ボリビア内政・外交(2014年10月)

1 概況

(1) 内政

  • 12日,大統領・副大統領選挙,国会議員選挙を含む総選挙が実施され,モラレス大統領(社会主義運動(MAS)党)が有効投票の61.36%(3,173,304票)の得票率を得て第1回投票での勝利を確定した。
  • 上記国会議員選挙において,MAS党は,国会の両院における合計の3分の2である111議席を上回る113議席を獲得した。
  • 13日,米州機構(OAS)選挙監視団は,最高選挙裁判所(TSE)による集計結果の遅れを指摘し,各政党への活動資金の公的融資の実施,TSEにおける資金運用の透明性確保のための機材整備,及び,組織的な業務改善努力が必要であるとの指摘を行った。
  • 30日,ガルシア・リネラ副大統領は,自治憲章を有していない8県において地方選挙を実施するために2015年地方選挙に向けての暫定選挙法を公布した。

(2)外交

  • 14日,ボリビアは,第38回アンデス共同体(CAN)外務及び通商大臣会合においてCAN議長国に就任した。
  • 21日,ボリビアは,エルサルバドル及びパラグアイと共に国連人権理事会理事国(任期:2015−2017年)に当選した。
  • 28~31日,モラレス大統領は,バチカン及びイタリアを訪問し,民衆運動に関する世界会議及びG77+中国とFAOの間での栄養に関する対話,法王フランシスコとの非公式夕食会等に出席した。

2 内政

(1)2014年総選挙に向けた動き

 各党の選挙活動及びTSEの行動

 (ア)2日,ベラスコTSE長官は,総選挙当日の24時までに70%,翌日13日の朝8時までに90%の開票速報を発表できる見込みである旨発言した。

 (イ)6日,TSEは,個人の投票の秘密を保障するために,12日の総選挙に際してカメラや携帯電話,タブレット等の電源を入れたまま投票所に入ることを禁止する決定を行った。

 (ウ)7日,ベラスコTSE長官は,TSEのデータと内務省身分証総合管理局(SEGIP)のデータを照合した結果,有権者リストの中に,既に死亡している市民約2万人が含まれている可能性がある旨発表し,死亡している可能性のある市民のリストを各地方選挙裁判所に送付する旨発表した。

 (エ)9日,ビジェナ人権擁護官(Defensor del Pueblo)は,総選挙投票日に有権者が,自由に,秘密投票に基づいて,直接投票する権利が保障されることを要請し,多民族選挙機関(OEP)に対して,上述の権利が保障されるように努めるよう要請した。


 2014年総選挙投票結果及びその反響

 (ア)12日,大統領・副大統領選挙,国会議員選挙を含む総選挙が実施され,世論調査会社及びテレビ局調査速報において,モラレス大統領(MAS党)は約60%の得票率を得て第1回投票での勝利を確定し,これを受けて,同大統領は勝利宣言を行った。同宣言の中で,本件勝利は現政権の進める天然資源等の「国有化」政策への民衆の賛同であると述べ,非常に深い感慨を以て今回の勝利を受け止めていると述べた。加えて,原子力の平和的利用や南米におけるエネルギー・センターを目指すという政策に対しても批判が出ているが,大きな目標を設定する必要があると述べた。また,太平洋同盟への加盟を目指すべきとの提案は,ボリビアの天然資源を再び民間資本に戻すことを意味し,容認できない旨発言した。

 (イ)同日,ドリア・メディーナ民主統一(UD)候補は敗北宣言を行い,選挙運動を支持してくれた家族及び支持者に対しての深い謝意を表明し,2015年地方選挙に向けて活動を継続する旨,ボリビアを良くしていくために今後も活動を続け,MAS党の施政を監視していく旨述べた。

 (ウ)13日,デル・グラナド恐れなき運動(MSM)党候補は今次選挙運動において判断を誤ったことを認め,今後の選挙には出馬しないと述べ事実上の政界引退を発表した。

 (エ)モラレス大統領の暫定的な勝利に対して,ムヒカ・ウルグアイ大統領,フェルナンデス・アルゼンチン大統領,マドゥーロ・ベネズエラ大統領,カストロ・キューバ国家評議会議長,コレア・エクアドル大統領,サンチェス・セレン・エルサルバドル大統領,オルテガ・ニカラグア大統領,ラホイ・スペイン首相,オルギン・コロンビア外相,ムニョス・チリ外相等が祝意を表明した。

