ボリビア内政・外交(2017年2月)

平成29年2月28日

1 概況

(1)内政

 11日,最高司法裁判所はFOCAS事案の予備審問において,サムエル・ドリア・メディーナ国民統一(UN)党党首に対し,検察の要求していた予防拘禁を退け,出国制限,20万Bs(約28,735米ドル)の保証金の支払い及び毎月の検察庁への出頭を言い渡した。


 21日,客年2月21日の国民投票1周年に当たることから,MAS党支持者及び反政府派によるデモが全国各地で行われた。


(2)外交

 5~7日,亜政府による国境管理対策の強化に関し,ゴンサレス上院議長及びコカリコ農村開発・土地大臣が訪亜し,ブルリッチ亜治安大臣と会合


 10日,モラレス大統領はマクリ大統領と電話会談を行い,4月にブエノスアイレスでの首脳会談開催に合意


 14~16日,モラレス大統領はハーグ及びローマを訪問し,「海への出口」問題に関し,3月21日までに提出予定の抗弁書につき協議。また,アポスティーユ条約に加盟した。ローマでは,ジョゼ・グラジアノ国連食糧農業機関(FAO)事務総長と会合


2 内政

(1)

 1日,内閣改造後初めての拡大閣議が9時間以上にわたって開催され,全閣僚,次官,上下両院議長及び主要公社の幹部等約100名が出席した。


(2)1~3日,以下の新次官が任命された。

ア バレンティン・ロカ普通教育担当次官(教育省)

イ ロベルト・サルバティエラ企画・調整担当次官(開発企画省)

ウ ジャミロ・ロメロ国家戦略企画担当次官(開発企画省)

エ グアダルーペ・パロメケ政務担当外務次官(外務省)

オ マリア・デル・カルメン・アルメンドラス官房・領事担当次官(外務省)


(3)

 11日,最高司法裁判所はFOCAS事案の予備審問において,サムエル・ドリア・メディーナ国民統一(UN)党党首に対し,検察の要求していた予防拘禁を退け,出国制限,20万Bs(約28,735米ドル)の保証金の支払い及び毎月の検察庁への出頭を言い渡した。


(4)

 13日,レネー・リノ・サラサル・バジェステロス国家警察長官の後任として,アベル・デ・ラ・バラ前国家警察ラパス県本部長が任命された。


(5)

 13日,モラレス大統領は,障害者の雇用推進及び経済支援に関する法案を議会に送付した。同法案には月々250Bs(約35米ドル)の援助支給が含まれている。


(6)

 14日,ガルシア・リネラ副大統領は,昨年2月の国民投票は政治的計算違いであり,その責任は変革のための国家調整委員会(CONALCAM)(注:MAS党を支持している社会団体の集まり)にあると述べたところ,CONALCAMは直ちに反論した。


(7)ラパス県コカ葉生産者協会(ADEPCOCA)のデモ

ア 17日, ADEPCOCAは,コカ葉の合法栽培面積をラパス県ユンガス地方13,000ha,コチャバンバ県チャパレ地方7,000haと制定する法案に反対し,ラパス市で道路封鎖を行った。

イ 21日,デモにより34名のコカ葉生産者が拘束された。マルティネス大統領府大臣とADEPCOCAは協議を開始

ウ 23日,政府とADEPCOCAは,コカ葉の合法栽培面積をラパス県ユンガス地方14,300ha,コチャバンバ県チャパレ地方7,700haに拡大することに合意し,同日夜,新法案が下院を通過した。

エ 24日,上記ウの新法案が上院を通過し,制定された。


(8)

 21日,客年2月21日の国民投票1周年に当たることから,MAS党支持者及び反政府派によるデモが全国各地で行われた。


(9)

 22日,最高裁判所は国営鉄道企業(ENFE)の民営化に関する起訴事案の予備審問で,ニシザワ弁護士を含む15名に毎月の出頭及び出国制限を言い渡した。


(10)世論調査

 1月14~17日,MERCADOS Y MUESTRAS社(注:ラパス市に本社があり,与党と何らかの関係があると見られる)が大中規模都市で行った世論調査によると,モラレス大統領の再選について64%が反対,33%が賛成,3%が分からない・無回答

