ボリビア内政・外交(2018年11月)

平成30年12月5日

1 概況

(1)内政

 13日,明年1月27日に予定される党内選挙に向けた政党連立の登録申請期限を迎え,七つの政党と二つの連立が党内選挙を実施することとなった。
 日,党内選挙に向けた大統領及び副大統領候補の最高選挙裁判所への登録期限を迎え,党ほかから組の大統領及び副大統領候補が登録された(注:うち一組については,月4日,最高選挙裁判所は立候補を認めない決定を下した)。
 

(2)外交

 6日,ボリビア外務省で日・ボリビア技術協力協定締結・青年海外協力隊派遣40周年記念式典が開催された。
 15~16日,グアテマラでイベロアメリカ首脳会議が開催され,モラレス大統領が出席した。また,パリ外相は同時期に開催されたイベロアメリカ外相会議に出席した。

2 内政

(1)2019年党内選挙及び大統領選挙

 日,明年1月日に予定される党内選挙に向けた政党連立の登録申請期限を迎え,最高選挙裁判所に対し七つの政党と二つの連立が登録した。党内選挙を実施する政党及び連立は以下のとおり。
 (ア)社会主義運動党(MAS)(与党)
 (イ)第三の制度運動党(Movimiento Tercer Sistema(MTS))
 (ウ)連帯市民統一党(Unidad Civica Solidaridad(UCS))
 (エ)革命民族運動党(Movimiento Nacionalista Revolucionario(MNR))
 (オ)キリスト教民主党(Partido Democrata Cristiano(PDC))
 (カ)勝利のための戦線党(Frente Para la Victoria(FPV))
 (キ)ボリビア国家行動党(Partido de Accion Nacional Boliviano(Pan-Bol))
   (ク)市民共同体(Comunidad Ciudadana (CC),メサ元大統領率いる左派革命戦線党(FRI)とレビージャ・ラパス市長率いる主権と自由党(SOL.bo)の連立)
   (ケ)ボリビアはノーと言う(Bolivia Dice No,コスタス・サンタクルス県知事率いる社会民主運動党(

 20日,労働総連(COB)は緊急会合を開催し,モラレス大統領及びガルシア副大統領が大統領及び副大統領候補として立候補することを支持する決議を採択した。ウワラチCOB総裁は,モラレス大統領との間で,労働者の代表を大臣に任命することや,議員や県知事候補として擁立することで合意が成立したため,支持を決めたと述べた。
 
 28日,党内選挙に向けた大統領及び副大統領候補の最高選挙裁判所への登録期限を迎え,以下の候補者が登録された(以下,大統領候補,副大統領候補の順に記載)。
(ア)MAS:エボ・モラレス大統領,アルバロ・ガルシア・リネラ副大統領
(イ)MTS:フェリックス・パチ・ラパス県知事,ルシラ・メンディエタ氏(看護師)
(ウ)UCS:ビクトール・ウゴ・カルデナス元副大統領,ウンベルト・ペイナード氏(弁護士,牧師)
(エ)MNR:ビルヒニオ・レマ氏(ジャーナリスト),フェルナンド・ウントハ氏(元下院議員)
(オ)PDC:ハイメ・パス・サモーラ元大統領,パオラ・バリーガ氏(弁護士)
(カ)FPV:イスラエル・ロドリゲス氏,アリエル・ウルタード氏(注:FPVの候補者については,12月4日,最高選挙裁判所は立候補を認めない決定を下した。)
(キ)Pan-Bol:ルース・ニナ・ウチャニ氏(弁護士),レオポルド・チュイ氏(元検察官)
(ク)CC:カルロス・メサ元大統領,グスタボ・ペドラサ氏(元持続可能な開発相)
(ケ)Bolivia Dice No:オスカル・オルティス上院議員,エドウィン・ロドリゲス上院議員
 
 28日,メディーナUN党党首は,MDS党との連立から離脱することを発表し,2019年の選挙では,MAS党に勝つ可能性の最も高い候補を支持すると述べた。
 

(2)

 19日,ロドリゲス密輸対策担当次官はプレスに対し,密輸対策のため,2019年5月までにチリ国境沿いに19の,ペルー国境沿いに6の国軍の詰所を設置すると述べた。各詰所には40名の人員が配置され,必要なインフラが整備される。
 

(3)

 26日,モラレス大統領は,外相,大統領府相,内相,法相,保健相及び教育相で構成される,女性及び子供に対する暴力対策閣議を創設することを発表した。
 

(4)伯オデブレヒト及びラバ・ジャト社汚職問題

 6日,オデブレヒト及びラバ・ジャト汚職事件特別調査委員会は,サンタクルス県のロボレ-エル・カルメン間の道路建設に係る汚職に関与したとして,メサ元大統領,国内の道路整備を所掌していた元大臣や政府関係者等,合計8名の氏名を公表した。
 14日,国会でオデブレヒト及びラバ・ジャト汚職特別調査委員会の報告書を検察庁に送付するか否かが審議され,MAS党の賛成投票及び野党の棄権により,同報告書を検察庁に送付することが決定された。同報告書では,サンチェス・デ・ロサダ政権(第2次)時の内相,ベルツェ政権時の3名の政府関係者が汚職に関与したとされ,メサ元大統領及び同政権時の大臣1名及び次官2名の銀行口座の動きを調査するよう求めている。

3 外交

(1)多国間関係

 15~16日,グアテマラでイベロアメリカ首脳会議が開催され,モラレス大統領が出席した。また,パリ外相は同時期に開催されたイベロアメリカ外相会議に出席した。
 20日,第7回ボリビア・EUハイレベル対話が開催された。アルメンドラス外務次官は,EUの対ボリビア協力の成果と進展等について協議したと発表した。
 22~23日,スクレ市で第18回南米移住会議が開催され,ボリビアが議長を務めた。
 26~28日,ベネズエラ(カラカス)でラテンアメリカ経済機構第44回ラテンアメリカ評議会定期会議が開催され,ボリビアが議長を務めた。
 

(2)二国間関係

ア 1日,外務省は,ボリビアとウルグアイの外交関係樹立175周年を祝福するプレスリリースを発出した。
イ 6日,外務省で日・ボリビア技術協力協定締結・青年海外協力隊派遣40周年記念式典が開催された。
ウ 6日,外務省は,ホワイトハウスが発表したボリビアにおけるコカ葉栽培に関する報告書について,ボリビアの違法コカ葉栽培撲滅や麻薬密輸対策を考慮していないとして非難するプレスリリースを発出した。
エ 15日,外務省は,パレスチナ独立宣言30周年を歓迎するプレスリリースを発出した。
オ 16日,パリ外相は,カスタネダ・エルサルバドル外相との間で貿易補完協定に署名した。同協定により,コーヒー,キヌア,カカオ,ビール等100以上の品目に優遇関税が適用され,両国間の貿易が促進される。
カ 23日,外務省は,国際司法裁判所(ICJ)からチリとのシララ水源問題に関する書面手続の日付が通知されたと発表した。2019年2月15日までにチリ側の書面を,同年5月15日までにボリビア側の反対書面を提出する必要がある。


(了)