ボリビア内政・外交(2017年4月)
1 概況
(1)内政
ア 13日,最高選挙裁判所長官にウリオナ長官が再選,副長官にはエクセニ理事が選出された(任期本年7月~2019年7月)。
イ 19日,当地国連薬物犯罪事務所(UNODC)は,外務省において2016年コカ栽培監視報告書を発表。同報告書によると,2016年のコカ栽培面積は23,100ヘクタールであり,対前年比で14%増加した。
ウ 26日,健康上の理由によりアルセ経済・財政大臣が辞任し,マリオ・ギジェン・スアレス年金担当次官が新大臣に就任
(2)外交
ア 21日,モラレス大統領はメンドーサ市で開催された第50回メルコスール首脳会合に出席した。
イ 21日,モラレス大統領はメルコスール首脳会合のマージンでマクリ亜大統領と会談した。
2 内政
(1)司法官選挙
ア 4日,環境裁判所及び司法審議会の筆記試験が実施されたところ,環境裁判所については34名合格,8名不合格,司法審議会については40名合格,13名不合格であった。エドウィン・ロドリゲス議員(UD党)は試験問題が簡単すぎたとして非難
イ 3~6日,環境裁判所及び司法審議会の面接が実施され,環境裁判所では23名(男性15名,女性8名)が合格し,司法審議会では24名(男性18名,女性6名)が合格した。
ウ 24日,最高裁判所及び憲法裁判所の候補者受付期間が終了し,計334名の応募があった。
(2)コカ栽培
ア 10日,コカ生産(ラパス)県組合(ADEPCOCA)は,憲法裁判所に対しコカ一般法の違憲性を訴えるため,ユンガス地域のコカ生産者2000名がスクレに向けて出発したと述べた。
イ 18日,コチャバンバ県コロミ村で道路封鎖を行っていたコカ栽培者が警察と衝突し,コカ栽培者1名が死亡した。コロミ村及び周辺の農民は,コカ一般法が定めるコチャバンバ県の栽培面積7,700ヘクタールの内700ヘクタールを同地域の栽培面積として割当てることを要求していた。
ウ 19日,当地国連薬物犯罪事務所(UNODC)は,外務省において2016年コカ栽培監視報告書を発表。同報告書によると,2016年のコカ栽培面積は23,100ヘクタールであり,対前年比で14%増。2016年のコカ葉生産量は38,000トン(2億7600万米ドル相当)(対前年比17%増)で,GDPの0.8%を占める。また,合法市場におけるコカ葉の販売は21,952トンで,生産量の58%に相当
(3)
9日,全国14の地方自治体で自治憲章に関する住民投票が行われ,7の地方自治体で承認された。
(4)
13日,最高選挙裁判所長官にウリオナ長官が再選,副長官にはエクセニ理事が選出された(任期本年7月~2019年7月)。
(5)世論調査
30日,「パヒナ・シエテ」紙は,MERCADOS Y MUESTRAS社が6月15~19日に全国の都市部で行った世論調査の結果を公表。右によると,次期大統領選挙での投票行動について,28%がモラレス大統領,21%がメサ元大統領,10%がコスタス・サンタクルス県知事,8%がドリア・メディーナUD党党首に投票すると回答。決選投票となった場合,44%がメサ元大統領,35%がモラレス大統領に投票すると回答。モラレス大統領もメサ元大統領も候補とならない場合には,20%が誰にも投票しない,19%がガルシア・リネラ副大統領,16%がドリア・メディーナ党首,14%がコスタス県知事に投票すると回答。その場合の決選投票では,34%がドリア・メディーナ党首,28%がガルシア・リネラ副大統領に投票すると回答。また,モラレス大統領の取組について,4%が非常に良い,31%が良い,44%がどちらでもない,14%が悪い,6%が非常に悪い,2%が分からない・無回答であった。
3 外交
(1)多国間関係
