ボリビア内政・外交(2019年6月)

令和元年7月5日

1 概況

(1)内政

 13日,キリスト教民主党(PDC)から大統領候補として立候補していたパス・サモラ元大統領は,最高選挙裁判所に対し立候補の取下げを申し立てた。
 

(2)外交

ア 12~13日,ラパス市で第1回ボリビア・パラグアイ合同閣議が開催され,16の政府間合意文書及び6の企業間合意文書が署名された。
 26日,ペルーのイロ市で第5回ボリビア・ペルー合同閣議が開催され,12の文書が署名された。

2 内政

(1)

 4日,モラレス大統領,ガルシア・リネラ副大統領及びその他の閣僚は,変革のための国家調整委員会(CONALCAM)代表と会合した。モラレス大統領は,6月17日から上院及び下院議員候補の選定を開始する,また,8月2日にサンタクルスでMAS党の集会を実施すると述べた。
 

(2)

 10日,反政府市民団体は,最高裁判所判事の辞任及び2016年の国民投票の結果の尊重を求め,エルアルト市からラパス市の最高選挙裁判所まで抗議行進を行った。
 

(3)

 13日,キリスト教民主党(PDC)から大統領候補として立候補していたパス・サモラ元大統領は,最高選挙裁判所に対し立候補の取下げを申し立てた。同元大統領は,PDCからの立候補は取り下げるが政治活動は継続すること,また,国民投票の結果を擁護するために他の候補や政党と協力する意向であると述べた。
 

(4)

 21日付現地紙によると,5月に選挙裁判所の全国通信情報技術局の職員2名が同局を辞め,2018年末から現時点まで同裁判所職員の辞職者数は合計37名となった。
 

(5)

 27日,メサ元大統領(市民共同体)は,自党から出馬する各県の上院第一候補は全て女性とすることを発表した。

3 外交

(1)二国間関係

 1日,モラレス大統領はエルサルバドルを訪問し,ブケレ大統領の就任式に出席した。
 12~13日,ラパス市で第1回ボリビア・パラグアイ合同閣議が開催された。12日,環境,水資源,治安・国防,経済貿易統合,社会政策及び機構間協力の強化,国境地帯のインフラ及び統合に関する16の合意文書が署名された。
 21日,シララ水源問題に関し,国際司法裁判所(ICJ)は,チリのボリビアに対する再抗弁書の提出期限を本年9月18日に延長することを許可した。
 26日,ペルーのイロ市で第5回ボリビア・ペルー合同閣議が開催され,エネルギー,治安,統合,環境等の分野における12の文書が署名され,また,49項目からなる「イロ宣言」が署名された。同閣議において,本年中に,デスアグアデロ市及び国境付近において,家庭用ガスの供給網の構築事業が開始されることが決定された。また,ボリビア石油公社(YPFB)単独又は合弁会社により,ペルー南部の住民向けに液化石油ガスの産業化事業を実施する意思が示された。
 

(2)多国間関係

 28日,モラレス大統領は自身のツイッターにおいて,EUとメルコスールの自由貿易協定交渉の妥結を歓迎し,「国民の利益のため,補完性と連帯性に基づき共働することは重要である」と述べた。
(了)