ボリビア内政・外交(2019年3月)
平成31年4月5日
1 概況
(1)内政
ア 29日,チョケ最高選挙裁判所長官は,大統領選挙及び総選挙が2019年10月20日に実施される予定と発表した。(2)外交
ア 2日,モラレス大統領は,オルロ市を訪問したベニテス・パラグアイ大統領と会談し,両大統領は,文化・経済・エネルギー関係,両国に裨益するインフラ整備の推進等を含む共同宣言に署名したイ 14日,モラレス大統領は,オーストリアのウィーンで開催された国連麻薬委員会第62回総会に出席した。
ウ 15日,モラレス大統領はギリシャを訪問し,チプラス首相と貿易,文化,技術移転に関する協力について会談した。
2 内政
(1)
3日,モラレス大統領はコチャバンバ県ビジャトゥナリ市で実施された公式行事において,変革プロセスを継続できる新リーダーになりうる人物として,カネラス通信大臣,サルバティエラ上院議長,バルダ上院議員及びロドリゲス・コチャバンバ県コカ葉栽培者連合副会長を挙げた。(2)
7日,ガルシア・リネラ副大統領はハーグで法律専門家チームとシララ水源問題ICJ裁判に関する会合を行った。(3)
23日,モラレス大統領は「海の日」の記念式典において,ボリビア政府は太平洋への主権的アクセスを得るため必要な行動を取ると述べた。(4)
24日,モラレス大統領はボリビア国営放送局のインタビューにおいて,独立200周年の2025年に向けた目標として,極貧率の5%以下への減少,全国の下水道整備,テレフェリコ第3フェーズの実施,中規模都市における母子病院の建設,印へのガス輸出,二つの石油化学プラント建設,リチウム関連40プラントの建設,新しい26の天然ガス田の掘削,汚職撲滅等を目標とすると述べた。(5)
29日,チョケ最高選挙裁判所長官は,以下の日程で大統領選挙及び総選挙を実施すると発表した。ア 2019年5月27日:大統領選挙及び総選挙の公示
イ 年月日:大統領選挙及び総選挙
ウ 年月3日:(何らかの問題で月日に選挙が適切に実施できなかった投票所のみ)大統領選挙及び総選挙の再実施
エ 年月日:(要すれば)大統領選挙の決戦投票(何らかの問題で月日に選挙が適切に実施できなかった投票所のみ月日に決選投票の再実施)
オ 年1月3日:当選者に対する認定証交付
カ 年1月日:新大統領の就任式
(6)世論調査
ア Mercados y Muestras社による調査(2月16~19日,県庁所在地及びエルアルト市で実施)(1)大統領選挙で誰に投票するか
モラレス大統領:31%,メサ元大統領:30%,不明:25%,オルティス上院議員:7%,パス・サモーラ元大統領:3%,パツィ・ラパス県知事:2%,カルデナス元副大統領:2%
(2)モラレス大統領とメサ元大統領の間で決戦投票が行われる場合,どちらに投票するか
モラレス大統領:36%,メサ元大統領:46%,未定:18%
(3)モラレス大統領とオルティス上院議員の間で決戦投票が行われる場合,どちらに投票するか
モラレス大統領:39%,オルティス上院議員:30%,未定:31%
イ ラテンアメリカ地政学戦略的センター(CELAG)による調査(3月4~26日,2,000人を対象に実施)
(1)大統領選挙で誰に投票するか
モラレス大統領約45%,メサ元大統領約35%,オルティス上院議員約9%
(2)モラレス政権への評価
大変良い,良い,普通の合計:64%,悪い:33%
(3)次期政権で優先すべき課題
教育:69%,保健:65%,汚職撲滅:54%
(4)ボリビアの政治・経済状況に対する評価
肯定的:58%,否定的:37%,中立的:10%
(5)テレビに対する信頼度
「非常に」,「かなり」信頼するメディアだと考える:約46%
ウ Mercados y Muestras社による調査(3月16~20日,県庁所在地,エルアルト市及び31の中規模都市で実施)
(1)大統領選挙で誰に投票するか
メサ元大統領:32%,モラレス大統領:31%,未定:21%,オルティス上院議員:8%,パツィ・ラパス県知事:3%,サモラ元大統領:2%,カルデナス元大統領:2%
(2)次期政権の優先課題
汚職(撲滅):28%,雇用不足:16%,保健サービス:約13%,経済危機:11%,犯罪:9%,麻薬密輸:6%,教育:5%,政権運営:5%,密輸:4%,その他:2%
(3)決して投票しない候補者
モラレス大統領:37%,不明・無回答:17%,メサ元大統領:15%、サモラ元大統領:9%、
(4)選挙不正があると考えるか
不正があると考える:72%,公正であると考える:19%,不明・無回答:9%
(5)大統領選挙で勝利するのは誰と思うか
モラレス大統領:52%,メサ元大統領:23%,不明・無回答:20%
3 外交
(1)多国間関係
ア 14日,モラレス大統領は,オーストリアのウィーンで開催された国連麻薬委員会第62回総会に出席し,ボリビアにおける麻薬取引及びコカ葉の余剰生産に対する社会的統制に関する経験等を紹介した。イ 26日,外務省は,メルコスール設立条約であるアスンシオン条約の署名から28年を迎えることに祝意を表するプレスリリースを発出した。
(2)二国間関係
ア 2日,モラレス大統領は,オルロ市を訪問したベニテス・パラグアイ大統領と会談し,両大統領は,両国の文化・経済・エネルギー関係,両国に裨益するインフラ整備の推進等を含む共同宣言に署名した。イ 8日,大統領府で新駐ボリビア・キューバ大使及び新コスタリカ大使の信任状捧呈式が実施された。
ウ 8日,パリ外相はリマでポポリシオ・ペルー外相と会談し,二国間の課題,ボリビアのCELAC議長国就任やペルーのアンデス共同体議長就任を通じた地域統合プロセス等について協議した。
エ 10日,外務省は,エチオピアで発生した飛行機事故の犠牲者に哀悼の意を表するプレスリリースを発出した。
オ 12日,パリ外相は,ボリビアが11月5~10日に上海で開催予定の第2回中国国際輸入博覧会に参加予定であると発表した。
カ 15日,外務省は,ニュージーランドで発生したテロ攻撃に関し,同国政府及び国民に対し連帯の意を表するプレスリリースを発出した。
キ 15日,モラレス大統領はギリシャを訪問し,チプラス首相と貿易,文化,技術移転に関する協力について会談した。
ク 26日,外務省は,イスラエルによるガザ地区への爆撃及びゴラン高原をイスラエル領とする米国の見解を非難するプレスリリースを発出した。
(3)その他
3月7日~10日に東京国際フォーラムで開催された「World Art Tokyo」に,ボリビア人画家ファブリシオ・ララ氏が作品を出展した。(了)