」(FRI),「Jesuca」(スクレ県地方政党),「Chuquisaca Somos Todos(CST)」(チュキサカ県地方政党)の連合。大統領候補はメサ元大統領,副大統領候補は未発表(注:2019年10月選挙においてCCが連合を組んだUNIR,SOL.bo及びTodosは上記(ウ)の「フントス」に合流した。)
(オ)「団結した国民」(Pueblo Unido)
「キリスト教民主党(PDC)」及び「サンフェリペ市民運動」(オルロ県地方政党)の連合。大統領候補及び副大統領候補は未発表
(4)選挙日程
6日,TSEは,本年5月3日に実施予定の総選挙に関する日程を発表したところ,主な日程は以下のとおり。決選投票が行われる場合は6月14日に実施される。ア 一回目投票
1月5日:総選挙の公示及び総選挙関連日程の採択
1月6日:総選挙関連日程の公表
1月18~26日:国内外における選挙人(18歳以上)登録
1月24日:政党連合の提出期限・政権構想の提出期限
2月2~3日:大統領立候補者及び政党連合の登録期限
2月3日~4月29日:選挙キャンペーンの実施可能期間(メディアにおける選挙キャンペーン実施可能期間は4月3~29日)
2月4日~4月26日:選挙関連の世論調査の実施可能期間
2月21~23日:立候補資格を満たす候補者リストの公表
3月17~18日:立候補辞退の通報
3月20日~4月30日:立候補者の差し替え
4月3日:選挙監視員の選定(当館注:選挙監視員は一般市民の中から抽選で選定され,投票所で各種対応を行う。)
5月2日:立候補者リスト最終版の公表
5月3日:総選挙一回目投票
同日20:00以降:出口調査又はクイックカウントによる暫定集計結果の公表
5月3~8日:公式票集計結果の公表
5月17日:無効とされた投票所における再投票
5月26日:最終集計結果の公表
イ 決選投票がない場合
5月28日:TSEが当選者に信任状を手交
5月29日~6月12日:当選者の就任(大統領就任式含む)
ウ 決選投票がある場合
6月14日:決選投票
同日20:00以降:出口調査又はクイックカウントによる暫定集計結果の公表
6月14~19日:公式票集計結果の公表
6月28日:無効とされた投票所における再投票
7月6日:最終集計結果の公表
7月7日:TSEが当選者に信任状を手交
7月8日~22日:当選者の就任(大統領就任式含む)
(1)1日,ボリビア政府は,ロドリゲス外務次官を駐西ボリビア大使館臨代に任命することを公表した。
(2)12月27日に覆面マスクを被り武器を携行した4名の西大使館警備担当官が乗車する西大使館ナンバーの車両二台が同公邸に進入しようとした後,外交的緊張が高まっていたが,3日,墨政府は,新たな駐ボリビア墨大使館臨代として,45年以上の経歴を有するフォント大使を派遣することを公表した。
(3)6日,米政府は対ボリビア支援の再開を決定した。
(4)8日,ムリージョ内務大臣は,麻薬対策で利用しているヘリコプターが故障しているため,米国にはこれら機材の修理費を支援してもらいたい,麻薬対策強化のためにEUからも支援を受ける予定であると述べた。
(5)10日,大統領府においてアニェス暫定大統領に対する外交団の新年挨拶が行われ,本使が外交団代表挨拶を行った。
(6)20日,ロンガリク外務大臣はポンペオ米国務長官と会合した。
(7)21日,アニェス暫定大統領はヘイル米国務次官と会合した。
(8)23日,ロンガリク外務大臣はワシントンにおけるOAS常任理事会会合に出席した。
(9)22日,ロドリゲス・キューバ外相は,アニェス暫定大統領が多民族国家記念日の演説において,キューバ人の医師が前モラレス政権から1億4700万米ドルを受け取っていた等と公表し,批判したことに対抗し,アニェス暫定大統領を「うそつき」,「クーデターの首謀者」,「自身で宣言した大統領」等と誹謗した。
(10)24日,ボリビア外務省はキューバとの外交関係を停止することを公表した。
(2)12月27日に覆面マスクを被り武器を携行した4名の西大使館警備担当官が乗車する西大使館ナンバーの車両二台が同公邸に進入しようとした後,外交的緊張が高まっていたが,3日,墨政府は,新たな駐ボリビア墨大使館臨代として,45年以上の経歴を有するフォント大使を派遣することを公表した。
(3)6日,米政府は対ボリビア支援の再開を決定した。
(4)8日,ムリージョ内務大臣は,麻薬対策で利用しているヘリコプターが故障しているため,米国にはこれら機材の修理費を支援してもらいたい,麻薬対策強化のためにEUからも支援を受ける予定であると述べた。
(5)10日,大統領府においてアニェス暫定大統領に対する外交団の新年挨拶が行われ,本使が外交団代表挨拶を行った。
(6)20日,ロンガリク外務大臣はポンペオ米国務長官と会合した。
(7)21日,アニェス暫定大統領はヘイル米国務次官と会合した。
(8)23日,ロンガリク外務大臣はワシントンにおけるOAS常任理事会会合に出席した。
(9)22日,ロドリゲス・キューバ外相は,アニェス暫定大統領が多民族国家記念日の演説において,キューバ人の医師が前モラレス政権から1億4700万米ドルを受け取っていた等と公表し,批判したことに対抗し,アニェス暫定大統領を「うそつき」,「クーデターの首謀者」,「自身で宣言した大統領」等と誹謗した。
(10)24日,ボリビア外務省はキューバとの外交関係を停止することを公表した。
(了)