 次期大統領選挙で支持する候補者につき,31%がモラレス大統領,16%がメサ元大統領,14%が分からない・無回答,10%がドリア・メディーナUD党党首,9%がコスタス・サンタクルス県知事,10%が誰にも投票しないと回答。モラレス大統領とメサ元大統領の決選投票の場合,40%がメサ元大統領,35%がモラレス大統領に投票すると回答。モラレス大統領とドリア・メディーナUD党党首の決選投票の場合,40%がモラレス大統領,30%がドリア・メディーナUD党党首に投票すると回答。モラレス大統領とコスタス県知事の決選投票の場合,39%がモラレス大統領,28%がコスタス県知事に投票すると回答

 モラレス大統領の取組について,7%が非常に良い,34%が良い,39%が普通,14%が悪い,5%が非常に悪いと回答。モラレス大統領への信頼度について,51%があまり信頼していない,26%が全く信頼していない,21%が非常に信頼していると回答


 Captura Consulting社(注:サンタクルス市に本社があり,与党と何らかの関係があると見られる)が1~10日,ラパス市,エルアルト市,コチャバンバ市,サンタクルス市で行った世論調査によると,モラレス大統領に関し50.4%が評価する,ガルシア・リネラ副大統領に関し44%が評価する,カルロス・メサ元大統領に関し42%が評価する,コスタス・サンタクルス県知事に関し29%が評価する,レビージャ・ラパス市長に関し24%が評価する,ドリア・メディーナUD党党首に関し21%が評価する,キロガ元大統領に関し21%が評価すると回答

 次期大統領選挙で支持する候補者につき,34%がモラレス大統領,19%がメサ元大統領,10%がコスタス・サンタクルス県知事,7.9%がドリア・メディーナUD党党首,2.6%がレビージャ・ラパス市長と回答


3 外交

(1)多国間関係

 2日,国連麻薬犯罪事務所(UNODC)アルド・ラレ・ラモス事務局次長が当地に来訪,当国外務省において国連薬物犯罪事務所(UNODC)による2016-20年ボリビア国別計画の署名式が実施され,同計画が公表された。同計画により,UNODCは2,200万米ドルの予算で「コカ及び総合的発展」,「保健及び麻薬取締り」,「犯罪及び組織犯罪の防止及び対策」,「汚職防止及び対策」及び「刑事司法改革」の五つの分野における技術的及び法的支援を強化する。


 14日,モラレス大統領は,ハーグで「海への出口」問題に関し,3月21日までに提出予定の抗弁書につき協議。また,化学兵器禁止機関関係者と会合


 15日,モラレス大統領はハーグで,ボリビアがアポスティーユ条約に加盟した旨発表


 16日,モラレス大統領はローマで,ジョゼ・グラジアノ国連食糧農業機関(FAO)事務総長と会合


(2)対亜関係

 5~7日,亜政府による国境管理対策の強化に関し,ゴンサレス上院議長及びコカリコ農村開発・土地大臣が訪亜し,在亜ボリビア人と会合


 7日,ゴンサレス上院議長及びコカリコ大臣はブルリッチ亜治安大臣と会合し,亜移民法改正の影響を分析するために専門委員会を設立することに合意


 10日,モラレス大統領はマクリ大統領と電話会談を行い,4月にブエノスアイレスで貿易,移民及び投資等の二国間関係について協議するための首脳会談開催に合意


(3)その他の二国間関係

 11日、ボリビア外務省は10日にフィリピンで起こった地震に関し追悼の意を表明する声明を発表


 13~16日ラパスで,ロドリゲス開発企画省公共投資・海外融資次官及びサントス当地伯大使が出席して,第2回ボリビア・ブラジル技術協力ワーキング・グループ会合が行われ,2012~15年二国間技術協力プログラムの評価及び2017~19年協力プログラムに含まれるプロジェクトに関する協議が行われた。


 16~17日,ワナクニ外務大臣はハーグ訪問に続きブリュッセルを訪問し第6回ボリビア・EUハイレベル協議を実施


 22日,アラルコン・エネルギー大臣及び露国営原子力企業ロスアトム社代表が会合し,エルアルト市に建設予定の原子力技術研究センター建設に関し協議


(了)