1 内政
(1)2025年大統領選挙
ア 世論調査結果(El Deber紙)
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1日、SPIE CONSULTINGが実施し、エル・デベール紙が発表した世論調査結果は以下のとおり。同調査は7月25日~28日の期間、全9県の都市部及び地方の2,500人を対象に実施された。ドリア・メディーナUNIDAD候補(24.5%)、キロガLIBRE候補(22.9%)、パスPDC候補(7.6%)、ロドリゲスAP候補(7.4%)、レイエスAPB-SÚMATE候補(7.2%)、フェルナンデスFP候補(1.7%)、デル・カスティージョMAS候補(2.1%)、コパMORENA候補(1.0%)、アラセナADN候補(0.4%)、無効票(7.4%)、投票態度未定(5.5%)、白票(12.1%)。 |
イ 世論調査結果(El Deber紙)
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8日、SPIE CONSULTINGが実施し、エル・デベール紙が発表した世論調査結果は以下のとおり。同調査は7月31日~8月4日の期間、全9県の都市部及び地方の2,500人を対象に実施された。ドリア・メディーナUNIDAD候補(23.6%)、キロガLIBRE候補(24.5%)、パスPDC候補(9.1%)、ロドリゲスAP候補(8.5%)、レイエスAPB-SÚMATE候補(8.8%)、フェルナンデスFP候補(2.4%)、デル・カスティージョMAS候補(1.8%)、コパMORENA候補(0.2%)、アラセナADN候補(0.3%)、無効票(5.7%)、投票態度未定(5.1%)、白票(9.9%)。 |
ウ 世論調査結果(UNITELテレビ局)
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10日、IPSOS – Ciesmoriが実施し、UNITELテレビ局が発表した世論調査結果は以下のとおり。同調査は8月2日~6日の期間、全9県の都市部及び地方の2,700人を対象に実施された。ドリア・メディーナUNIDAD候補(21.2%)、キロガLIBRE候補(20.0%)、パスPDC候補(8.3%)、レイエスAPB-SÚMATE候補(7.7%)、ロドリゲスAP候補(5.5%)、フェルナンデスFP候補(2.0%)、デル・カスティージョMAS候補(1.5%)、アラセナADN候補(0.5%)、コパMORENA候補(0.2%)、無効票(14.6%)、投票態度未定(13.3%)、白票(5.2%)。 |
エ 世論調査結果(Red Unoテレビ局)
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10日、UNO DECIDEが実施し、Red Unoテレビ局が発表した世論調査結果は以下のとおり。ドリア・メディーナUNIDAD候補(21.6%)、キロガLIBRE候補(20.0%)、レイエスAPB-SÚMATE候補(9.7%)、ロドリゲスAP候補(7.2%)、パスPDC候補(6.4%)、フェルナンデスFP候補(2.0%)、デル・カスティージョMAS候補(2.0%)、アラセナADN候補(0.7%)、コパMORENA候補(0.4%)、無効票(10.6%)、投票態度未定(14.4%)、白票(5.0%)。 |
オ モラレス元大統領の動向
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10日、政治組織エボ・プエブロは、今次総選挙にはモラレス元大統領自身は立候補しないことを正式に発表した。モラレス支持者は、アルセ大統領の脅迫と選挙管理委員会の共謀があったために、どの政党もエボ・モラレス元大統領の立候補を受け入れない結果となったが、かかる共謀が行われた今回の選挙は不正かつ憲法違反であると主張した。
24日、モラレス元大統領は、TSEの開票統計を示す表をXに投稿し、無効票や白票を無視しようとするTSEの姿勢を批判した。投稿では、無効票と白票の合計は63選挙区のうち47区で最多数であり、うち15区では50%を超えていたため、無効票・白票が支持しているであろうエボ・プエブロが選挙の勝者であると主張した。 |
カ OAS(米州機構)の報告書
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18日、米州機構(OAS)は17日の選挙に関する予備報告書を公表した。報告書では、選挙期間中における問題から立候補に関する問題まで、選挙当日および開票に至るまでのさまざまな側面を取り上げた。一部の投票所では投票開始が遅れ、一部の政治家が権限を逸脱した行動を取り、投票所の18%で係員による手順の理解が不十分であったことが確認された。また、禁止事項やMORENA党への投票の記録方法、速報結果システム(SIREPRE)の技術的制限についても混乱があったと報告され、また、予算不足や投票所係員の不足などを理由に、海外での投票が実施されなかったことを指摘している。 |
(2)総選挙結果
ア
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17日、午後9時時点(公式開票率約70%)で、速報結果システム(SIREPRE)の結果は、首位がロドリゴ・パスPDC候補(32.14%)、次にホルヘ・キロガLIBRE候補(26.81%)となり、10月19日の決選投票はこの2名で争われることとなった。 |
| イ |
25日、最高選挙裁判所(TSE)は総選挙の公式結果を発表した。以下、得票率・議席数。 |
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(ア) 投票内訳 |
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有効票: |
5,356,534票 |
(77.63%) |
※総得票数に対して |
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白票: |
172,835票 |
( 2.50%) |
※総得票数に対して |
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無効票: |