 (オ)18日,TSEが発表した公式結果速報(開票率:99.82%)以下のとおり。3%以上の得票率に達しなかったMSM党及びPVB党は,法人格を失うことが明らかになった。

  • モラレス大統領(MAS党)  61.04%(3,053,846票)
  • ドリア・メディーナUD候補 24.49%(1,225,095票)
  • キロガ・キリスト教民主党(PDC)候補 9.07%(453,647票)
  • デル・グラナドMSM党候補 2.72%(135,885票)
  • バルガス・ボリビア緑の党(PVB)候補 2.69%(134,792票)

 (カ)19日,MAS党は,TSEに対して,2010年の選挙制度法に基づき,MSM党及びPVB党が獲得する可能性の高い下院比例区の議席を,他政党に振り分けることを要請した。同選挙制度法第59条は,下院比例区に関して「有効投票のうち少なくとも3%の得票率を得た政党の間で」議席を配分する旨規定しており,右規定に基づけば,MSM党及びPVB党には議席が配分されない。他方で,99年の政党法第44条には,「3%以上の得票率を獲得できない場合」政党はその法人格を失うが,「制裁を受ける政党の国会議員の任期は尊重される」旨の規定が存在しており,両法律間で規定が異なる。

 (キ)これに対して,ベラスコTSE長官は26日の再投票後に本件への対応を決める旨発言したが,スナTSE判事は,2010年の選挙制度法を尊重する旨述べた。

 (ク)26日,サンタクルス県及びオルロ県において,12日の総選挙の再投票が実施された。アヤラTSE判事は,29日には総選挙の公式結果が発表できると発言した。

 (ケ)29日にTSEが発表した公式結果(開票率:100%。有効投票5,171,428票)以下のとおり。

  • モラレス大統領 61.36%(3,173,304票)
  • ドリア・メディーナ候補 24.23%(1,253,288票)
  • キロガ候補 9.24%(467,311票)
  • デル・グラナド候補 2.71%(140,285票)
  • バルガス候補 2.65%(137,240票)
  • 白票(総得票数のうちの割合) 1.97%(108,187票)
  • 無効票(総得票数のうちの割合) 3.79%(208,061票)

 (コ)上記結果及び下院小選挙区選挙の開票結果に基づきTSEが発表した国会における各党の獲得議席数は以下の通り。MAS党が国会の両院における合計の3分の2である111議席を上回る113議席を獲得した。

上院(36議席)

  • MAS党:25議席
  • UD:9議席
  • PDC党:2議席

下院(130議席)

  • MAS党:88議席
  • UD:32議席
  • PDC党:10議席

 (サ)パレデスTSE判事は,法人格を喪失したMSM党及びPVB党は,2010年の選挙制度法に基づき,下院比例区における議席配分においても議席配分の対象として含められず,MAS党,UD及びPDC党の3政党の間で比例区の議席が配分された旨説明した。


 TSEによる公式発表の遅れに関する批判

 (ア)TSEは12日の夜までに70%の開票速報を発表するとの約束を遵守できず,13日には,法律の規定に則って22日までに開票結果を正式に発表することを決定し,チュキミアTSE判事は,遅れの理由として,新たに採用した集計システムにおいて技術的及び人的なミスがあったと説明した。

 (イ)13日,TSEの公式発表の遅れに対して,米州機構(OAS)選挙監視団は,本件選挙においてTSEが採用した集計・送付・発表方法は「極めて遅い」旨及び「暫定的な集計結果のより迅速な公表を可能とする方式の採用を強く推奨する」旨の声明を発表した。

 (ウ)キロガPDC党候補は,今次選挙において通常以上に時間がかかっていることはTSEの能力の低さを露呈していると批判すると同時に,TSEが何かしらの工作をしているとの疑義を生じさせると発言した。

 (エ)15日,ボリビア・カトリック中央評議会は,公式結果速報集計が遅れていること及び不正常な状態が発生していることに関して憂慮の念を発表し,TSEの能力の低さによって選挙プロセス全体に対しての疑問が生じてしまっていると発言した。

