ボリビア内政・外交(2018年6月)

平成30年7月5日

1 概況

(1)内政

ア 7日,メナチョ国家利益擁護官及びナバロ鉱業冶金相は,チリのキボラックス社との間で,同社に4260万ドルを支払う旨の書面に署名した。

 12日,政府はエルアルト公立大学(UPEA)に対し,7000万ボリビアーノスの予算増額を提示したが,大学側はこの提案を拒否し,抗議活動を再開することを発表した。
 

(2)外交

 13~14日,モラレス大統領は訪露し,プーチン露大統領と首脳会談を行った。

 18~19日,モラレス大統領は訪中し,習近平国家主席と首脳会談を行った。
 
 

2 内政

(1)

 12日,政府はエルアルト公立大学(UPEA)に対し,7000万ボリビアーノスの予算増額を提示したが,大学側はこの提案を拒否し,抗議活動を再開することを発表した。アギラル教育相は,これ以上の予算増額を認めるには,大学運営の透明性の確保及び監査の実施が必要であると述べた。
 

(2)

 14日,最高選挙裁判所は,政治団体に関する法案を議会に提出した。
 

(3)

 15日,モラレス大統領(以下「モ」大統領)はハーグを訪問し,ロドリゲス・ベルツェ駐蘭大使及び法律専門家チームと「海への出口問題」に関する国際司法裁判所(ICJ)判決発出後の方針及びシララ水源問題につき協議した。
 

(4)

 21日,「モ」大統領は,アイマラの新年の祝賀行事に出席した。
 

(5)

 23日,カセレス国防次官は,2018年上半期に根絶した違法コカ葉栽培面積が2163ヘクタールに上り,昨年同時期と比較し4.5%増大したと発表した。
 

(6)キボラックス社訴訟関連

 7日,メナチョ国家利益擁護官及びナバロ鉱業冶金相は,チリのキボラックス社に4260万ドルを支払う旨の書面に署名した。

 18日,メサ元大統領は,キボラックス社訴訟に関し,反経済的行為及び義務違反があったとして,アルセ法相,ナバロ鉱業冶金相及びメナチョ国家利益擁護官を告発した。メサ元大統領は検察庁に対し,国家利益擁護庁による同元大統領に対する責任追及をやめさせるか,現政権に対する調査を開始するよう求めた。
 

(7)世論調査

パヒナ・シエテ紙は,Mercados y Muestras社が5月19日~23日に各県庁所在地とエルアルト市で実施した世論調査結果を以下のとおり報じた。

  「モ」大統領及び野党指導者等のリストを示し,誰に投票するか尋ねたところ,25%がリスト内のいずれの候補者にも投票しない,25%が「モ」大統領,9%がドリーナUN党党首,9%がコスタス・サンタクルス県知事,6%がアルバラシンUMSA学長,5%がレビージャ・ラパス市長,4%がキロガ元大統領,4%がパッツィ・ラパス県知事に投票する,8%が分からない又は無回答であった。

  「モ」大統領の職務遂行状況について,30%が良い,38%が良くも悪くもない,31%が悪いと回答した。

 大統領の無期限再選を可能とした昨年11月の憲法裁判所判決について,71%が違法であると回答,17%が合法であると回答,12%が分からない又は無回答であった。
 

3 外交

(1)多国間関係

 5日,ワナクニ外相は米州機構総会に出席し,アルマグロ米州機構事務局長とも会談した。
 

(2)二国間関係

 4日,外務省は,グアテマラのフエゴ火山噴火に関し,お見舞いのプレスリリースを発出した。

 13~14日,「モ」大統領は訪露し,プーチン露大統領と首脳会談を行った。訪露中,露ガスプロム社との投資協定及び露アクロン社とのガス売買交渉に関する覚書が署名された。

 18~19日,「モ」大統領は訪中し,習近平国家主席との首脳会談を行い,ボリビア・中国共同宣言を発出した。訪問中,ボリビア産品の対中輸出に関する協定等の署名が行われた。

 23~24日,サパテロ元西首相がボリビアを訪問し,「モ」大統領と会談した。

 25日,サルマディ・イラン筆頭外務次官がボリビアを訪問し,「モ」大統領にローハニ・イラン大統領の親書を手交した。

 28日,「モ」大統領は,ティコナ司祭の枢機卿叙任式に出席するため,バチカン市国を訪問した。また,30日,「モ」大統領は,フランシスコ・ローマ法王と会談した。
 

(3)チリとのシララ水源問題

 2日,ボリビア政府は国際司法裁判所(ICJ)に対し,シララ水源問題に関するチリに対する反対書面の提出期限の延長を要請した。ICJは反対書面の提出期限の延長を認め,9月3日が新たな提出期限となった。

 17日,モラレス大統領は,ボリビア側関係者とのハーグでの協議後,チリに対する反訴は提起せず,反対書面のみ準備することとした旨発表した。
 
(了)