ア 13日,ワナクニ外相はリマで開催された第41回アンデス共同体外相協議会会合に出席。2017~18年の作業計画に関する協議が行われた。
イ 14日,第3回コーヒー品評会「プレジデンシャル・コーヒー2017」の開催が外務省で公式に発表された。
ウ 19日,モラレス大統領はニカラグアを訪問し,左派政党の集会「サンパウロ・フォーラム」第23回会合に出席した。
エ 21日,モラレス大統領はメンドーサ市で開催された第50回メルコスール首脳会合に出席した。同会合では,ボリビアが提案する,伯,ボリビア及びペルーを通る南米大陸横断鉄道プロジェクトに対する支持を含む特別宣言が採択された。
(2)対チリ関係
ア 7日,ボリビア国内(チリ国境から7.5キロ)で密輸者を追跡していたチリの国境警備隊2名が逮捕された。8日,モラレス大統領は,同2名を国境で引き渡すことを発表し,9日,国境のタンボ・ケマドで引き渡された。
イ 25日,サンタクルス市で第13回ボリビア・チリ国境統合委員会が開催。両国の代表団は,国境の標石の再設置,修理及び設置数の増加並びに自由通行に関する作業部会会合の再開を勧告し,10月25,26日,アリカ市で第14回国境統合委員会会合を開催することで合意した。
(3)二国間関係
ア 4日,ワナクニ外相は離任するWu Yuanshan当地中国大使にコンドル・デ・ロス・アンデス勲章を授与
イ 5日,サンチェス炭化水素大臣はブエノスアイレスでアラングレン亜エネルギー・鉱業大臣と会合。アルゼンチン側は,ガスの購入量を増やすことに関心を表明した。
ウ 5日,フェレイラ国防大臣とジュングマン伯国防大臣は国境沿いのグアジャラ・ミリン市(伯)で会合し,ペルーとの3か国の国境でのコントロールセンターの設置及び麻薬密輸対策について協議した。
エ 6日,ワナクニ外相はウルグアイを訪問しニン・ノボア・ウルグアイ外相と会合。ニン・ノボア外相は,ボリビアが海への出口を持てるようウルグアイの港を使用することを提案した。
オ 14日,フアン・ゴンサロ・ドゥラン・フローレス前ボリビア軍総司令官が駐仏大使に,エドムンド・ポロ・ガストン・アリニェス下院議員が駐コロンビア大使に任命され,宣誓式が行われた。
カ 17日,アリニェス・ボリビア軍総司令官はキューバを公式訪問し,共通の関心事項に関する合意の締結が期待されると述べた。
キ 19日,当国外務省はサンディニスタ革命38周年につき祝意を表するプレスリリースを発出
ク 20日,モラレス大統領はキューバでディアス・カネル国家評議会第一副議長と会談し,二国間関係等について協議した。
ケ 21日,モラレス大統領はメルコスール首脳会合のマージンでマクリ亜大統領と会談し,麻薬密輸対策強化について協議したほか,モラレス大統領はアルゼンチン製医療用放射線装置及び軍用機パンパIIIの購入への関心を表明した。一方マクリ大統領はボリビアからのガス購入量の増加を約束した。
コ 22日,ワナクニ外相は離任するバスケス当地西大使にコンドル・デ・ロス・アンデス勲章を授与
サ 25日,ガルシア・リネラ副大統領はセルビアで開催された国際ラテンアメリカ・カリブ研究連盟第18回会議に出席。ダチッチ第一副首相兼外相と会合し,貿易関係,二国間関係の強化について協議。26日,マドリードで「1917年ロシア革命の100年後」と題する本を発表。
シ 26日,モラレス大統領は,メルコスール首脳会合後,亜,伯及びパラグアイから,二国間会談開催の申し入れがあった旨,また9月にペルーで第3回合同閣議を実施する旨述べた。
ス 30日,ボリビア外務省は,ベネズエラで制憲議会議員選挙が実施されたことは平和,独立及び民族自決の表れであるとして,祝意を表するプレスリリースを発出
(了)