 (オ)15,16日,モラレス大統領は,それまで,本件に関しての発言を控えていたが,TSEによる作業の遅れに憂慮を表明し,その職務遂行能力に疑問を投げかけると同時に,組織内部の問題が存在すると指摘し,その原因としてスナTSE判事の存在を挙げた。

 (カ)16日,開票率が100%に到達していたパンド県において,同県地方裁判所が数字の判読ミスを理由に各候補の得票率を修正したこと等に基づき,野党関係者は本件を国際的に告訴するとの意思を表明し,与野党の議員が,TSEの判事の辞任やTSEの職務に対しての外部監査の実施を要請したほか,中央政府も複数政党による今次選挙プロセスにおけるTSEの職務に関しての評価実施を提案した。

 (キ)18日,ベラスコTSE長官は,投票日中に70%の開票速報を公表できなかった点に関して誤りを認め謝意を表明した。翌19日,同長官は,2015年の地方選挙に向けて,TSEの通信・情報技術局長を交代させる旨発表し,同局長は,モラレス大統領に批判されたスナTSE判事が推薦した人物である点等を公表した。


 OAS選挙監視団関連

 (ア)2日,パレデスTSE判事は,OASや南米諸国連合(UNASUR)等の国際選挙監視団として,合計300名が12日に実施される総選挙の監視を行う予定である旨発表した。

 (イ)9日,コロンOAS選挙監視団団長は,ボリビアにおける投票への参加率の高さは,ラ米地域でも模範的であると述べ,12日の総選挙においても高い投票率が維持されることを期待する旨述べた。

 (ウ)13日,OAS選挙監視団はボリビア国民が投票所に行くことを可能とする十分な取組がなされていたと評する一方で,TSEによる集計結果の遅れを指摘し(上記2(1)ウ(イ)),現在は実施されていない各政党への活動資金の公的融資の実施を提案し,TSE自身の資金運用における透明性確保のための能力強化・機材整備,及び,組織的な業務改善努力が必要であるとの指摘を行った。


(2)政府の動き

 大統領選挙勝利後のモラレス大統領の発言

 13~14日,モラレス大統領は,外国メディア等のインタビューに答え,憲法を改正して2019年の大統領選挙に立候補することは考えたことがない旨発言し,MAS党の政権公約にも憲法改正が含まれていない点を強調する一方で,政権公約は司法改革を含めており,そのために憲法改正が必要となるかは現時点では分からないと述べた。


 原子力の平和利用

 2日,モラレス大統領は,ラパス県において実施された公共事業の署名式において,2,000百万ドルの投資を実施して,2025年までにラパス県に研究用及び大規模原子炉も含めた原子力施設を設立することを決定した旨発表した。


 軍備増強

 17日,サアベドラ国防大臣は,アルテアガ大佐を新設された防空部の司令官に任命した。同防空部は,上空飛行許可なしにボリビアの空域に入った麻薬輸送用の航空機等を撃墜することを任務としている。


 憲法裁判所判事の弾劾裁判

 (ア)16日,ジュネーブの国際法律家委員会は,法の公布を妨げたとの理由からボリビア上院が憲法裁判所の判事2名に対して実施予定の弾劾裁判に対して,「司法府の独立を侵害するものであり,正当な裁判を受ける権利を侵害する」との理由から反対を表明した。

 (イ)21日,同判事2名に対しての弾劾裁判が上院において再開されたが,ベラスケス判事が開始前に気を失い病院に搬送されたために,11月4日まで延期されることとなった。

 (ウ)22日,ラシコット国連人権高等弁務官事務所所長は,議会は,通常,刑事事件に関して扱う機能を有しておらず,刑事事件の裁判は非常に難しいことから,本来専門の裁判所に任せられるべき事案である旨発言した。

 (エ)29日,下院は,クシ憲法裁判所判事に対する非難決議を可決し,同判事の憲法裁判所判事資格を停止し,クシ判事も11月4日の弾劾裁判にかけられることとなった。


 司法改革

 30日,ガルシア・リネラ副大統領(大統領代行)は,刑事司法システムの効率化に関する法律を公布した。同法律においては,陪審員制度の廃止や判事・検事による集団休暇取得制度の廃止等を定めている。


