ボリビア内政・外交(2018年10月)
平成30年11月5日
1 概況
(1)内政
ア 6日,メサ元大統領は,左派革命戦線党(FRI)のから2019年の大統領選挙に立候補することを表明した。30日,メサ元大統領とSol.Bo党首のレビージャ・ラパス市長が政治同盟を成立イ 22日,ウリオナ最高選挙裁判所(TSE)長官が辞任し,30日,マリア・エウヘニア・チョケ判事(アイマラ出身,60歳)が新たな長官に任命された。
(2)外交
ア 1日,チリとの「海への出口問題」に関し,ボリビア敗訴のICJ判決が発出された。イ 4日,鈴木大地スポーツ庁長官が当地を来訪し,モンターニョ・スポーツ大臣との会合等を行った。
2 内政
(1)
情報通信技術・電子政府庁(AGETIC,大統領府管轄)が調査を実施したところ,ボリビアでは,約94%がFacebook,約40%がYoutube,約17%がTwuitter,約15%がInstagramを使用しているとの由。この背景から,モラレス大統領,ガルシア・リネラ副大統領,メサ元大統領,ドリア・メディーナUN党首は, 2019年の選挙キャンペーンのためFacebookを選んでいる。(2)
6日,メサ元大統領は,左派革命戦線党(FRI)から2019年の大統領選挙に立候補することを表明した。(3)
10日~12日,コチャバンバ県チャパレ地域で,MAS党員により,他党の党員名簿登録作業に対する妨害が行われた。(4)
19日,最高選挙裁判所は,2019年1月27日の党内選挙に向けた日程詳細を以下のとおり公表した。ア 11月13日:政党の連立登録申請提出期限
イ 11月23日:政党の法人格取得期限
ウ 11月28日:党内選挙の立候補者登録期限
エ 12月8日:党内選挙に立候補する資格のある候補者の公表
オ 12月11日:候補者の無効申請期限
カ 2019年1月25日:各政党の立候補者最終リストの公表
キ 2019年1月27日:党内選挙
ク 2019年2月3日:党内選挙の最終結果公表
(5)
12~17日,9県の県庁所在地,エルアルト市及びその他中都市において,メルカド・イ・ムエストラ社が行った大統領選挙に関する世論調査は以下のとおり。ア 大統領選挙で誰に投票するか
(ア)メサ元大統領:33%
(イ)モラレス大統領:31%
(ウ)誰にも投票しない:12%
(エ)ドリア・メディーナUN党首:9%
(オ)不明・無回答:7%
(カ)コスタス・サンタクルス県知事:4%
(キ)レビージャ・ラパス市長,カルデナス元副大統領,パツィ・ラパス県知事,サモラ元大統領:各1%
イ 決選投票の場合
(ア)メサ元大統領:46%
(イ)モラレス大統領:36%
(ウ)誰にも投票しない:15%
(エ)不明・無回答:3%
ウ モラレス大統領が再選されない場合
(ア)状況は悪くなる:37%
(イ)状況は良くなる:24%
(ウ)状況は同じ:30%
(エ)不明・無回答:9%
エ モラレス大統領に投票しない理由
(ア)憲法及び国民投票を尊重しない:19%
(イ)理由は明示しないが投票しない:17%
(ウ)モラレス政権における汚職と権力乱用:13%
(エ)モラレス大統領が権力の座に無期限に居座るため:12%
(オ)モラレス政権は過去のもの:12%
(カ)モラレス政権の協力者が無能力:9%
(キ)不明・無回答:7%
(ク)モラレス政権による不要な出費:5%
(ケ)司法権の悪化:5%
(コ)その他:1%
オ メサ元大統領に投票しない理由
(ア)安定性がない:33%
(イ)自分の政党を有していない:22%
(ウ)統治能力が低い:16%
(エ)不明・無回答:13%
(オ)特に理由はない:12%
(カ)その他:4%
カ MAS党内の適した候補者
(ア)ガルシア・リネラ副大統領:30%
(イ)不明・無回答:23%
(ウ)誰もいない:23%
(エ)モンターニョ下院議長:8%
(オ)ロメロ内務大臣:7%
(カ)アルセ元経済財政大臣:4%
(キ)アルセ法務大臣:2%
(ク)その他:2%
キ 「海への出口問題」敗訴の一義的責任者
(ア)モラレス大統領:25%
(イ)誰でもない:17%
(ウ)ボリビア側司法チーム:12%
(エ)ICJ判事:12%
(オ)不明・無回答:8%
(カ)チリ側司法チーム:8%
(キ)メサ元大統領:3%
(ク)アルセ法務大臣:2%
(ケ)ロドリゲス元大統領:1%
(6)
3~15日,9県庁所在地,エルアルト市,6の郊外及び14の農村地域においてイプソス社が上記(5)と同様の選挙に関する世論調査を実施したところ,結果は以下のとおり。モラレス大統領に投票する:39%,メサ元大統領に投票する:25%,誰にも投票しない:13%,その他:7%,コスタス・サンタクルス県知事:6%,ドリア・メディーナUN党首:4%,キロガ元大統領:3%,不明・無回答:3%(7)
タル・クワル社が上記(5)と同様の世論調査を実施したところ,結果は以下のとおり。モラレス大統領に投票する:35%,メサ元大統領に投票する:31%,不明・無回答:16%,ドリア・メディーナUN党首:11%,その他:7%(8)
22日,バス・サモラ元大統領は,キリスト教民主党(PDC)から,2019年の大統領選挙に立候補することを表明した。(9)
22日,ウリオナ最高選挙裁判所(TSE)長官が辞任した。(10)
23日,フアン・ランチパ氏が新たな検事総長に任命された。同氏は,6年間の任期中,裁判手続の迅速化と予防拘禁時の虐待防止が優先課題であると述べた。(11)
24日,最高選挙裁判所に対し,各政党が党内選挙に向けた党員名簿を提出した。提出した政党は下記のとおり。ア 社会主義運動党(MAS)
イ 社会民主運動党(MDS)
ウ 革命民族運動党(MNR)
エ 左派革命戦線党(FRI)
オ 連帯市民統一党(UCS)
カ キリスト教民主党(PDC)
キ 国民統一党(UN)
ク ボリビア国家行動党(PAN-BOL)
(12)
30日,左派革命前線党(FRI)から立候補を表明したメサ元大統領とSol.Bo党首のレビージャ・ラパス市長が,政治同盟に関する覚書に署名した(13)
30日,マリア・エウヘニア・チョケ判事(アイマラ出身,60歳)が新たな最高選挙裁判所(TSE)長官に,アントニオ・コスタス判事が同副長官に任命された。(14)
31日,モラレス大統領は,最高選挙裁判所の判事及び代理判事を補填するための法改正に関する法律を公布した。3 外交
(1)
1日,チリとの「海への出口問題」に関し,「チリは『ボリビアに完全な太平洋への主権的アクセスを付与する合意に至るために誠実かつ効果的にボリビアと交渉する法的義務』を負わない」とのICJ判決が発出された。8日,モラレス大統領は,本件に係る対話の継続を求めるピニェラ・チリ大統領宛書簡を発出した。(2)
鈴木大地スポーツ庁長官が当地を来訪し,モンターニョ・スポーツ大臣と会合し,ボリビア人陸上及び水泳選手に対する助言を行った。(了)