【注意喚起】ボリビアにおける狂犬病について

令和7年3月29日
●狂犬病は人獣共通感染症であり、人も動物も発症するとほぼ100%死に至る危険な病気ですが、憲法上の首都スクレで犬の狂犬病発症事例が今年だけで11件も報告されています。 
●狂犬病は犬やコウモリ等による咬傷(暴露)を受けた後、出来るだけ早く狂犬病ワクチンを接種することで発症を防ぐことが出来ます。また狂犬病の予防接種を受けている方も、暴露後は追加のワクチン接種が必要です。必ず病院で受診してください。 
●現在、ボリビアは外貨不足の影響で欧米製狂犬病ワクチンの入手が極めて難しい状況です。ボリビア製狂犬病ワクチンの入手は可能ですが、ボリビア製ワクチンの接種では希に重篤な副反応が起きた事例があります。 
●ボリビアへ旅行する際には事前に狂犬病に関する情報を調べておき、あらゆる哺乳動物への接触をなるべく控え、万が一犬などに噛まれた場合は緊急手段としてボリビア製ワクチンの接種も御検討ください。 

1 狂犬病はすべての哺乳類に感染し、発症すると人も動物もほぼ100%死に至る、毎年世界中で約6万人もの死者を出している危険なウイルス感染症です。ボリビアの憲法上の首都スクレでは、その狂犬病の犬の発症事例が今年に入って11件も報告されています。 

2 人の場合、狂犬病は感染してから発症するまでの期間(潜伏期)が一般に1ヶ月から3ヶ月と言われており、犬やコウモリ等による咬傷(暴露)を受けた場合、出来るだけ早く狂犬病ワクチンを複数回接種することで発症を防ぐことが出来ます。また渡航前などに狂犬病の予防接種を受けている方でも、暴露後は追加のワクチン接種が必要です。暴露状況や予防接種の有無によって接種方法・回数等が異なりますので、医師とよく相談してください。 

3 現在、ボリビアは深刻な外貨不足の影響で、WHOの安全基準を満たす欧米製の狂犬病ワクチン入手が極めて困難な状況です。ボリビア製の狂犬病ワクチン入手は容易ですが、欧米製ワクチンと比べて製造方法が旧式のため、希に重篤な副反応が起きた事例があります。また暴露後7日間連続で接種する必要がある等、総接種回数が多くなります。 

4 ボリビアへ旅行で訪れる際は以下のサイト等を通じて狂犬病についての正しい知識を得ると共に、渡航前に狂犬病の予防接種を済ませることを考慮し、旅行中はあらゆる哺乳動物との接触をなるべく控えてください。万が一犬などに噛まれた場合、先達のように狂犬病の発症予防には早期のワクチン接種が有効なため、緊急手段としてボリビア製ワクチンの接種も御検討ください。 

(参考)厚生労働省「狂犬病に関するQ&Aについて」 
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html