ボリビア内政・外交(2018年8月)
平成30年9月10日
1 概況
(1)内政
ア 12日,モラレス大統領の在任期間が12年6か月23日を迎え,ボリビア大統領の最長在任記録となった。イ 25日に上院で,29日に下院で政治組織法案が可決された。
(2)外交
ア 14日,モラレス大統領はパラグアイを訪問し,ベニテス・パラグアイ大統領と会談したほか,15日に開催されたベニテス大統領の大統領就任式に出席した。イ 26日,サンチェス西首相がボリビアを訪問し,モラレス大統領と会談したほか,二国間協力や南米大陸横断鉄道計画に関する覚書に署名した。
2 内政
(1)
2日,金融調査機関(Unidad de Investigación Financiera)は,同機関のホームページ上でモラレス大統領とガルシア・リネラ副大統領の銀行口座の状況を公開した。2009年11月29日に大統領及び副大統領は,銀行口座の秘密を放棄し,透明性を確保するため情報を公開している。(2)
6日,モラレス大統領は独立記念日の演説を行い,モラレス政権の成果として汚職対策,密輸対策,がん対策病院の設立,高経済成長及び年末の2倍ボーナスの支給を挙げた。また,「海への出口問題」ICJ裁判に関し,ボリビアに有利な判決が発出されるだろうとの期待を述べた。
(3)
12日,モラレス大統領の在任期間が12年6か月23日を迎え,ボリビア大統領の最長在任記録となった。
(4)
14日,ゴンザレス上院議長は,家庭の事情を理由に,上院議長職及び上院議員の職を辞する意向を表明した。15日,モラレス大統領はゴンザレス議長の辞任を承認したが,9月には別の政府要職に復帰することを発表した。ミルトン・バロン上院議員が後任の上院議長に就任した。
(5)
22日,下院の憲法委員会で政治組織法案が可決された。同法案は,2019年の1月最終週に,同年の総選挙に参加する政党が内部選挙で大統領及び副大統領候補を選定することなどを規定する。25日に上院で,29日に下院で,修正を付して同法案が可決された。
(6)コカ葉関連
ア 21日,カセレス国防省市民防衛担当次官は,違法コカ葉栽培の撲滅目標面積を10,000ヘクタールから11,000ヘクタールに引き上げ,2019年までに23,200ヘクタール存在する違法コカ葉栽培面積のうち,22,000ヘクタールを削減すると発表した。イ 22日,ロスタンUNDOCボリビア事務所代表は,ワナクニ外相,ロメロ内相,カセレス市民防衛担当次官の同席の下,外務省で2017年のコカ葉栽培モニタリングに関する報告書を発表した。
(7)世論調査
IPSOS社とRTPテレビが9月3日から12日に9の県庁所在地及びエルアルト市で実施した世論調査によると,29%がモラレス大統領,27%がメサ元大統領,9%がドリーナUN党党首,7%がコスタス・サンタクルス県知事,3%がレビージャ・ラパス市長に投票すると回答した。3 外交
(1)多国間関係
ア 10日,トゥルヒージョ・コロンビア外相は,コロンビアがUNASURから脱退することを発表した。これに対し,12日,ボリビア外務省はコロンビアがUNASURからの脱退表明につき、再考を求めるプレスリリースを発出した。イ 12日,外務省はバチェレ前チリ大統領が国連人権高等弁務官に選任されたことに祝意を表するプレスリリースを発出した。
(2)二国間関係
ア 4日,外務省は,ベネズエラ国家警備軍創設81周年記念式典に出席していたマドゥーロ・ベネズエラ大統領に対する攻撃を非難するプレスリリースを発出した。イ 9日,在ボリビア露大使館でワナクニ外相出席の下,露ボリビア外交関係樹立120周年記念式典が開催された。
ウ 14日,モラレス大統領はパラグアイを訪問し,ベニテス・パラグアイ大統領と会談したほか,15日に開催されたベニテス大統領の大統領就任式に出席した。
エ15日,外務省はイタリアで発生した橋崩落事故に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
オ 17日,ポポリシオ・ペルー外相がラパス市でワナクニ外相と会談し,9月3日にパンド県コビハ市で実施するペルー・ボリビア合同閣議の議題について協議した。
カ 20日,ヌネス伯外相がボリビアを訪問し,ワナクニ外相と南米大陸横断鉄道計画,越境犯罪対策等について協議した。また,ヌネス外相にロス・アンデス・デ・コンドル勲章を授与した。
キ 26日,外務省はイランで発生した地震被害に対し弔意を表するプレスリリースを発出した。
ク 26日,サンチェス西首相がボリビアを訪問し,モラレス大統領と会談したほか,二国間協力や南米大陸横断鉄道計画に関する覚書に署名した。また,サンチェス首相にロス・アンデス・デ・コンドル勲章を授与した。