1,371,049票 |
(19.87%) |
※総得票数に対して |
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総投票数: |
6,900,418票 |
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有権者数: |
7,936,515票 |
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投票率: |
86.95% |
(白票・無効票を含む) |
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無効となり再投票が必要と判断された投票箱: なし |
(イ) 各候補得票率 |
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パス・キリスト教民主党(PDC)候補 |
32.06% |
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キロガ自由と民主主義党(LIBRE)候補 |
26.70% |
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ドリア・メディーナ統一党(UNIDAD)候補 |
19.69% |
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ロドリゲス人民同盟(AP)候補 |
8.51% |
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レイエス「ボ」自治・スマテ同盟(APB-SÚMATE)候補 |
6.75% |
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デル・カスティージョ社会主義運動党(MAS)候補 |
3.17% |
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フェルナンデス民衆勢力同盟(FP)候補 |
1.67% |
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アラセナ自由進歩同盟・国民民主行動同盟(ADN)候補 |
1.45% |
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(ウ) 上院・下院議席配分 |
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・上院(36議席)
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PDC |
:16議席 |
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LIBRE |
:12議席 |
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UNIDAD |
: 7議席 |
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APB-SÚMATE |
: 1議席 |
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・下院(130議席)
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PDC |
:49議席 |
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LIBRE |
:39議席 |
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UNIDAD |
:26議席 |
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AP |
: 8議席 |
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APB-SÚMATE |
: 5議席 |
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MAS |
: 2議席 |
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BIA-YUQUI |
: 1議席 |
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・国会(166議席)
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PDC |
:65議席 |
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LIBRE |
:51議席 |
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UNIDAD |
:33議席 |
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AP |
: 8議席 |
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APB-SÚMATE |
: 6議席 |
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MAS |
: 2議席 |
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BIA-YUQUI |
: 1議席 |
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(3)決選投票候補者関連
ア キロガLIBRE候補の外交政策
