ボリビア内政・外交(2017年9月)

平成29年9月30日

1 概況

(1)内政

 18日,与党MAS議員他は憲法裁判所に対し,大統領,副大統領,国会議員,県知事,県議会議員,市長及び市議会議員の三選禁止に係る憲法及び選挙法の条項は米州人権条約に違反するとして,これらの条項を不適用とするため違憲申立てを行った。


 29日,憲法裁判所は,上記違憲申立てを認める決議を発出した。


(2)外交

 16日,モラレス大統領はベネズエラで開催された「ベネズエラに対する連帯世界サミット」に出席し,マドゥーロ政権への支持を継続すると発表した。


 19日,モラレス大統領は第72回国連総会に出席し,一般討論演説を行った。


2 内政

(1)司法官選挙

 5日,民主統一党(UN)のオルティス議員は,候補者選考前日の8月29日に,政府が司法官選挙候補者の選考過程を支持した公立大学にのみ予算を与え優遇したと批判した。


(2)

 4日,透明性と反汚職に関する新法がリネラ副大統領により公布された。


(3)

 6日,モラレス大統領は,2005年に当時の防衛大臣と軍幹部が36発の中国製ミサイルを米国に引渡した事件について最高裁判所が下した判決を不服とし,防衛大臣及び関係機関に対し,判決を下した裁判官に対する責任追及裁判を行うよう求めた。


(4)

 9日,民営化・資本化に関する合同特別調査委員会のサバレタ委員長は,国庫に対する不経済行為に関し,元大統領に対する告訴の提案を含む最終報告書を月末にも提出予定と表明した。


(5)

 17日,パロメケ筆頭外務次官が辞任の意向を表明した。


(6)

 18日,与党MAS議員4名及びMASと協力関係にある野党議員2名(民主統一党(UD)所属)は憲法裁判所に対し,大統領,副大統領,国会議員,県知事,県議会議員,市長及び市議会議員の三選禁止に係る憲法及び選挙法の条項は米州人権条約に違反するとして,これらの条項を不適用とするため違憲申立てを行った。


(7)

 22日,ワナクニ外務大臣は,パロメケ前外務次官の後任としてマリア・ルイサ・ラモス政務担当筆頭外務次官を指名した。


(8)

 29日,憲法裁判所は,MAS党議員他による大統領他の三選禁止に係る違憲申立てを認める決議を発出した。


(9)世論調査

 Mercados y Muestra社が9月16日から20日の期間に全国的な世論調査を実施

 2019年の大統領選へのモラレス大統領の立候補に関し,63%が2016年2月21日の国民投票結果及び憲法の規定により,立候補する資格なし,29%が立候補する資格ありと回答した(不明・未回答7%)。また,65%がモラレス大統領が立候補する,27%が立候補しないと回答した(不明・未回答7%)。


 2019年大統領選での投票先について,44%が野党に投票,26%がMAS党,17%が誰にも投票しないと回答した(不明・未回答12%)。


 カルロス・メサ元大統領の立候補に関し,44%が立候補する,37%が立候補しないと回答した(不明・未回答19%)。また,もし大統領選挙が今行われるなら,27%がモラレス大統領に,17%がメサ元大統領,16%が誰にも投票しない,11%がコスタス・サンタクルス県知事,10%がわからない,8%がメディーナ民主統一党党首に投票すると回答した。


 司法権の独立について,73%が司法権はMAS党にコントロールされている,16%が司法権は独立していると回答した(不明・未回答11%)。


 12月3日の司法官選挙後の司法状況について,40%が現在と変わらない,25%が悪化する,19%が改善されると回答(不明・未回答15%)。


 候補者選定プロセスについて,68%がプロセスはMAS党に操作されている,18%が選考プロセスは独立していると回答(不明・未回答14%)。


 投票先について,37%がいずれかの候補者に投票する,20%が無効票を投じる,10%が白紙投票する,9%が投票先は秘密,4%が投票しないと回答した(不明・未回答19%)。


3 外交

(1)多国間関係

 5日,ジョレンティ駐国連大使が,ボリビアは核実験を非難し,朝鮮半島の緊張をこれ以上高めないため,対話と安保理での交渉を望むと述べた。


 6日,当地外務省はアポスティーユ条約加入に必要な書類をオランダ外務省に提出した。


 14日及び15日,コチャバンバ県で南米大陸横断鉄道作業部会の第1回会合が開催された。


 15日,ホルヘ・キロガ前大統領がワシントンで米州機構のルイス・アルマグロ事務総長と会談を行い,ボリビアにおける「司法的迫害」の事例について報告した。


 18日,モラレス大統領はグテーレス国連事務総長及びローハニ・イラン大統領と会談を行った。


 19日,モラレス大統領は国連総会において,地球環境保護,朝鮮半島情勢の対話による平和的解決,海への出口問題,ベネズエラ政府支持,米国大統領批判などを内容とする一般討論演説を行った。


(2)二国間関係

 1日,ペルー・リマで,第3回ペルー・ボリビア合同閣議が開催され,両国大統領はリマ宣言に署名した。


 5日,パロメケ外務次官がボリビア・アルゼンチン国境の税関,検疫,移民等の問題について協議するため,サンタクルス市でバスケス亜外務省ラテンアメリカ・カリブ担当次官と会合を行った。


 5日,ワナクニ外相は,チリとの「海への出口問題」に関し、2018年9月に国際司法裁判所(ICJ)が判決を下すことを期待すると表明した。


 6日,当国外務省は,米国が,幼少時に入国した青少年のための強制退去措置の延期(DACAプログラム)を廃止したことを非難するプレスリリースを発出した。


 8日,当国外務省は,北朝鮮による6回目の核実験を非難するプレスリリースを発出した。


 11日,ワナクニ外相はエクアドルを訪問し,モレノ・エクアドル大統領及びエスピノサ・エクアドル外相と会談を行った。


 16日,モラレス大統領はベネズエラで開催された「ベネズエラに対する連帯世界サミット」に出席し,マドゥーロ政権への支持を今後も継続すると発表した。


 19日,当国外務省は,メキシコで発生した地震の犠牲者に対し哀悼の意を表するプレスリリースを発出した。


(了)