 海外援助に関する法律案

 30日付け当地「カンビオ」紙は,ボリビアが検討を進めている海外援助に関する法律案が国会に提出された旨報じた。本法案は海外からの無償協力及び有償協力に対して,免税を適用することを規定しており,具体的には協定,取極及びその他の国際約束の枠内で実施される有償協力及び無償協力が,同法律に適合する時には国内市場における直接税が免除される旨規定している。


(3)2015年地方選挙

 1日,下院及び上院は,選挙制度法第94条第1項を修正し,地方選挙の公示期限を,投票日の「150日前まで」から「120日前まで」とする内容の修正法案を可決した。ロハス上院議長は,地方選挙においても決選投票の可能性がある点に鑑み,今次修正を実施していなければ,総選挙の投票日より前に,地方選の公示を行うことになっていた旨説明したが,野党勢力は,選挙運動期間を30日間短縮する政治的決定であり,更に選挙運動を難しくする点等を批判している。


 13日,モラレス大統領は,2015年の地方選挙に向けて,社会運動団体及びMAS党幹部との協議を開始する旨発表した。


 19日,レビージャ・ラパス市長は,所属政党であるMSM党の法人格失効が決定的になったことを受けて,ラパス市の市民団体及び住民組織等との協議を開始し,22日,自身の市民団体「主権と自由“Soberania y Libertad(SOL)”」の創設を発表した上で,法人格の取得に必要な3万名分の署名活動を開始した。29日,同市長は,ラパス県地方選挙裁判所に対して,SOLの法人格取得の為に必要な署名(54,209名分)を提出した。


 22日,デルガド元下院議長は,市民団体創設に必要な市民の署名を集め終えている旨発言し,同市民団体からコチャバンバ市長選に立候補する可能性を示唆した。


 30日,ガルシア・リネラ副大統領(大統領代行)は,ボリビア選挙制度法を修正した2015年地方選挙に向けての暫定選挙法を公布した。同暫定選挙法は,県知事選挙のみ,第1回投票で有効票の過半数を獲得できない,もしくは,40%以上の得票率を獲得し次席候補との間で10ポイントの差をつけることができない場合に,決選投票において有効投票の過半数を獲得した候補が当選することになる旨規定しており,加えて,パンド県を除く自治憲章を有していない8県においては,議席の配分や選挙制度等に関しては,2010年4月の制度をそのまま適用することを可能としている。


(4)コカ葉栽培・麻薬・人身売買関連

 10日付け当地「パヒナ・シエテ」紙は,グリマ・ラテンアメリカ人身売買監視団(OBSERVALATRATA)代表が,ボリビアが不法出入国の経由地であり,中国マフィア組織「Dragon Rojo」による犯罪活動の目的地になっている可能性があると述べた旨報じている。


 17日,組織犯罪に関しての研究を行っているInsight Crimeは,ボリビアが,その地政学的条件及び国内対策の脆弱さによって,麻薬犯罪の震源地になりうるという内容の報告を発表し,ボリビアにおいて,既にコロンビア人及びブラジル人の麻薬犯罪グループが活動している旨発表した。

3 外交

(1)多国間関係

 国連

 (ア)22日,モラレス大統領は,エボラ出血熱の拡大を防ぐために,キューバによる医師の派遣,ベネズエラによる5百万米ドルの寄付に続いて,ボリビアも国連への1百万米ドルの寄付をして,エボラ出血熱の拡大を防ぐことに貢献する旨発表した。

 (イ)21日,ボリビアは,エルサルバドル及びパラグアイと共に国連人権理事会理事国(任期:2015−2017年)に当選した。


 ALBA諸国によるエボラ出血熱対策特別会議

 20日,モラレス大統領は,キューバにおいて開催されたエボラ出血熱に関するALBA特別首脳会合に出席し,先進国に対して更なる対策を実施することを要請した。


 CAN議長国就任

 14日,ボリビアは,第38回CAN外務及び通商大臣会合においてCAN議長国に就任した。チョケワンカ外務大臣は,アンデス地域の統合システムの強化というCANの議長国としての職務を引く次ぐことは大きな誇りであると述べ,各国は補完的な関係にあり,常に同意を模索していくことが必要であると発言した。


