ボリビア内政・外交(2019年2月)
平成31年3月5日
1 概況
(1)内政
ア 20日,モラレス大統領は,3月1日から国民皆保険(SUS)を施行するための法律第1152号を公布した。イ 21日,サンタクルス市,コチャバンバ市及びラパス市において,反政府市民団体は2016年2月21日に実施された国民投票の結果を尊重するよう求める抗議活動を実施した。
(2)外交
ア 7日,パリ外相は,ウルグアイのモンテビデオで開催されたベネズエラ情勢に関する国際コンタクト・グループ(ICG)会合に出席した。イ 2月27及び28日,サンタクルス市において,CELAC・EU国会議員会合(EuroLat)が開催された。
2 内政
(1)大統領選挙関係
ア 5日,市民共同体(Comunidad Ciudadana:CC)の大統領及び副大統領候補であるメサ元大統領とペドラサ氏は,タリハ市において全国選挙キャンペーンを開始した。イ 9日付当地紙は,客月23日,亜,伯,チリ,西在住ボリビア人を対象とする在外選挙人登録のため,710万ボリビアーノスの予算を計上する最高政令第3781号を承認したと報じた。
ウ 21日,サンタクルス市,コチャバンバ市及びラパス市において,反政府市民団体は2016年2月21日に実施した国民投票の結果を尊重するよう求める抗議活動を実施した。
エ 28日,ボルダ下院議長は,選挙キャンペーンのため,MAS党の代表を国外に派遣する計画があると発表した。
オ 世論調査
1. Mercados y Muestras社による調査(調査地:県庁所在地,エルアルト市及び50の中規模都市,期間:1月18~23日)
(1)大統領選挙で誰に投票するか
メサ元大統領32%,モラレス大統領32%,未定25%,「ボリビアはノーと言う」の候補者4%,キリスト教民主党(PDC)の候補者3%,連帯市民統一党(UCS)の候補者2%,第三の制度運動党(MTS)の候補者2%
(2)決選投票になった場合,誰に投票するか
メサ元大統領49%,モラレス大統領37%,誰にも投票しない11%,
不明・無回答4%
2. テレビ局ATBによる投票先調査(調査地:県庁所在地及びエルアルト市,期間:2月14~19日)
モラレス大統領35.6%,メサ元大統領30.5%,オルティス上院議員6.6%,
その他の野党議員10.6%,不明・無回答16.7%
3. CAPTURA CONSULTING社による投票先調査(調査地:ラパス市,エルアルト市,コチャバンバ市,サンタクルス市)
モラレス大統領33.4%,メサ元大統領21.9%,オルティス上院議員6.2%,
その他の野党議員7.4%,白紙投票18%,不明・無回答13.4%
(2)
5日,モラレス大統領は,1月27日の党内選挙の結果分析のため,大統領府で「変革のための国家調整委員会」(CONALCAM)と会合した。(3)
15日,サルバティエラ上院議長は,在ボリビア・チリ領事館に対し,自身のチリ国籍を離脱するための資料を提出したことを発表した。同議長は,ボリビアとチリの二重国籍者であることについて反政府側から批判を受けていた。(4)
20日,モラレス大統領は,3月1日から国民皆保険(SUS)を施行するための法律第1152号を公布した。(5)
21日,カセレス内務省社会防衛・規制物質担当次官は,2019年1月から2月までの間,国家警察特別麻薬取締局(FELCN)が2.4トンのコカイン及び82.7トンのマリファナを押収したと発表した。(6)
23日,コチャバンバ市でMAS党の特別会合が開催された。モラレス大統領は,自身が大統領を務めるのは2025年までであり,70%以上の支持率を維持して大統領の職を去りたいと述べた。また,同会合では,MAS党が両議院議席の3分の2を維持できるよう総選挙得票率の目標を70%に設定することが決定された。3 外交
(1)多国間関係
ア 1日,モラレス大統領は,NYの国連本部で開催された「国際先住民言語年」の開会式に出席した。イ 7~15日,スクレ市で第171回米州人権委員会会合が開催された。
ウ 12日,元UNASUR事務局長のサンペール元コロンビア大統領がラパスを訪問し,モラレス大統領とUNASURの再活性化について協議した。
エ 14日,外務省は中南米非核地帯条約(トラテロルコ条約)署名52周年及び同条約事務局(OPANAL)の設置50周年に祝意を表するプレスリリースを発出した。
オ 2月27及び28日,サンタクルス市において,CELAC・EU国会議員会合(EuroLat)が開催された。EuroLatの共同声明は,ベネズエラ問題を巡る意見の不一致により発出できなかった。
(2)二国間関係
ア 1日,モラレス大統領は,「国際先住民言語年」開会式出席のためのNY訪問の途次,キューバに立ち寄り,ディアスカネル国家評議会議長と会談した。イ 7日,外務省で,ボリビア・カナダ政策協議及びボリビア・カナダ協力協定40周年記念式典が開催された。
ウ 9日,キンタナ大統領府大臣は訪露し,露メディアに対し,ボリビアは露との戦略的関係を再検討すること及び南米における露の重要性等について発言した。
エ 14日,外務省は,イランで発生したテロ攻撃を非難するとともに,犠牲者に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
オ 15日,チリはICJにシララ水源問題に関する抗弁書を提出した。
カ 18日,外務省は,カシミール地方で発生したテロ攻撃を非難するとともに,犠牲者に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
キ 25日,サンタクルス市で,第3回ボリビア・アルゼンチン次官級会合が開催された。
(2)ベネズエラ情勢関連
ア 1日,モラレス大統領は,「国際先住民言語年」開会式出席のためのNY訪問からの帰路,ベネズエラに立ち寄り,マドゥーロ大統領と会談した。イ 6日,メサ元大統領,キロガ元大統領,パス・サモラ元大統領,カルデナス元副大統領,オルティス社会民主運動党(MDS)上院議員及びメディーナ民主統一党(UN)党首は,グアイド・ベネズエラ国会議長を暫定大統領として承認し,同議長を支持する旨の声明を発出した。
ウ 7日,パリ外相は,ウルグアイのモンテビデオで開催されたベネズエラ情勢に関する国際コンタクト・グループ(ICG)会合に出席した。ボリビアは,合意できない部分があるとして,ICGの声明には署名しなかった。一方,ベネズエラの安定に貢献するため,ICG及びEU諸国との協力を継続すると表明した。
エ Mercados y Muestras社による調査(調査地:県庁所在地,エルアルト市及び31の中規模都市,期間:2月16~19日)
1.モラレス大統領がマドゥーロ大統領への支持を継続していることについて:
悪い82%,良い11%,不明・無回答7%
2.マドゥーロ大統領が辞任しない場合,軍事介入により退陣させるべきか:
賛成55%,反対26%,不明・無回答19%
3. モラレス大統領が本年の大統領選挙に勝利した場合,ベネズエラのような危機に陥る可能性があると考えるか:
ある59%,ない29%,不明・無回答12%
(了)