20日、インタビューに応じたキロガLIBRE候補は、「公正で自由な」選挙プロセスがボリビアで行えたことからベネズエラ、キューバ、ニカラグアでもそれと同じことが可能だと述べた。また、決選投票で勝利した場合、米国、イスラエル、そしてベネズエラ野党候補のエドムンド・ゴンサレス・ウルティア氏とは関係を築くと発言した。外交政策としては、「米国、欧州、日本、韓国、中国など、ボリビアに投資し、ボリビアの製品を購入する意思のあるすべての国々と友好関係を築きたい」と説明した。
イ パスPDC候補とアルセ大統領会談
26日、パスPDC候補はアルセ大統領の招待を受け、経済政策チームと共に国の経済状況について知るために大統領府を訪れた。キロガLIBRE候補も大統領府から招待されていたものの、出席しなかった。2時間の会談の後、アルセ大統領とパスPDC候補は記者会見を開き、この会談は政権移行を円滑に進めるための調整の場であり、アルセ大統領は債務返済と炭化水素に関する懸念を表明した。
(4)ボリビア建国200周年
6日、ボリビア外務省によると、40カ国・機関から102人の代表が200周年記念式典に参加した。
(5)リチウム採掘法案
12日、下院経済委員会は、ボリビアリチウム公社(YLB)とロシア企業ウラニウム・ ワン・ グループとの提携を認可する法案170/2024-2025を可決した。オリビア・グアチャラ議員(MAS党)はこの法案の可決に対して、「ポトシ県は年間2700万ドルのロイヤルティを受け取ることになる」として法案を支持したが、JICAの融資を含む国際融資の承認が遅れていることに関して、一部の議員たちの行動を嘆いた。一方、ポトシ市民委員会は、法案の審議を阻止しようとする議員らの動きに連帯するため、一団を国会に派遣した。
(6)アニェス元大統領に対する特別裁判
13日、最高裁判所は、EBA事件に関して、アニェス元大統領に対する通常の刑事裁判は管轄外であるとの地方裁判所の判断を支持し、検察庁に対し、責任追及のための弾劾裁判を開始するための告発動議を提出するよう示唆した。
(7)アニェス元大統領、カマチョ・サンタクルス県知事、プマリ・ポトシ県元市民指導者の予防拘禁に関する新しい判決
22日、最高裁判所(TSJ)は、地方裁判所に対し、アニェス元大統領、カマチョ・サンタクルス県知事、プマリ・ポトシ県元市民指導者の予防拘禁を見直すよう命じた。
25日、エル・アルト刑事裁判所は、アニェス元大統領と関係する「センカタ事件」について管轄権がないことを宣言し、同元大統領および他の17人の被告に対して釈放を命じた。
26日、ラパス第6刑事裁判所はカマチョ・サンタクルス県知事に対する予防拘禁を自宅拘禁に変更した。これをもって、同県知事は制限付きの外出を伴う就労も認められることとなった。
26日、「クーデターI」事件の関連で罪に問われ、拘束されていたプマリ・ポトシ県元市民指導者は即時釈放が認められた。
29日、カマチョ・サンタクルス県知事はラパスの刑務所から釈放され、サンタクルス県に到着した。同県知事は、決選投票の2人の候補者に対して中立の立場を保つと述べ、自身は2026年の地方選挙に再出馬したい意向を明らかにした。
2 外交
(1)ルナスール
2日、モラレス元大統領は、ベネズエラ、ペルー、エクアドル、アルゼンチン、コロンビア、グアテマラ、チリ、ブラジルの左派系社会運動や先住民組織が参加するネットワーク「ルナスール(Runasur)」の代表団を迎え、会合を開催し、生命と人類を守る大陸間運動の創設について議論した。
(2)200周年記念にかかる大統領からの感謝の意
7日、アルセ大統領は、ベネズエラ、韓国、ドイツ、ロシア、ウズベキスタン、スロバキア、アンゴラ、オランダ、スイス、パラグアイ、アメリカ合衆国、イタリア、インド、グアテマラの各国首脳、パレスチナ自治政府議長、およびスペイン国王から届いた祝賀の書簡に対して、感謝の意をXに投稿した。
(3)ベネズエラおよび米国との関係
8日、アルセ大統領は、米国政府からニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領に対する侮辱を非難するメッセージを投稿した。アルセ大統領は、「民主的に選出された大統領の逮捕に対する報奨金の提供は、植民地主義的な行為であり、ベネズエラの主権と尊厳に対する攻撃である」と述べた。
(4)ブラジルとの関係
8日、アルセ大統領とルラ・ブラジル大統領は、グアヤラメリンとグアジャラ・ミリンを結ぶ国際橋梁の建設に関する業務命令書への署名式に出席した。アルセ大統領はルーラ大統領の協力に感謝し、両国は関税障壁を増大させるのではなく、削減・撤廃する国家であると述べた。
(5)米国との関係
15日、ボリビア外務省は、米国国務省が発表した人権報告書に対し、断固たる拒否の意思を表明する声明を発表した。外務省は、この文書はボリビアの協議や同意を得ずに作成されており、厳密性、客観性、妥当性を欠き、ボリビアの現実を無視した一方的で介入主義的な見解であると述べた。
(6)ベネズエラとの関係
18日、マドゥロ・ベネズエラ大統領は、ボリビアが進める「抵抗と未来の解放」の取り組みに対し、ベネズエラの支持を表明した。
(7)ALBA-TCPにおけるボリビアと米国との関係
20日、アルセ大統領は、米国の軍事展開を議題としたALBA-TCP第13回臨時首脳会議に出席した。同大統領はベネズエラ国民と政府への連帯を表明し、カリブ海におけるアメリカによる軍事作戦を容認できない挑発と批判し、あらゆる形態の干渉を拒否するというALBA-TCPの声明を支持した。
(8)中国大使による日本との戦争に関するコラム
26~28日、在ボリビア中国大使館は、9月3日の対日勝利80周年記念式典に先立ち、当地新聞3紙にWang Liang駐ボリビア中国大使の論説を掲載した。論説では、この記念日は平和を愛する人々に記憶されており、1931年から1945年までの出来事を西洋の歴史家たちは頻繁に省略していると強調しており、また、関税による覇権主義や台湾情勢、中国の統一にも触れている。
(9)パレスチナ大使の送別会
27日、ソサ外相は、任務を終えるエラルワニ駐ボリビア・イスラエル大使の送別会として、旧大統領府のロビーでボリビアとパレスチナの友好イベントを開催した。ソサ外相は、NATOに関連する大国とその同盟国が、パレスチナを地図と歴史から消し去ろうとしていると述べ、また、イスラエルへに対する攻撃を非難し、ボリビアは戦争兵器としての飢餓の利用、人権侵害に対して声を上げると強調した。