(2)二国間関係

 対欧州諸国・EU関係

 (ア)28日,モラレス大統領は,バチカンにおいて開催された民衆運動に関する世界会議において演説し,人種差別や植民地主義,男性上位主義,個人主義等の精神面での貧困を撲滅するために,法王フランシスコの訴える連帯や補完の精神を促進する必要があると主張した。同会議出席後,同大統領は,法王フランシスコとの非公式夕食会に出席した。野党関係者は,ボリビア国内でカトリック教会を批判する一方で,法王との面談を通して敬虔な信者であるとのイメージを出そうとしているとして,相反する姿勢を批判している。

 (イ)29日,モラレス大統領は,イタリアのラ・サルピエンサ大学において「連帯,補完及び人民の自決」と題する講演を行い,ボリビアの成長を強調すると同時に,ボリビアにおける労働組織等をどのように集結し現在の地位を築くに至ったかに関して説明した。

 (ウ)30日,モラレス大統領は,G77+中国とFAOの間での栄養に関する対話に出席し,心身の健全な発展を達成するために,健康且つ栄養価の高い食料を摂取する権利を全ての人間が有していると述べ,また食料品分野における投機や中間業者の介入によって食料品が不足するという事態が起こっていると述べた。


 対中関係

 26日,中国から帰国したナバロ鉱業・冶金大臣は,ムトゥン鉱山開発及びインフラ・プロジェクトにつき,今般の訪中の際に,中国関係者が右プロジェクト実施のための融資を保証する旨明確に表明したと述べた。


 対米関係

 (ア)12日,ガルシア・リネラ副大統領は,総選挙の投票前に実施したメディア向け朝食会において,米国との良好な関係を構築することを常に求めており,ボリビアは米国に対して常に敬意を有しており,米国が内政干渉を止めると確信出来れば,対話に対してオープンである旨発言した。

 (イ)13日,モラレス大統領はテレビインタビューの中で,米国と良好な関係を有することは望ましいことであるが,ボリビアにとって決定的なことではないと発言した。


 対チリ関係

 (ア)2日,カルロス・メサ元大統領(国際社会に「海への出口」問題に関する歴史的・法律的説明を行うための特別担当)は,2日にチリ政府が発表したビデオにおいて(1)ボリビアは既に海への出口を有している,(2)ボリビア政府は1904年の平和友好条約変更を目指しており,国際法体制への大きな脅威である等の間違った主張が行われていると述べ,ボリビア政府は現存する国際法体制を尊重する意思を有しており,申述書においても1904年平和友好条約に触れていないと主張した。

 (イ)4日,モラレス大統領は,全ての国が自らの考えを世界中に主張する権利を有するが,事実を曲げることはできない旨述べ,チリ政府を批判した。加えて,対チリ関係は,国民レベルでは極めて良好であるが,両国政府間には不信感が存在していると述べた。

 (ウ)22日,アルセ国家利益擁護官は,チリ政府がICJに提出した強制管轄権の先決的抗弁に対しての陳述書を11月10~12日に提出する予定であると発表した。


 対伯関係

 26日,モラレス大統領は,ルセーフ伯大統領の大統領選挙決選投票における勝利を歓迎し,伯の政治モデルが継続されることの意義を強調した。


 対ペルー関係

 19日,モラレス大統領は,ペルー政府が,太平洋と大西洋をつなぐ両洋間鉄道がボリビアを経由しないようにするために,「汚い工作(Jugada Sucia)」を行っていたため,右に対して迅速な対応をとったと強調した。これに対して,ペルー政府は,ロドリゲス駐ペルー・ボリビア大使を召還して,上記発言に関しての説明を求めた。


 対ロシア関係

 16日,国営ROSATOM社のリセンコ(Mikhail Lysenko)国際協力担当局長及びカンディバ(Dmitry Kandyba)同局シニア・スペシャリスト等を含む露の代表団がボリビアに到着し,17日,ヒメネス炭化水素・エネルギー省電力・代替エネルギー担当次官と,平和利用のための原子力開発における協力に関し協議を行った。ヒメネス次官は,今般の協議において,露代表団は原子力に関する協力についての経験を発表したと述べ,ボリビアは原子力の平和利用における世界的な経験を有する国に対して,門戸を開いていると述べた。

(了)