ボリビア内政・外交(2019年1月)
平成31年2月5日
1 概況
(1)内政
ア 22日,モラレス大統領は国会開会式でモラレス政権13年間の成果等に関する「大統領報告」を行った。イ 27日,各党の大統領及び副大統領候補を選定するため党内選挙が実施され,モラレス大統領及びガルシア・リネラ副大統領を含む各党の大統領及び副大統領候補が承認された。
(2)外交
ア1日,モラレス大統領はボルソナーロ伯大統領の大統領就任式に出席した。イ10日,モラレス大統領はマドゥーロ・ベネズエラ大統領の大統領就任式に出席した。
ウ15日,ボリビアは2019年のCELAC議長国に就任した。
2 内政
(1)大統領選挙関係
ア 15日,アルマグロOAS事務局長とゴンサレスOASボリビア常駐代表は,27日の党内選挙にOASの選挙監視団を派遣する旨の協定に署名した。イ 17日,サンタクルス市で,野党主要政党の党首,ベニ県及びパンド県を除く7県の市民団体及び民主主義擁護委員会(CONADE)が会合した。同会合では,ボリビアの民主主義を回復するため,米州民主主義憲章の適用を求めること,27日の党内選挙は,大統領選挙への参加要件を得るための形式的な参加にとどめること,モラレス大統領及びガルシア副大統領の立候補を拒否すること等が合意された。
ウ 17日,駐ボリビアEU大使,独大使,伊大使,仏大使,米臨時代理大使及び駐ボリビアOAS代表は,最高選挙裁判所を訪問し,同裁判所長官及び裁判官と会合した。同会合に参加した大使は,選挙に係る協力計画を提出した,国際社会は選挙プロセスに注目していると述べた。
エ 27日,各党の大統領及び副大統領候補を選定するため党内選挙が実施され,モラレス大統領及びガルシア・リネラ副大統領を含む各党の大統領及び副大統領候補が承認された。
(2)
2日,モラレス大統領は,2018年に実施した事業の検討及び2019年の方針を確定するため,各大臣,次官,国営企業役員及び独立行政法人役員と拡大閣議を実施した。(3)
3日,モラレス大統領は大統領府で労働総連(COB)代表者と会合した。政府とCOBは、COBが2018年に提出した要請書に対応すること,労働者に有利な8つの法律案及び規定の検討を進めることで合意した。(4)
17日,大統領府で大使会議が開催され,モラレス大統領は各国駐在のボリビア大使に,ボリビア産品の売り込みを推進すること及び国外在住のボリビア人に対する対応を改善するよう求めた。(5)
18日,上院及び下院議長が新たに選出され,アドリアナ・サルバティエラ上院議員(MAS党,29歳)が上院議長に,ビクトル・ボルダ下院議員(MAS党,48歳)が下院議長に就任した。(6)
22日,モラレス大統領は国会開会式でモラレス政権13年間の成果等に関する「大統領報告」を行った。(7)
23日,内閣改造が行われた。新たに就任した7名の大臣は以下のとおり。ア ファン・ラモン・キンタナ大統領府大臣
イ ルイス・アルセ・カタコラ経済・財政大臣
ウ ガブリエラ・モンターニョ・ビアニャ保健大臣
エ オスカル・コカ公共事業・サービス・住宅大臣
オ ホセ・マヌエル・カネラス通信大臣
カ ミルトン・ゴメス・ママニ労働・雇用・社会保障大臣
キ ネリダ・シフエンテス生産開発・複合経済大臣
(8)
29日,国際NGOのトランスペアレンシー・インターナショナルは各国の2018年の汚職指標を発表し,ボリビアは180か国中132位にランク付けされた。(9)
30日,ドゥニア・サンドバル最高選挙裁判所裁判官が辞任の意を表明した。(10)
30日,ナディア・クルス・タリファ氏が人権擁護官に任命された。3 外交
(1)多国間関係
ア 15日,ボリビアは2019年のCELAC議長国に就任した。イ 16日,大統領府でボリビア駐在の外交団代表による新年の挨拶が行われ,ガルシア・リネラ副大統領がモラレス大統領の代理で演説した。
ウ 24日,パリ外相は,6月にコロンビアで実施予定の米州人権委員会委員選挙に関し,ベルツェ駐蘭ボリビア大使を候補者として登録したと発表した。
エ 25日,モラレス大統領は,2月28日にサンタクルス市でCELAC・EU国会議員会合(EuroLat)を実施する予定であると発表した。
オ 28日,パリ外相はパリでアズレーUNESCO事務局長と会談した。
カ 29日,パリ外相はブリュッセルでモゲリーニEU上級代表と会談した。
(2)二国間関係
ア 1日,モラレス大統領はボルソナーロ伯大統領の大統領就任式に出席した。イ 9日,マドゥーロ・ベネズエラ大統領の大統領就任式のためベネズエラを訪問したモラレス大統領は,オクタイ・トルコ副大統領と会談した。また,10日,ハタミ・イラン国防大臣と会談した。
ウ 12日,1970年代に4件の殺人事件に関与したとして,1993年に伊裁判所から無期懲役の判決を受け,仏,墨,伯に亡命していたチェザーレ・バチスチ氏がサンタクルス市で身柄を拘束された。14日,ボリビア当局は同氏を伊へ強制退去させた。
エ 14日,外務省は,イランで発生した飛行機事故の犠牲者に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
オ 15日,パリ外相は墨を訪問し,エブラド外相と会談した。会談後,パリ外相は,今後,墨との間で査証免除協定に署名する見込みであると発表した。
カ 17日,外務省は,コロンビアの警察学校で発生したテロ事件の犠牲者に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
キ 20日,外務省は,墨で発生したガスパイプライン爆発の犠牲者に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
ク 25日,外務省は,伯で発生したダム崩壊の犠牲者に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
ケ 28日,外務省は,キューバで発生した台風被害に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
コ 29日,パリ外相は,オレジャーナ元開発企画大臣を駐ウルグアイ大使並びにラテンアメリカ統合連合(ALADI)及びメルコスール常駐代表に任命した。
(3)ベネズエラ情勢関連
ア 9日,モラレス大統領はベネズエラを訪問し,ベネズエラ・ボリバル大学協会から名誉博士号を授与された。イ 10日,モラレス大統領はマドゥーロ・ベネズエラ大統領の大統領就任式に出席した。
ウ 23日,モラレス大統領は,グアイド国会議長の暫定大統領就任宣言に関し,民主主義及び民族自決に反する行為に直面しているとして,マドゥーロ大統領及びベネズエラ国民に対する連帯の意を自身のツイッターで表明した。
エ 26日,外務省は,墨及びウルグアイが推進するベネズエラ情勢に関する対話の開始を支持する旨のプレスリリースを発出した。
(了)