ボリビア内政・外交(2019年7月)
令和元年8月5日
1 概況
(1)内政
ア 19日,10月に予定される大統領選挙・国会議員選挙に関し,各政党の政権構想が最高選挙裁判所に提出された。イ 30日,アルパコマごみ処理場の決壊に係る責任について,レビージャ・ラパス市長を訴追する裁判が開始された。
(2)外交
ア 1日,モラレス大統領は,パナマを訪問し,コルティソ大統領の就任式に出席した。イ 10日,モラレス大統領はスリナムを公式訪問し,ボータッセ・スリナム大統領と首脳会談を行った。
ウ 11日,モラレス大統領は露を訪問し,プーチン露大統領と首脳会談を行った。
エ 15~20日,眞子内親王殿下は,日本人ボリビア移住120周年を祝賀されるため,ボリビアを御訪問された。
オ 23日,サンタクルス市を訪問中のザリーフ・イラン外務大臣はモラレス大統領と会合した。
2 内政
(1)
19日,10月に予定される大統領選挙・国会議員選挙に関し,各政党の政権構想が最高選挙裁判所に提出された。また,同日,各政党は国会議員選挙立候補者リストを最高裁判所に提出した。(2)
Cies Mori社が12~18日に実施した大統領選挙に関する世論調査の結果は以下のとおり。同調査は,全国都市部及び地方において2,015名を対象に実施された。ア 大統領選挙における投票態度
モラレス大統領:37%
メサ元大統領:26%
オルティス社会民主運動(MDS)党上院議員:9%
カルデナス元副大統領:3%
その他候補:4%
白紙・無効:12%
未定・未回答:9%
イ 2名による決選投票における投票態度
モラレス大統領はメサ元大統領より2%多い支持率であった。
(3)
30日,アルパコマごみ処理場の決壊に係る責任について,レビージャ・ラパス市長を訴追する裁判が開始された。(4)
30日,外務省及び国家警察は,外国在住のボリビア人が各公館及び領事館において警察記録証明書を取得することを可能とする合意文書に署名した。亜,西,伯,米において開始される予定。3 外交
(1)二国間関係
ア 1日,モラレス大統領は,パナマを訪問し,コルティソ大統領の就任式に出席し, 前日にはコルティソ新大統領と会合した。イ 10日,ボリビアの大統領として初めてモラレス大統領はスリナムを公式訪問し,ボータッセ・スリナム大統領と首脳会談を行い,共同宣言,一般・外交・公用旅券の査証免除協定及び政策対話の設置に関する覚書が署名された。
ウ 11日,モラレス大統領はパリ外務大臣と共に露を訪問し,プーチン露大統領との首脳会談が行われ,エネルギー,治安,原子力安全,リチウム開発事業等8件の文書が署名された。
エ 15~20日,眞子内親王殿下は,日本人ボリビア移住120周年を祝賀するため,ボリビア政府の招待により,ボリビアを御訪問し, 15日にモラレス大統領を表敬され,17日の120周年記念式典にガルシア・リネラ大統領代行等と共に御出席された。
オ 19日,ルビンスライン亜保健大臣が来訪し,モンターニョ保健大臣との間で,ボリビアの国民皆保険をアルゼンチン国民にも適用し,公的保健機関における診療を無料にすること,また,感染症モニタリング情報を交換すること,さらに,国境地域における保健機関の統合に関する合意文書に署名した。
カ 23日,サンタクルス市を訪問中のザリーフ・イラン外務大臣はモラレス大統領と会合した。同日,パリ外相とザリーフ外相は,科学技術の移転,国軍工科大学におけるナノテクノロジーの博士課程開設による人材育成及びナノテクノロジー研究所設置に関する覚書に署名した。
キ 24~26日,オライリー米国務省西半球担当次官補がボリビアに来訪し,25日,パリ外務大臣と会合した。26日,同次官補は,「ボリビアの将来を決定する上で,民主的で透明性があり,不干渉のプロセスを通じ,ボリビア国民の主権を尊重する。米国は特定の候補者や政党を支持しない。新たに選出される政府と強固な関係を構築する」と述べた。
(2)多国間関係
ア 5日,ホンジュラス,ニカラグア,アンティグア・バーブーダ,アルバニア,エジプトはボリビア政府に対し,一般旅券の査証免除協定の交渉開始を要請した。イ 17日,モラレス大統領及びパリ外務大臣は,亜で開催されたメルコスール首脳会合に出席した。
(了)