ボリビア内政・外交(2017年1月)

平成29年1月31日

1 概況

(1)内政

 22日,モラレス大統領は国会開会式において4時間20分に及ぶ大統領報告を行い,各分野・事項におけるモラレス政権11年間の成果を強調した。


 23日,モラレス大統領は内閣改造を発表し,閣僚の半分に相当する10名が交代


(2)外交

 1日,ボリビアは国連安保理の非常任理事国に就任した。


 1~2日,モラレス大統領とチョケワンカ外務大臣はパラグアイを訪問し,それぞれカルテス大統領及びロイサガ外務大臣と会合し,南米大陸横断鉄道プロジェクトを推進する二国間覚書に署名した。


 24日,モラレス大統領はラテンアメリカ・カリブ諸国連合(CELAC)首脳会合に出席するためにドミニカ共和国を訪問


2 内政

(1)

 3日,モラレス大統領は,昨年6月に開催された司法サミットのフォローアップとして,司法プロセスの迅速化を目的とする 四つの法案(改正案を含む)を国会に提出した。


(2)

 16日,ハビエル・ペニャフィエル判事が新環境裁判所長官に就任した。


(3)

 19日,ホセ・アルベルト・ゴンサレス上院議長及びガブリエラ・モンターニョ下院議長が,それぞれ3年連続で再任された。


(4)

 22日,モラレス大統領は国会開会式において4時間20分に及ぶ大統領報告を行い,パワーポイントを使用しつつ,各分野・事項におけるモラレス政権11年間の成果を強調した。


(5)内閣改造

 23日,モラレス大統領は内閣改造を発表し,閣僚の半分に相当する10名が交代。チョケワンカ外務大臣,キンタナ大統領府大臣,オレジャーナ開発企画大臣等が交代し,ワナクニ新外務大臣,マルティネス新大統領府大臣,プラド新開発企画大臣が就任。省庁も新たに再編成され,炭化水素エネルギー省は炭化水素省とエネルギー省に分割,制度的透明性・汚職撲滅省は法務省に統合(法務・制度的透明性省),地方自治省は大統領府に統合され,大統領府に担当の次官室が置かれることとなった。アルセ国家利益擁護官が法務・制度的透明性大臣に就任し,メナチョ副国家利益擁護官が国家利益擁護官に昇格した。


 23~31日,以下の新次官が任命された。

(ア)ウーゴ・ホセ・シレス地方自治担当次官(大統領府)

(イ)ホアキン・ロドリゲス電力・代替エネルギー担当次官(エネルギー省)

(ウ)アルベルト・エチャス・エネルギー先進技術担当次官(エネルギー省)

(エ)マルティン・バスルコ国内取引・輸出担当次官(生産開発・複合経済省)

(オ)サトゥルニーノ・ラモス中小企業担当次官(生産開発・複合経済省)

(カ)ネストル・ワンカ大中規模工業生産担当次官(生産開発・複合経済省)

(キ)ゴンサロ・トゥリゴソ制度的透明性・汚職撲滅担当次官(法務・制度的透明性省)

(ク)アルトゥーロ・アレサンドゥリ雇用・市民・協同組合サービス担当次官(労働・雇用・社会保障省)

(ケ)フリア・コジャード飲料水・下水処理担当次官(環境・水資源省)

(コ)ブラウリオ・ワイジャ水資源・灌漑担当次官(環境・水資源省)

(サ)ジェニー・カラスコ科学技術担当次官(教育省)

(シ)クラウディア・エスピノサ通信政策担当次官(通信省)


(6)

 25日,ガルシア・リネラ副大統領は記者会見で,MAS党は,2019年大統領選挙でのモラレス大統領の再出馬に向けたプロセスの基礎となる三つの柱-「2025年までの長期発展のためのアジェンダ(Agenda Patriotica)」策定,社会運動の体制構築及び大統領候補としてモラレス大統領擁立-を確認した旨述べた。


3 外交

(1)多国間関係

 1日,ボリビアは国連安保理の非常任理事国(2017~18年)に就任した。


 17日,伊ローマの第3刑事裁判所は,1970~80年代に行われたコンドル作戦に関し,ガルシア・メサ元大統領及びアルセ・ゴメス元内務大臣に終身刑を下した。


 24日,モラレス大統領はラテンアメリカ・カリブ諸国連合(CELAC)首脳会合に出席するためにドミニカ共和国を訪問。演説で,ボリビアが2006年以降推進してきた生産に関する共同体の経済・社会モデルにより成果が出ていることを紹介し,競争的ではなく補完的な共同体の経済・社会モデルを推進すべきであると述べた。また,トランプ米大統領に対し,人権を尊重する移民政策をとり,世界市民権の確立に向けて進むよう呼びかけた。


 24日,ベルリンで,クラロス公共事業・サービス・住宅大臣,ペルーのビスカラ運輸大臣及びパラグアイのヒメネス公共事業通信大臣が,ドイツのボンバ運輸大臣及びスイスのネル経済大臣(中南米担当)と南米大陸横断鉄道について協議した。


 30日,ワナクニ新外務大臣は,サンペールUNASUR事務総長と会合し,南米大陸横断鉄道等について協議。31日,同外務大臣はサンペール事務総長離任前の報告会に出席


(2)対チリ関係

 13日,ボリビア外務省は,ボリビアが利用するチリの港の税関職員のストライキによりボリビアの自由通行が保障されず,貿易に支障を来しているため,右状況を解決するためにチリ政府に必要な措置を取るよう求める声明を発表


 26~27日,ボリビアとチリは第9回麻薬に関する合同委員会をサンタクルスで開催し,両国の麻薬対策部隊が国境の麻薬密輸対策に関する任務を連携して行う旨合意


(3)その他の二国間関係

 1~2日,モラレス大統領とチョケワンカ外務大臣はパラグアイを訪問し,それぞれカルテス大統領及びロイサガ外務大臣と二国間の関心事項について協議し,南米大陸横断鉄道プロジェクトを推進する二国間覚書に署名した。


 3日,ボリビア外務省は,1日トルコのイスタンブールで発生したテロ行為を非難する声明を発表


 9日,ボリビア外務省は,ラフサンジャニ元イラン大統領死去に哀悼の意を示す声明を発表


 10日,モラレス大統領は,オルテガ・ニカラグア大統領の就任式に出席


 26日,墨米首脳会談の中止決定を受けて,モラレス大統領はツイッターで,ペニャ・ニエト墨大統領に対し,「メキシコが中南米により目を向け,中南米のアイデンティティーに基づき,共に団結するよう呼びかける。」旨述べた。


 28日,ボリビア外務省は,多数の死亡者を出したペルー南部の大洪水に関し連帯の意を表明する声明を発表


 30日,ボリビア外務省は,29日にカナダのケベックで発生したモスク襲撃事件を非難し,犠牲者の家族に対し連帯の意を表明する声明を発表


(了)