ボリビア内政・外交(2016年7月)

平成28年7月31日

1 概況

(1) 内政

 5日,当地国連薬物犯罪事務所(UNODC)は,外務省において2015年コカ葉栽培監視報告書を発表。同報告書によると,2015年,コカ葉の栽培面積は前年比で1%減少し,20,400haから20,200haとなった。


 7月25日~8月5日,パチ・ラパス県知事は,中央政府からの交付金の増額を要求してハンガーストライキを実施


(2)外交

 12日,マドリードでスペイン経団連主催「ボリビア投資フォーラム」が開催


 17日,チョケワンカ外務大臣を団長とする約60人の視察団がチリのアリカ港及びアントファガスタ港を視察し,1904年条約の違反行為が確認されたと発表


2 内政

(1)

 5日,当地国連薬物犯罪事務所(UNODC)は,外務省において2015年コカ葉栽培監視報告書を発表。同報告書によると,2015年,コカ葉の栽培面積は前年比で1%減少し,20,400haから20,200haとなった。UNODCが本件調査を始めた2003年以来,コカ葉の栽培面積が最小となった。


(2)

 8日,キヌア国際センターの設立が発表された。ボリビア政府が,亜,チリ,コロンビア,エクアドル,ペルー,ベネズエラの協力を得てオルロ県に建設する予定


(3)

 13日,シララ水源防衛に関する審議会のレネ・マルティネス会長は,「海への出口」問題に関する法律専門家チーム(スペイン人1名,フランス人2名,イラン人1名)がシララ水源問題にも対応する旨発表


(4)

 20日,元MAS党支持者等は,2019年の大統領選挙,総選挙でMAS党に対峙するため新たな政党を結成すると発表。今後,法人格取得手続きを行うこととなる。


(5)

 21~22日,先住民基金汚職問題に関しアチャコジョ前農村開発・土地大臣が検察の取調べを受けた。


(6)

 7月25日~8月5日,パチ・ラパス県知事は,中央政府からの交付金の増額を要求してハンガーストライキを実施。現在の3億ボリビアーノス(約4,290米ドル)の10倍,中央政府の税収全体の4%に当たる30億ボリビアーノスをラパス県に交付することを要求した。アルセ経済・財政大臣は,ラパス県の予算不足は県庁の予算執行が効率的でないためと述べた。


(7)

 28日,モラレス大統領は法的代理人を通じて,ウンベルト・バカフロール記者を提訴。2000年に,モラレス大統領が主導して,コカ葉栽培者がコチャバンバ・サンタクルス間の道路封鎖を1か月以上にわたり行った際,警察官とその夫人がコカ葉栽培者により殺害された事件に関し,右を命じたのはモラレス大統領であったと同記者が報じたのは同大統領に対する名誉毀損であるというのが提訴の理由。


3 外交

(1)多国間関係

 6~7日当国で「第43回パラグアイ-パラナ川協定委員会」がボリビア,亜,伯,パラグアイ及びウルグアイの代表等の出席の下開催


 12日サンタクルス市で,「第6回ガス・石油会議」が開催


 13日,ハーグで,ロドリゲス駐蘭大使が「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」(ハーグ条約)に署名し,ボリビアは同条約の締約国となった。


(2)対チリ関係

 5日,シララ水源問題に関し,国際司法裁判所(ICJ)は,6月23日にボリビアとチリの代理人が会合した結果を踏まえ,チリの申述書の提出期限を2017年7月3日,ボリビアの答弁書の提出期限を2018年7月3日に決定した旨発表


 17日,チョケワンカ外務大臣を筆頭にアルラルデ外務次官,ゴンサレス上院議長,モンターニョ下院議長,運送業者代表,報道関係者から成る約60人の視察団がチリのアリカ港及びアントファガスタ港を視察し,1904年条約の違反行為が確認されたと発表。また,チリのラウカ川の流れに関しても,工事により水の大半がチリ国内に人為的に引き込まれていることが改めて確認された。


 19日,チリはボリビア視察団の来訪に反発し,ボリビアとの外交査証免除協定を見直すための手続きの開始を決定した旨発表したところ,20日,ボリビア政府はチリに対する外交査証免除は継続する旨述べた。


(3)その他二国間関係

 8日,ガルシア・リネラ副大統領及びサンチェス炭化水素・エネルギー大臣は,ロシア国営原子力企業ロスアトム社と原子力技術に関する研究・開発センター建設プロジェクトの発展に関する協定,原子力技術利用の人材育成に関する協定及び原子力技術利用の国民の受容に関する協定に署名した。


 12日,マドリードでスペイン経団連主催「ボリビア投資フォーラム」が開催された。オレジャーナ開発企画大臣,アルセ経済・財政大臣,マチカオ文化・観光大臣,ノスタス・ボリビア経団連会長が出席し,スペイン企業約100社が参加した。


 12日,モレイラ環境・水資源大臣は,ユネスコ水教育研究所及びオランダ政府との間で,シララ水源及び当国の他の地下水資源について調査を行うための覚書に署名した。


 15日当国外務省は,14日にフランスで起きたテロ行為を非難し,犠牲者に対して追悼の意を表するプレスリリースを発出


 20日,エルサルバドルのサンサルバドール市で,エンダラ外務省貿易・統合担当外務次官はロドリゲス経済副大臣との間で通商協定締結に向けた第2回会合を行った。


 28日ガルシア・リネラ副大統領及びモンターニョ下院議長は,ペルーの大統領就任式に出席


 28日ロメロ内務大臣は,ブレナン当地米国臨時代理大使と会合。ブレナン臨時代理大使は,大使館警備に関する協定の更新についての協議のために会合を申し込んでいたが,会合後,ロメロ大臣は,同臨代が野党政治家と会合しているのは内政干渉として批判


 29日当地中国大使館は,29台の装甲車(約8億米ドル)をボリビア国軍に供与


(了)